JOURNAL
LOST AND FOUND「飲食店のUTSUWA Vol.1 LUCKY ALEXANDE...
NIKKOとさまざまな取り組みをご一緒している飲食店のプロフェッショナルたちの器選びにおけるこだわり、器に盛り付ける一品にかけた想いなど、店舗紹介とともに心ゆくまで話していただく新連載、「飲食店のUTSUWA」がスタートします。第一回目となる今回は、原宿を代表する行列のできるグルメバーガー店「THE GREAT BURGER」をはじめヒット店舗を連発し、もはや原宿エリアで知らない人はいない!というほど人気店舗を複数軒経営している、車田篤氏率いる株式会社LDFSの新店舗「LUCKY ALEXANDER CHINA」です。原宿ではなく、新たな地として選んだのは、松見坂交差点近くの淡島通り。アメリカチャイナタウンにある町中華をイメージした、餃子が主役の新しいスタイルの中華料理店です。 「LUCKY ALEXANDER CHINA」が生まれるまで 「場所を借りたときは、実はまだどんな業態にするか決めていませんでした。でも、単品で勝負するお店はいつかやりたいなという構想はあったんです。餃子は、いつかやってみたいと思っていました。昔から一つ、売りがある専門店が好きなんです。」 飲食店は人を元気にするという役割があると常々考えているというオーナー車田篤氏。そんな想いから、“LUCKY”で始まる店舗を作りたいとぼんやり考えていたところ、“LUCKY”に人の名前を足して店名にしたらどうか!とひらめいて、昔よく遊んでいた友人のALEXANDERの名前をもらい、「LUCKY ALEXANDER CHINA」通称「LUCKY ALEX」という名前が生まれたそうです。 夜をメインにしたお店も、中華料理という業態も手がけるのは初の試みだということですが、細かいところまで自らデザインした店内は、飲食店の醍醐味である「幸運=LUCKY」がとことん詰め込まれていて、はじめてとは思えない完成度の高さ。壁にも「明日はきっといい日になる」など元気が出るような言葉や格言が散りばめられています。壁に使われている木、照明、入り口のドアの仕様やタイルの形に至るまで、モダンでありながら古き良き、昔ながらの風情を感じる「アメリカのチャイナタウン感」を演出するためにたくさんの細かい工夫が凝らされてます。そして、中国で縁起が良いとされる“8”にちなんだ八角形のテーブルや、赤い幸運カラーを基調としたトイレ、そしてそこに鎮座するゴールドの便器まで、まるでパワースポット!? 運気が上がらないわけがない空間に仕上がっています。 圧巻のメニュー数 「餃子でいく!と決めたものの、麻婆豆腐も海老チリも食べたい!お客さんに喜んでもらいたいなと考えていたら、メニューがかなり増えました(笑)。」というのも納得、餃子3種の他に小籠包、麻婆豆腐、よだれ鶏などお酒のおつまみにもぴったりな一品メニューは20種類ほど。〆にはチャーハンなどに加え、和歌山を代表する「丸田屋」のミニ中華そばもラインナップ。ビール8種、紹興酒やバイボール、サワー各種、ナチュラルワインに加え、ソフトドリンクも11種とドリンクの品揃えも圧巻です。デザートも5種類と、何度も通わないと制覇できないほど充実しています。 ランチタイムには、餃子とメインを組み合わせたボリューム満点のセットもあり、夜はわいわいと飲みながらつまむもよし、しっかり腹を満たすもよし。食べ終わったら、車田氏自ら考えたという39種類の有難いお言葉が入ったフォーチュンクッキーで運試しの楽しみも。 使い勝手の良い、全てが“LUCKY”尽くしの新しい溜まり場になりそうです。 NIKKOとのモノづくり デザートやグラスの一部を除いて、店内で使われている食器のほとんどはNIKKOで作られたオリジナルのもの。車田氏がNIKKO本社を訪れ、膨大なコレクションの中からセレクトし、デザインをしたボーンチャイナたちがお店をさらに盛り上げます。「どこもかしこも飲食店の器が素焼きのナチュラル系という、いわゆる"トレンド"に個人的にはもう若干飽きてきたから、正反対のボーンチャイナでいこうと思ったんです。」醤油やラー油入れ、薬味を入れる器もサンプルが充実していたので、店舗で使用しているイメージがすぐに浮かび、セレクトにも時間が掛からなかったそうです。既存のチャーハン皿は丸みが強かったので、少し角張ったクラシックなフォルムにしたい、という希望で型からおこしました。 「さまざまなメーカーのものを試しましたが、NIKKOの製品は全てにおいて形状の設計にこだわりを感じられました。レンゲなどは、口に入れた時の感じがとてもよかったし、透き通るような白の色味も質感も理想的でした。」食べ終わると「幸運=LUCKY」が出てくるようにデザインされているのがポイント! 今回特にこだわったのは、プリントの“赤”の色味。パンっと目に飛び込んでくるような発色の良い鮮やかでコクのある赤を選び、ロゴをプリントにしたのは、90年代のカフェブームの時代を報復とさせる雰囲気を、一周まわってもう一度、という思いからだそう。裏面もしっかりデザインされていて、こちらもどこか懐かしくて馴染みのあるビジュアルですね。家にあると、おうち時間も“LUCKY”になる!? 贈り物にも喜ばれそうな幸運アイテム、「LUCKY ALEX」×NIKKOの器たち。ほとんどの種類は店頭でも販売もしてるので、ぜひチェックしてください。 <店舗情報>LUCKY ALEXANDER CHINA (通称:LUCKY ALEX)住所:東京都目黒区駒場1-16-9電話番号:03-6804-7352営業時間:火〜金...
LOST AND FOUND「飲食店のUTSUWA Vol.1 LUCKY ALEXANDE...
NIKKOとさまざまな取り組みをご一緒している飲食店のプロフェッショナルたちの器選びにおけるこだわり、器に盛り付ける一品にかけた想いなど、店舗紹介とともに心ゆくまで話していただく新連載、「飲食店のUTSUWA」がスタートします。第一回目となる今回は、原宿を代表する行列のできるグルメバーガー店「THE GREAT BURGER」をはじめヒット店舗を連発し、もはや原宿エリアで知らない人はいない!というほど人気店舗を複数軒経営している、車田篤氏率いる株式会社LDFSの新店舗「LUCKY ALEXANDER CHINA」です。原宿ではなく、新たな地として選んだのは、松見坂交差点近くの淡島通り。アメリカチャイナタウンにある町中華をイメージした、餃子が主役の新しいスタイルの中華料理店です。 「LUCKY ALEXANDER CHINA」が生まれるまで 「場所を借りたときは、実はまだどんな業態にするか決めていませんでした。でも、単品で勝負するお店はいつかやりたいなという構想はあったんです。餃子は、いつかやってみたいと思っていました。昔から一つ、売りがある専門店が好きなんです。」 飲食店は人を元気にするという役割があると常々考えているというオーナー車田篤氏。そんな想いから、“LUCKY”で始まる店舗を作りたいとぼんやり考えていたところ、“LUCKY”に人の名前を足して店名にしたらどうか!とひらめいて、昔よく遊んでいた友人のALEXANDERの名前をもらい、「LUCKY ALEXANDER CHINA」通称「LUCKY ALEX」という名前が生まれたそうです。 夜をメインにしたお店も、中華料理という業態も手がけるのは初の試みだということですが、細かいところまで自らデザインした店内は、飲食店の醍醐味である「幸運=LUCKY」がとことん詰め込まれていて、はじめてとは思えない完成度の高さ。壁にも「明日はきっといい日になる」など元気が出るような言葉や格言が散りばめられています。壁に使われている木、照明、入り口のドアの仕様やタイルの形に至るまで、モダンでありながら古き良き、昔ながらの風情を感じる「アメリカのチャイナタウン感」を演出するためにたくさんの細かい工夫が凝らされてます。そして、中国で縁起が良いとされる“8”にちなんだ八角形のテーブルや、赤い幸運カラーを基調としたトイレ、そしてそこに鎮座するゴールドの便器まで、まるでパワースポット!? 運気が上がらないわけがない空間に仕上がっています。 圧巻のメニュー数 「餃子でいく!と決めたものの、麻婆豆腐も海老チリも食べたい!お客さんに喜んでもらいたいなと考えていたら、メニューがかなり増えました(笑)。」というのも納得、餃子3種の他に小籠包、麻婆豆腐、よだれ鶏などお酒のおつまみにもぴったりな一品メニューは20種類ほど。〆にはチャーハンなどに加え、和歌山を代表する「丸田屋」のミニ中華そばもラインナップ。ビール8種、紹興酒やバイボール、サワー各種、ナチュラルワインに加え、ソフトドリンクも11種とドリンクの品揃えも圧巻です。デザートも5種類と、何度も通わないと制覇できないほど充実しています。 ランチタイムには、餃子とメインを組み合わせたボリューム満点のセットもあり、夜はわいわいと飲みながらつまむもよし、しっかり腹を満たすもよし。食べ終わったら、車田氏自ら考えたという39種類の有難いお言葉が入ったフォーチュンクッキーで運試しの楽しみも。 使い勝手の良い、全てが“LUCKY”尽くしの新しい溜まり場になりそうです。 NIKKOとのモノづくり デザートやグラスの一部を除いて、店内で使われている食器のほとんどはNIKKOで作られたオリジナルのもの。車田氏がNIKKO本社を訪れ、膨大なコレクションの中からセレクトし、デザインをしたボーンチャイナたちがお店をさらに盛り上げます。「どこもかしこも飲食店の器が素焼きのナチュラル系という、いわゆる"トレンド"に個人的にはもう若干飽きてきたから、正反対のボーンチャイナでいこうと思ったんです。」醤油やラー油入れ、薬味を入れる器もサンプルが充実していたので、店舗で使用しているイメージがすぐに浮かび、セレクトにも時間が掛からなかったそうです。既存のチャーハン皿は丸みが強かったので、少し角張ったクラシックなフォルムにしたい、という希望で型からおこしました。 「さまざまなメーカーのものを試しましたが、NIKKOの製品は全てにおいて形状の設計にこだわりを感じられました。レンゲなどは、口に入れた時の感じがとてもよかったし、透き通るような白の色味も質感も理想的でした。」食べ終わると「幸運=LUCKY」が出てくるようにデザインされているのがポイント! 今回特にこだわったのは、プリントの“赤”の色味。パンっと目に飛び込んでくるような発色の良い鮮やかでコクのある赤を選び、ロゴをプリントにしたのは、90年代のカフェブームの時代を報復とさせる雰囲気を、一周まわってもう一度、という思いからだそう。裏面もしっかりデザインされていて、こちらもどこか懐かしくて馴染みのあるビジュアルですね。家にあると、おうち時間も“LUCKY”になる!? 贈り物にも喜ばれそうな幸運アイテム、「LUCKY ALEX」×NIKKOの器たち。ほとんどの種類は店頭でも販売もしてるので、ぜひチェックしてください。 <店舗情報>LUCKY ALEXANDER CHINA (通称:LUCKY ALEX)住所:東京都目黒区駒場1-16-9電話番号:03-6804-7352営業時間:火〜金...
hideya流 初夏のアペリティーボ術
夏の気配を感じる暑い日に、涼やかなガラスアイテムを使ったインスタライブを開催しました。ゲストは、様々なジャンルでご活躍されているアートディレクターのhideyaさんです。ご自宅にゲストを招いてアペリティーボからディナーを振る舞うhideyaさんのセンスは、毎回SNSで話題になっています。今回は特別に、LOST AND FOUNDに並ぶ約50種類もの涼やかなガラスアイテムから“とっておき”を選んでいただき、手軽で素敵な初夏のアペリティーボ術を伝授していただきました。そのレシピとポイントをお伝えします。 hideya 1985年生まれ。10代はニューヨークで育ち、エンターテイメントにおける活動後、音楽家としてはもちろん、空間プロデュース、フラワーデザイン、フードクリエイション、映像クリエイションなど映画の1シーンのように神秘的でエネルギー溢れる作品は圧巻。メゾンブランドのアートディレクションからイベント制作なども全体を通してブランディングを築き、またセレブリティーウェディングの総合プロデュースなど活躍は多岐にわたる。クライアントには企業のみならず世界中の(ニューヨーク・香港・韓国・イタリアなど)社交人の多くがリストに並ぶ。新進気鋭若手アーティスト。 ライム香るピーマンの爽やか和え (材料:4人分)・ピーマン 中3個・大葉 約10枚・みょうが 3本・ライム 半分・塩、オリーブオイル 適量作り方:① ピーマンは細切りにし、軽く塩をふる。3分ほど経ったところで、ピーマンから出た水気をキッチンペーパーで丁寧に取り、青臭さを取る。② 大葉とミョウガを細切りにし、①に和え、オリーブオイルと塩、隠し味にライムの薄切りと果汁を入れて混ぜ合わせる。盛り付けた器は、「イッケンドルフ ミラノ」のもの。本来はカップとセットにしてソーサーとして作られたものなのですが、hideyaさんのアイディアのように、前菜などのちょっとしたものを盛り付けるのにも最適です。 豆苗とイカのシャキシャキ和え (材料:4人分)・豆苗 1袋・刺身用イカ 80g程度・ミント 適量・レモン汁、塩、醤油、オリーブオイル 適量作り方:① 沸騰したお湯が入った鍋に豆苗を入れ、蓋をして約1分半経ったら取り出し、水気を切って少し冷ましておく。*豆苗を鍋に入れる時は火からおろすことがポイント!*豆苗がくたくたになる前に取り出すのがポイント!② イカは約1センチの細切りにする。③ ①、②の順で器に盛り、上からちぎったミントをのせ、レモン汁、塩、オリーブオイル、醤油を5まわし入れる。こちらの器も「イッケンドルフ ミラノ」のもの。耐熱ガラスなので、温かいお料理にも、熱い飲み物にも対応できる優れもの。高さや幅の違うサイズ違いもラインナップしているので、用途に合わせて選ぶことができます。 トマトの生姜マリネ (材料:4人分)・トマト 3個・生姜 1かけ...
hideya流 初夏のアペリティーボ術
夏の気配を感じる暑い日に、涼やかなガラスアイテムを使ったインスタライブを開催しました。ゲストは、様々なジャンルでご活躍されているアートディレクターのhideyaさんです。ご自宅にゲストを招いてアペリティーボからディナーを振る舞うhideyaさんのセンスは、毎回SNSで話題になっています。今回は特別に、LOST AND FOUNDに並ぶ約50種類もの涼やかなガラスアイテムから“とっておき”を選んでいただき、手軽で素敵な初夏のアペリティーボ術を伝授していただきました。そのレシピとポイントをお伝えします。 hideya 1985年生まれ。10代はニューヨークで育ち、エンターテイメントにおける活動後、音楽家としてはもちろん、空間プロデュース、フラワーデザイン、フードクリエイション、映像クリエイションなど映画の1シーンのように神秘的でエネルギー溢れる作品は圧巻。メゾンブランドのアートディレクションからイベント制作なども全体を通してブランディングを築き、またセレブリティーウェディングの総合プロデュースなど活躍は多岐にわたる。クライアントには企業のみならず世界中の(ニューヨーク・香港・韓国・イタリアなど)社交人の多くがリストに並ぶ。新進気鋭若手アーティスト。 ライム香るピーマンの爽やか和え (材料:4人分)・ピーマン 中3個・大葉 約10枚・みょうが 3本・ライム 半分・塩、オリーブオイル 適量作り方:① ピーマンは細切りにし、軽く塩をふる。3分ほど経ったところで、ピーマンから出た水気をキッチンペーパーで丁寧に取り、青臭さを取る。② 大葉とミョウガを細切りにし、①に和え、オリーブオイルと塩、隠し味にライムの薄切りと果汁を入れて混ぜ合わせる。盛り付けた器は、「イッケンドルフ ミラノ」のもの。本来はカップとセットにしてソーサーとして作られたものなのですが、hideyaさんのアイディアのように、前菜などのちょっとしたものを盛り付けるのにも最適です。 豆苗とイカのシャキシャキ和え (材料:4人分)・豆苗 1袋・刺身用イカ 80g程度・ミント 適量・レモン汁、塩、醤油、オリーブオイル 適量作り方:① 沸騰したお湯が入った鍋に豆苗を入れ、蓋をして約1分半経ったら取り出し、水気を切って少し冷ましておく。*豆苗を鍋に入れる時は火からおろすことがポイント!*豆苗がくたくたになる前に取り出すのがポイント!② イカは約1センチの細切りにする。③ ①、②の順で器に盛り、上からちぎったミントをのせ、レモン汁、塩、オリーブオイル、醤油を5まわし入れる。こちらの器も「イッケンドルフ ミラノ」のもの。耐熱ガラスなので、温かいお料理にも、熱い飲み物にも対応できる優れもの。高さや幅の違うサイズ違いもラインナップしているので、用途に合わせて選ぶことができます。 トマトの生姜マリネ (材料:4人分)・トマト 3個・生姜 1かけ...
国内で100年以上もの間、ものづくりを続ける小泉硝子製作所
LOST AND FOUND TOKYO STOREのアイテムから、"夏至の前の身支度"をテーマに、自分自身や身の回りを整える日用品をご紹介しています。 その中から「小泉硝子製作所」 へ、セレクターの小林和人氏とお伺いしました。 明治45年(1912年)に東京都台東区三ノ輪に創業した「小泉硝子製作所」は、ホウケイ酸ガラス(耐熱ガラス)を自社内で溶解できる数少ない国内メーカーです。 小林さん:LOST AND FOUNDを手掛けるNIKKOのように、国内で100年以上もの間、ものづくりを続ける作り手との取り組みができたらと考えていました。 現在は茨城県に工場を構え、1点1点、職人による手吹きや加工技術で、理化学用、医療用から、食器まで、様々な分野のガラス製品を世に送り出しています。 工場に並ぶのは、病院、薬品会社などから注文を受けて、製作したガラス製品のサンプルたち。元々、医療や実験器具として使用していた型を加工して、新たな姿に生まれ変わった商品も多数生まれています。 LOST AND FOUND TOKYO STOREでも取り扱いしている 「HOYA POT」は、照明やガス灯のガラスシェードとして使われた「ホヤ」をベースに飲み口や底をつけドリップポット型に。取り外しできるレザーホルダーはレザーブランド「.URUKUST(ウルクスト)」のデザイン。当初、ウルクストさんがこのポットを注文し、オリジナルのレザーハンドルを付けて引き出物としてお配りしたところから、商品化に至ったそうです。 小泉硝子製作所(以下小泉硝子)さん「病院で使用していたガラス容器に、もともとついていた目盛りをいれずに、蓋と取手を付けたガラスジャーです。梅酒を漬けたりする方もいらっしゃいますよ」こちらのアイテムは? 小泉硝子さん「目をあらうための瓶です。以前、酵素シロップ作家の方がこちらに蓋を付けて作られたこともあります。」 小泉硝子さん「こちらは昆虫採集のときに、いくつか組み合わせてゴム栓を装着して使うもの。ほかにも、毒壺、殺虫管など、すごい名前の瓶もありますよ。」 小泉硝子さん「こちらは腰につけるウイスキー瓶です。いまは作っていないですけれど…3つに分かれる型に吹きこんで作っています。」 セレクターの小林和人さんが掘り出すガラス器具たち。ここからまた新しい商品が生まれてくるかもしれません。これこそLOST AND FOUND!小林さん:今回、生産現場を訪れることで、一つ一つの製品が文字通り人の息吹によって形づくられ、微細な加減によって仕上げられているという小泉硝子の工芸的な側面を見ることができ、意義深かったです。また、過去の製品の型を生かした新しいプロダクトのアイディアも色々と湧き、今後に繋がりそうな収穫がありました。 今月のセンターテーブルで注目した、「小泉硝子製作所」のアイテムもご紹介します。小林さん:LOST AND FOUNDに並ぶ製品は、実験器具然とした素っ気ない佇まいが魅力ともいえますが、時折その背景にある人の手に想いを巡らすことで、また新たな魅力が立ち上がってくるかもしれません。...
国内で100年以上もの間、ものづくりを続ける小泉硝子製作所
LOST AND FOUND TOKYO STOREのアイテムから、"夏至の前の身支度"をテーマに、自分自身や身の回りを整える日用品をご紹介しています。 その中から「小泉硝子製作所」 へ、セレクターの小林和人氏とお伺いしました。 明治45年(1912年)に東京都台東区三ノ輪に創業した「小泉硝子製作所」は、ホウケイ酸ガラス(耐熱ガラス)を自社内で溶解できる数少ない国内メーカーです。 小林さん:LOST AND FOUNDを手掛けるNIKKOのように、国内で100年以上もの間、ものづくりを続ける作り手との取り組みができたらと考えていました。 現在は茨城県に工場を構え、1点1点、職人による手吹きや加工技術で、理化学用、医療用から、食器まで、様々な分野のガラス製品を世に送り出しています。 工場に並ぶのは、病院、薬品会社などから注文を受けて、製作したガラス製品のサンプルたち。元々、医療や実験器具として使用していた型を加工して、新たな姿に生まれ変わった商品も多数生まれています。 LOST AND FOUND TOKYO STOREでも取り扱いしている 「HOYA POT」は、照明やガス灯のガラスシェードとして使われた「ホヤ」をベースに飲み口や底をつけドリップポット型に。取り外しできるレザーホルダーはレザーブランド「.URUKUST(ウルクスト)」のデザイン。当初、ウルクストさんがこのポットを注文し、オリジナルのレザーハンドルを付けて引き出物としてお配りしたところから、商品化に至ったそうです。 小泉硝子製作所(以下小泉硝子)さん「病院で使用していたガラス容器に、もともとついていた目盛りをいれずに、蓋と取手を付けたガラスジャーです。梅酒を漬けたりする方もいらっしゃいますよ」こちらのアイテムは? 小泉硝子さん「目をあらうための瓶です。以前、酵素シロップ作家の方がこちらに蓋を付けて作られたこともあります。」 小泉硝子さん「こちらは昆虫採集のときに、いくつか組み合わせてゴム栓を装着して使うもの。ほかにも、毒壺、殺虫管など、すごい名前の瓶もありますよ。」 小泉硝子さん「こちらは腰につけるウイスキー瓶です。いまは作っていないですけれど…3つに分かれる型に吹きこんで作っています。」 セレクターの小林和人さんが掘り出すガラス器具たち。ここからまた新しい商品が生まれてくるかもしれません。これこそLOST AND FOUND!小林さん:今回、生産現場を訪れることで、一つ一つの製品が文字通り人の息吹によって形づくられ、微細な加減によって仕上げられているという小泉硝子の工芸的な側面を見ることができ、意義深かったです。また、過去の製品の型を生かした新しいプロダクトのアイディアも色々と湧き、今後に繋がりそうな収穫がありました。 今月のセンターテーブルで注目した、「小泉硝子製作所」のアイテムもご紹介します。小林さん:LOST AND FOUNDに並ぶ製品は、実験器具然とした素っ気ない佇まいが魅力ともいえますが、時折その背景にある人の手に想いを巡らすことで、また新たな魅力が立ち上がってくるかもしれません。...
小林和人が選んだもの「トレーの話」
ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、「SEKISAKA」の万能トレーについてです。 気軽に使える、万能トレー 小林さん: SEKISAKAは1701年から福井県鯖江市で続く漆器業を前身とする株式会社セキサカのブランドで、同社は高度経済成長期には機内食用食器などの樹脂製品のOEM生産も手掛けてきました。その技術を応用して現代的に再解釈した"PLACE"は、家庭用としても業務用としても気兼ねなく使える万能トレーです。LOST AND FOUNDらしい、ベーシックな4色(ライトグレー、ベージュ、オレンジイエロー、ダークグリーン)を選びました。B5、A4、B4というサイズ展開が文具的で良いですよね。 マイケル・ジャクソンのダンスのごとく 小林さん:塗料を吹き付けたドリッピング模様が特徴なのですが、実はこの柄が滑り止めになっているんです。世代的には、どこまで斜めに傾けられるかというマイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」ごっこをしたくなる衝動に駆られます(笑)。お茶を出すときも倒れづらく安心ですし、子供のおやつにも良いですよね。見た目だけでなく機能を兼ねているからこそ、惹かれたトレーです。 念願の、SEKISAKAプロダクト 小林さん:SEKISAKAの代表・関坂達弘さんは、学生の頃から「Roundabout」によく来てくれていた間柄で、数年前に彼が会社を継いでブランドを立ち上げてからは展示会でずっと定点観測していました。この"PLACE"も以前から気にしていましたが、ドリッピングがただの模様ではなく、実は機能として必然性を伴っているという部分がLOST AND FOUND的なのではと思い立ち、導入を決めました。NIKKOの本社がある石川県とも北陸繋がりですしね。リサイクル樹脂素材という点でも、親和性を感じています。初めて仕事でも関わることができて嬉しかったです。 家族揃っての、朝食時間に 小林さん:"PLACE"のシリーズはLOST AND FOUNDで紹介する他の製品とも相性が良いんです。朝食にはREMASTEREDのオーバルプレートやタンブラーの白がよく映えますし、スープボウル13は実はシリアルボウルとしても最適です。子供のりんごジュースにはBormioli Roccoのホステリアシリーズで大人気分を味わせたり。家族それぞれが好きな色のトレーに、自分に合った器をのせて皆で食べる景色もまた良いでしょうね。全員のカトラリーをバサッと乗せただけでも、そのラフな感じが絵になるというか。“運ぶ”ことをよりスムーズに行うという、トレーとしての機能をしっかりと果たしながら、キッチンだけでなく、デスクやベッドサイドなどでも活躍してくれそうな汎用性の高さを持ち合わせている。加えて絶妙な色合いが独特で、新しい定番の仲間入りを後押ししている。SEKISAKAの万能トレー、プレゼントとしても喜ばれるはず! SEKISAKAのすべてのアイテムを見る 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。interview & text...
小林和人が選んだもの「トレーの話」
ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、「SEKISAKA」の万能トレーについてです。 気軽に使える、万能トレー 小林さん: SEKISAKAは1701年から福井県鯖江市で続く漆器業を前身とする株式会社セキサカのブランドで、同社は高度経済成長期には機内食用食器などの樹脂製品のOEM生産も手掛けてきました。その技術を応用して現代的に再解釈した"PLACE"は、家庭用としても業務用としても気兼ねなく使える万能トレーです。LOST AND FOUNDらしい、ベーシックな4色(ライトグレー、ベージュ、オレンジイエロー、ダークグリーン)を選びました。B5、A4、B4というサイズ展開が文具的で良いですよね。 マイケル・ジャクソンのダンスのごとく 小林さん:塗料を吹き付けたドリッピング模様が特徴なのですが、実はこの柄が滑り止めになっているんです。世代的には、どこまで斜めに傾けられるかというマイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」ごっこをしたくなる衝動に駆られます(笑)。お茶を出すときも倒れづらく安心ですし、子供のおやつにも良いですよね。見た目だけでなく機能を兼ねているからこそ、惹かれたトレーです。 念願の、SEKISAKAプロダクト 小林さん:SEKISAKAの代表・関坂達弘さんは、学生の頃から「Roundabout」によく来てくれていた間柄で、数年前に彼が会社を継いでブランドを立ち上げてからは展示会でずっと定点観測していました。この"PLACE"も以前から気にしていましたが、ドリッピングがただの模様ではなく、実は機能として必然性を伴っているという部分がLOST AND FOUND的なのではと思い立ち、導入を決めました。NIKKOの本社がある石川県とも北陸繋がりですしね。リサイクル樹脂素材という点でも、親和性を感じています。初めて仕事でも関わることができて嬉しかったです。 家族揃っての、朝食時間に 小林さん:"PLACE"のシリーズはLOST AND FOUNDで紹介する他の製品とも相性が良いんです。朝食にはREMASTEREDのオーバルプレートやタンブラーの白がよく映えますし、スープボウル13は実はシリアルボウルとしても最適です。子供のりんごジュースにはBormioli Roccoのホステリアシリーズで大人気分を味わせたり。家族それぞれが好きな色のトレーに、自分に合った器をのせて皆で食べる景色もまた良いでしょうね。全員のカトラリーをバサッと乗せただけでも、そのラフな感じが絵になるというか。“運ぶ”ことをよりスムーズに行うという、トレーとしての機能をしっかりと果たしながら、キッチンだけでなく、デスクやベッドサイドなどでも活躍してくれそうな汎用性の高さを持ち合わせている。加えて絶妙な色合いが独特で、新しい定番の仲間入りを後押ししている。SEKISAKAの万能トレー、プレゼントとしても喜ばれるはず! SEKISAKAのすべてのアイテムを見る 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。interview & text...
行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル White Mountaineeringデ...
時代を明るくリードしてくれる、様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、なにかを選択する時の視点やこだわり、ものと向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 相澤陽介 多摩美術大学デザイン科染織デザイン専攻を卒業後コムデギャルソン入社。2006年にWhite Mountaineeringをスタート。これまでに、Moncler W、BURTON THIRTEENなどさまざまなブランドのデザインを手掛ける。また、2021年秋冬にはUNIQLOとのコラボレーション「UNIQLO and White Mountaineering」を発表。北海道コンサドーレ札幌の取締役&クリエイティブディレクター。新たな建築プロジェクト「NOT A HOTEL」北軽井沢のディレクションなど活躍は多岐にわたる。多摩美術大学、東北芸術工科大学客員教授。 今回は、White Mountaineeringのデザイナーだけでなく、様々なジャンルで活躍されている相澤陽介さんのをゲストにお迎えしました。軽井沢駅からそう離れていないのに、森へと続く道に入ると、一瞬で穏やかな時間に包まれました。木漏れ日の緑色の光が差し込む道をさらに進むと、語りかけてくるかのような鳥の声が響き、瑞々しい空気に。そんな場所にある相澤さんのアトリエにお邪魔して、お話を伺ってきました。LOST AND FOUNDからおすすめのアイテムを数点選んでいただき、それぞれの気に入ったポイントなどもお話しいただきます。 山のアトリエでの静謐な時間 行方:素敵なアトリエ!緑に囲まれた素晴らしいシチュエーションですね。どうして中軽井沢を選ばれたのですか?相澤さん:子供の頃から高校時代までジュニアチームでアイスホッケーをしていて、軽井沢スケートリンクでもよく練習をしていたので馴染みもありましたし、都内からちょうど良い距離感だなと思っていました。いくつか候補地があったのですが、長いことWhite Mountaineeringというブランドをしているし、アトリエはやっぱり山にないと!ということでここに決めました。アトリエの反対側が浅間山の国有林なので、これ以上開発されないというのも良い感じだなと。行方:うん、山にあってほしい(笑)。開発がこれ以上進まないのはとても良い、最高の環境ですね。ご家族がいらっしゃる時はどんな過ごし方をされるのですか?相澤さん:僕は家には仕事を持ち込まないタイプなので、週末に家族が来たら仕事はしないですね。子供たちがテニスをしているのですが、この辺りはテニスコートも多いですし、よくゲームもします。夕方になると焚き火をしたり。最近は料理が趣味。ここにいる時は全て僕が作るので、キッチンの高さは僕に合わせて作りました。 ここは築40年以上経っているボロボロの物件だったので、柱をいくつか残してフルリノベーションしました。仲の良い友人のインテリアデザイナーの事務所に通い、色々相談をしながら1年半かけて造りました。今、6月のコレクションに向けての準備をしているのですが、ここにいると誰にも邪魔されないから3倍くらいのスピードで仕事がこなせるんですよ。週末はできるだけ家族と過ごしますが、ここには平日に1人で来ることが多いです。代官山にいてもここにいてもやることは変わらない。だったら環境がいい方が、落ち着いてゆっくり考える時間も取れるのでいいですよね。 自ら手を動かすことにこだわる 行方:かなり広い分野で活躍をされていますが、相澤さんはファッションの分野に関わらず、「デザイン」をされているという印象を受けます。相澤さん:そうなんですよ。クリエイティブデザイナーやアドバイザーとして仕事が広がっていく人も多いと思いますが、僕は自分でデザインをする、自分の手を動かすということにこだわっています。大学で染色と織物を学んだのですが、自分の手を使ってものを作る職人に近いことをやりたかったんですよね。北海道コンサドーレ札幌では取締役に就任しましたが、ユニフォームをはじめ、デザインは自分でしています。デザイナーって言葉の解釈が難しいんですよね。北海道コンサドーレ札幌のデザイナーっていう肩書きだったら変じゃないですか(笑)。なので、統括するという意味でクリエイティブディレクターっていう肩書きになってます。行方: NOT A HOTELではどのくらいデザインをされていますか?相澤さん:建築士ではないので製図は描けないので、草案からコンセプトを考え、ラフスケッチまでして、そこからは建築士と一緒に動いて作っています。もちろん、素材などは全て選びます。今日、ちょうどCGが出来上がってきたので見ます?行方:是非是非。え!これCGなんですね。 相澤さん:そうなんです。本当に岩の上に建てるんですよ。大昔に浅間山噴火の際、溶岩が全て群馬県側に流れ、鬼押出し園という溶岩だらけの国立公園の真下くらいに造るのですが、周りに大きな岩がたくさんあるんです。そんな岩の上に造りたいなぁなんて素人考えだったのですが、耐震や地盤とか調べていったら「実現できそうだ。」ということで進めています。行方:わぁ、何メートルもの岩の上に家を建てるなんて、すごいことを考えましたね!相澤さん:いろいろな大きさやシチュエーションで5棟建ちます。岩の上や小川の上とか、地形に合わせて。基本コンセプトは同じですが、サイズは全て違います。都市で生活をしている人がリラックスできる場所が北軽井沢で作れたらおもしろいなと思って。アイディアの原型はこのアトリエなんです。行方:そうか、少し似ていますよね。相澤さん:似てるというか引用している感じですね。ここはたまたま古いものをリノベしたので100%じゃないけれど、NOT A HOTELは、生活環境のいい山の中に5棟立てたら面白いかなって。行方:いつ完成予定ですか?相澤さん:来年の春、プレオープンです。行方:どんな経緯でデザインすることになったのですか?相澤さん:NOT...
行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル White Mountaineeringデ...
時代を明るくリードしてくれる、様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、なにかを選択する時の視点やこだわり、ものと向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 相澤陽介 多摩美術大学デザイン科染織デザイン専攻を卒業後コムデギャルソン入社。2006年にWhite Mountaineeringをスタート。これまでに、Moncler W、BURTON THIRTEENなどさまざまなブランドのデザインを手掛ける。また、2021年秋冬にはUNIQLOとのコラボレーション「UNIQLO and White Mountaineering」を発表。北海道コンサドーレ札幌の取締役&クリエイティブディレクター。新たな建築プロジェクト「NOT A HOTEL」北軽井沢のディレクションなど活躍は多岐にわたる。多摩美術大学、東北芸術工科大学客員教授。 今回は、White Mountaineeringのデザイナーだけでなく、様々なジャンルで活躍されている相澤陽介さんのをゲストにお迎えしました。軽井沢駅からそう離れていないのに、森へと続く道に入ると、一瞬で穏やかな時間に包まれました。木漏れ日の緑色の光が差し込む道をさらに進むと、語りかけてくるかのような鳥の声が響き、瑞々しい空気に。そんな場所にある相澤さんのアトリエにお邪魔して、お話を伺ってきました。LOST AND FOUNDからおすすめのアイテムを数点選んでいただき、それぞれの気に入ったポイントなどもお話しいただきます。 山のアトリエでの静謐な時間 行方:素敵なアトリエ!緑に囲まれた素晴らしいシチュエーションですね。どうして中軽井沢を選ばれたのですか?相澤さん:子供の頃から高校時代までジュニアチームでアイスホッケーをしていて、軽井沢スケートリンクでもよく練習をしていたので馴染みもありましたし、都内からちょうど良い距離感だなと思っていました。いくつか候補地があったのですが、長いことWhite Mountaineeringというブランドをしているし、アトリエはやっぱり山にないと!ということでここに決めました。アトリエの反対側が浅間山の国有林なので、これ以上開発されないというのも良い感じだなと。行方:うん、山にあってほしい(笑)。開発がこれ以上進まないのはとても良い、最高の環境ですね。ご家族がいらっしゃる時はどんな過ごし方をされるのですか?相澤さん:僕は家には仕事を持ち込まないタイプなので、週末に家族が来たら仕事はしないですね。子供たちがテニスをしているのですが、この辺りはテニスコートも多いですし、よくゲームもします。夕方になると焚き火をしたり。最近は料理が趣味。ここにいる時は全て僕が作るので、キッチンの高さは僕に合わせて作りました。 ここは築40年以上経っているボロボロの物件だったので、柱をいくつか残してフルリノベーションしました。仲の良い友人のインテリアデザイナーの事務所に通い、色々相談をしながら1年半かけて造りました。今、6月のコレクションに向けての準備をしているのですが、ここにいると誰にも邪魔されないから3倍くらいのスピードで仕事がこなせるんですよ。週末はできるだけ家族と過ごしますが、ここには平日に1人で来ることが多いです。代官山にいてもここにいてもやることは変わらない。だったら環境がいい方が、落ち着いてゆっくり考える時間も取れるのでいいですよね。 自ら手を動かすことにこだわる 行方:かなり広い分野で活躍をされていますが、相澤さんはファッションの分野に関わらず、「デザイン」をされているという印象を受けます。相澤さん:そうなんですよ。クリエイティブデザイナーやアドバイザーとして仕事が広がっていく人も多いと思いますが、僕は自分でデザインをする、自分の手を動かすということにこだわっています。大学で染色と織物を学んだのですが、自分の手を使ってものを作る職人に近いことをやりたかったんですよね。北海道コンサドーレ札幌では取締役に就任しましたが、ユニフォームをはじめ、デザインは自分でしています。デザイナーって言葉の解釈が難しいんですよね。北海道コンサドーレ札幌のデザイナーっていう肩書きだったら変じゃないですか(笑)。なので、統括するという意味でクリエイティブディレクターっていう肩書きになってます。行方: NOT A HOTELではどのくらいデザインをされていますか?相澤さん:建築士ではないので製図は描けないので、草案からコンセプトを考え、ラフスケッチまでして、そこからは建築士と一緒に動いて作っています。もちろん、素材などは全て選びます。今日、ちょうどCGが出来上がってきたので見ます?行方:是非是非。え!これCGなんですね。 相澤さん:そうなんです。本当に岩の上に建てるんですよ。大昔に浅間山噴火の際、溶岩が全て群馬県側に流れ、鬼押出し園という溶岩だらけの国立公園の真下くらいに造るのですが、周りに大きな岩がたくさんあるんです。そんな岩の上に造りたいなぁなんて素人考えだったのですが、耐震や地盤とか調べていったら「実現できそうだ。」ということで進めています。行方:わぁ、何メートルもの岩の上に家を建てるなんて、すごいことを考えましたね!相澤さん:いろいろな大きさやシチュエーションで5棟建ちます。岩の上や小川の上とか、地形に合わせて。基本コンセプトは同じですが、サイズは全て違います。都市で生活をしている人がリラックスできる場所が北軽井沢で作れたらおもしろいなと思って。アイディアの原型はこのアトリエなんです。行方:そうか、少し似ていますよね。相澤さん:似てるというか引用している感じですね。ここはたまたま古いものをリノベしたので100%じゃないけれど、NOT A HOTELは、生活環境のいい山の中に5棟立てたら面白いかなって。行方:いつ完成予定ですか?相澤さん:来年の春、プレオープンです。行方:どんな経緯でデザインすることになったのですか?相澤さん:NOT...
行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル - ライフスタイリスト大田由香梨編
時代を明るくリードしてくれる、様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、なにかを選択する時の視点やこだわり、ものと向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 大田由香梨 ライフスタイリスト スタイリストとしてファッション業界で活動をスタートさせた後、住空間、FOODディレクションなど、衣食住<ライフスタイル>をスタイリングする”ライフスタイリスト”として活動。自身のブランドのディレクションの他、企業・ブランドのコンサルティングなど、クリエイティブ活動を通じて豊かでサステナブルな暮らしを多角的に提案している。 今回は、ファッションスタイリストとして業界の中心で活躍され、そこから入居していたビルの取り壊しにより惜しまれながら閉店したカフェレストラン「ORGANIC TABLE LAPAZ」をはじめ、インテリア、香り、食品の開発など、生活にまつわる様々なもののデザインやディレクションをされているライフスタイリストの大田由香梨さんにお話しをお伺いします。 柔らかい心で軽やかに選ぶ 行方:随分前のことになりますが、ファッションスタイリストとしてご活躍されていてとてもお忙しい中、オーガニックカフェを立ち上げられたことがすごく衝撃的でした。当時はファッションに携わっている人の中に、食事や環境のことに興味を持っている人は極端に少なかったように感じていたから、余計にインパクトがありました。由香梨さん:自分で全てする人ってなかなかいなかったかもしれないですね。行方:ですよね!どんな経緯で決断に至ったのですか?由香梨さん:20代の時はファッション誌などの仕事が多く、すごいスピードの中で我を失くすように仕事に夢中になっていました。それはそれでとても楽しかったけれど、30代に近づくにつれての感情の変化だったりとか、少しずつ自分の中に矛盾が生まれてきてしまったんです。このままだと大好きなファッションが嫌いになってしまうかもしれないと思い、もう一度自分に立ち帰れるように見直すタイミングなのかもしれないと。震災も重なり、自分自身の人生と向き合える、表現できる場所が欲しいなと思うようになりました。空間のコーディネートも大好きだったので、雑貨やインテリアのお店をやりたいという構想からスタートしました。キッチンのある居抜き物件だったので、コーヒーとか出せたらいいね!というところから全てが始まりました。行方:最初はそうだったんですね。インテリアにもこだわりを感じて、とてもリラックスできる素敵な場所でした。由香梨さん:せっかく食事を出すのであれば、海外に行った時に感じていたことを表現したいなと。その当時、ロスやNYではヴィーガンやローフードを選択できるお店が多かったのですが日本にはほとんどなかったので、まずマクロビオティックの食が楽しめるお店を作りたいと。行方:最初から食事を出す事業計画をみっちり立ててから立ち上げたというわけではなく、臨機応変に変えていったのですね。由香梨さん:人の口に入るもの、食べるもの、身体を作るものを提供するとなると、責任重大ですし、どんどんこだわりが強くなりすぎて全然儲からないなと(笑)。行方:すごく良くわかります(笑)。 由香梨さん:食と向き合うと、すごくシンプルに環境のことだったり地球のことだったり……全てのことがおのずと繋がってくる、野菜は大地のイメージがつきやすいと思うのですが、家具もファッションも全てはこの大地から生まれてくるものしかないから。そんな気付きをもっと丁寧に伝えていけるようにしたいなと思うようになりましたね。自分で農家や調味料を探したり、いろいろやってきた10年間でしたね。自分自身のメディアというか、自分の想いや思考を伝える場所になっていたから、売上というよりはきちんと作っている農家さんの一番の消費者でありたい、たくさんの人にそれを知ってもらいたいと、最後の5年くらいはメディアとしての役割だと思って走り続けていました。 行方:嫌いになりそうだったファッションとも、バランスを取ることでずっと続けられているんですね。由香梨さん:雑誌の世界よりもっと時間軸が長い、ブランドを成長させる、作っていくという方向に切り替わっていきました。新しいものだけを追い求める仕事より、そういう方が自分の性に合っていたんですね。行方:いつからライフスタイリストと名乗られるようになりましたか?由香梨さん:それは、説明ができなくなったので無理くりつけた感じだったんだけど(笑)。ファッションの仕事をする時はファッションスタイリストだし、食の仕事をする時はフードスタイリストと言われることもあるし、インテリアの仕事をすることもあるんだけど、「お仕事は何をしているんですか?」と聞かれた時に、全てを答えることが面倒になったので、衣食住のスタイリストをやっていますと答えるようになったのがきっかけかな。行方:ライフスタイリストって生き方のコツや指針を提案していく素敵なネーミングですね。 全ての想いを吸い上げてもらい、自分たちで造るshirako no ie 行方:今、由香梨さんが手掛けられているshirako no ie (シラコイエ)のこともとても気になってます。由香梨さん:みなさんに「いつ、オープンなんですか?」とよく聞かれるのですが、実は目的があってやってきたわけではなくて、たまたま出会って引き継いでしまって、2年かけて修繕し続けて、やっと今カタチになりつつあるという感じ。まだベッドルームもないので、自分たちも家の横にモーターハウスを置いて、そこで寝泊まりをしながら修繕している感じなんです。ちょうど2020年のタイミングでLAPAZを閉めなくてはいけなくなって、次の場所を探していたんだけど、空気や波動が良いところが見つからなくて。続けるつもりだったけれど良い物件の出会いがないということは、そういうタイミングかもしれないなと、少しのんびりしていた時に出会ってしまいました。 行方:人に頼まずに、自分たちで直そう!って思ったんですね。由香梨さん:そもそもそこまでお金も掛けられないし、自分のスタイルとして、プロに入ってもらうにしても、ここに携わる自分たちの手できちんと手を掛けていく方が、家自体がイキイキとする感覚があるんです。行方:大変ですけれど、それはそうですね。由香梨さん:そうそう。大工の友達に頼ったりはするけど。プロの人たちは手際が良くて早いけど、私たちはこだわりがあるから、自分たちでできるとこまでやる方が早かったりする気がして。古民家も自分たちの手でとは最初から思っていたけれど、自分も200年前の家を修繕するのははじめてのことで未知数でした。偉大なものだったし、向き合えば向き合うほど、自分たちは通過点でしかなく、自分たちが死んだ後も継いでいってもらいたいものだと思うと、中途半端なことはできないなと思って。ご縁が繋がって、隈研吾さんにお願いしたら、修繕プランとか躯体の設計とか大きなところは引き受けて下さったんです。隈研吾事務所のスタッフの方々と一緒に修繕してくれて。受付の方が和紙を貼ってくれたりとか(笑)。解体した木材をチップにしてそれで壁を作ったり、竹藪の竹を炭にして和紙を作ったりとか、いろんな部分でアイディアをいただきました。行方:出来上がったらそこで暮らす予定ですか?由香梨さん:家としては考えていなくて、200年前は大家族だったから、多くの人と支えあって暮らしがあったと思うので、ちゃんと暮らしを理解した上で、その暮らしを体験してもらう場所にできたらなと。ゆっくりね(笑)庭を維持するのだけでも大変だと思うし、掃除にどのくらい時間がかかるのかも……。行方:そういう体験プランがあったら楽しそう!全くやり方はわからないけれど、庭を作る体験とかしてみたいですね。由香梨さん:意外と植木職人さんたちって幸せな仕事だなと。梅のジュースを作りたいから梅を植えるとか、柚子を使いたいから植えておこうかなんて話をしながら庭を作っていくのが本当に楽しくて。今すぐできるものではなく、10年後とかをイメージしながら木を植えていくので、切間なくお花がちゃんと咲いてくれるのも、本当に素敵!200年前の人たちと会話をしながら、楽しむ暮らしは本当に幸せなことだなと。 少数精鋭、あとは他の人に譲れるものしか買わない 行方:ものを選ぶときはどんなことを大切にしていますか?由香梨さん:長く使えるものというのは、常に考えています。自分の心境の変化が訪れても、ライフステージの変化があっても長く愛していけるものに魅力を感じています。洋服はどうしても劣化するし、体型の変化によっても似合わなくなったりするけれど、ものは使えば使うほど手に馴染んでくるものが多いし、家具も自分と一体になってくるような感覚もあるし。ヴィンテージの家具は、私より長く生きてると思うとさらに愛おしく感じるし、もし自分が使わなくなっても別の人に愛されるようなものを考えて買うようにしている、厳選しています。行方:少ないけれど、1つ1つの存在感があるので物足りなさは全く感じないですね。由香梨さん:全部重いものばっかり。質量が安定しているものが好きみたいです。行方:たくさんの物の中から、好きなものをなぜ好きかを常に考えているから、好きなものがブレないのかもしれないですね。由香梨さん:たくさんのものを見ているからこそというのはあるかもしれないですね。他に表現の場所もあるから、自分のスペースは情報を家の中に持ち込まないようにしていて、本も核になるようなものしか置いていません。右左に揺れるものではなく、ゼロに戻るようなもので家は作っているかもしれません。 戦力の強いチームづくり 行方:有田の辻精磁社で、オリジナルの器も作られましたよね!厳選し尽くされた形と型数という感じがしましたが、どんな想いで作られましたか?由香梨さん:全てが事足りるように考え抜いて作ったので、器に関してはゴールにかなり近づいたかなと思っています。着ない服や使わない器があると、パワーが落ちているように見えてかわいそうだなと思うようになったんです。エネルギーが行き届いていないような感覚に感じてしまうので、家にある全てのものにイキイキとしていて欲しいという思いから、厳選された戦力の強いチームを作ろうと。shirako no ieがはじまった時に、日本の美意識を吸収するタイミングにもなり、日本家屋にも自然にも合うし、これからの未来に食というものを伝える上でどんな器を作ろうかと考えました。そこで、トーラスというエネルギーの形を縁取ってデザインしました。食事は、命をいただく、命を繋いでいくというとても神聖なものだからこそ、感謝を持って有り難くいただいてもらいたいと思ったので、凛としたものになるようにと考えました。 行方:そんな中、選んでいただいたのがこちらのグラス。Ronaという創業100年のスロバキアのガラスメーカーのものです。由香梨さん:仲の良い友達たちとゆっくり語り合いながら食事をいただくという時間が本当に幸せを感じます。ワインや日本酒を飲みながらいただくことが多いので、グラスはとても大切な存在です。気楽にカジュアルに飲むのが好きなので、こちらの可愛いグラスを選びました。心の豊かな時間を作ってくれるので、グラス選びは大切にしています。行方:こちらは6ozで190ccと、肩肘張らずにカジュアルに使えると思います。少しアンティークを思わせるようなステムデザインもいいですよね。そして、もう1つ。由香里さんの大切なパートナーでもある愛犬クレーマ用のHUNTERエデュケーションスペシャル&トレーニングリード。馬具職人であり、犬のオーナーでもあるロルフ・トラウトワイン氏が、36歳のときに犬用の高品質なアクセサリーを作るという夢を実現し、1980年に設立したHUNTER社のアイテムです。 革はドイツの職人によって巧みに手織りされていて、折り目が犬の引っ張る力を均等に分散し首への負担を減らしてくれる優しく快適な作りになっています。労働安全衛生および承認されたなめし剤、化学物質の使用に関する厳しい欧州のガイドラインを厳守し。すべてのなめし工場は欧州全体で適用されるREACH指令の規定に則っています。由香梨さん:この方(愛犬)はスペシャルなので(笑)。大型犬のグッズってなかなかないのですが、とてもおしゃれなものがあったので選びました。しなやかなレザータイプは長く使えるし、一生ものですね。...
行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル - ライフスタイリスト大田由香梨編
時代を明るくリードしてくれる、様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、なにかを選択する時の視点やこだわり、ものと向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 大田由香梨 ライフスタイリスト スタイリストとしてファッション業界で活動をスタートさせた後、住空間、FOODディレクションなど、衣食住<ライフスタイル>をスタイリングする”ライフスタイリスト”として活動。自身のブランドのディレクションの他、企業・ブランドのコンサルティングなど、クリエイティブ活動を通じて豊かでサステナブルな暮らしを多角的に提案している。 今回は、ファッションスタイリストとして業界の中心で活躍され、そこから入居していたビルの取り壊しにより惜しまれながら閉店したカフェレストラン「ORGANIC TABLE LAPAZ」をはじめ、インテリア、香り、食品の開発など、生活にまつわる様々なもののデザインやディレクションをされているライフスタイリストの大田由香梨さんにお話しをお伺いします。 柔らかい心で軽やかに選ぶ 行方:随分前のことになりますが、ファッションスタイリストとしてご活躍されていてとてもお忙しい中、オーガニックカフェを立ち上げられたことがすごく衝撃的でした。当時はファッションに携わっている人の中に、食事や環境のことに興味を持っている人は極端に少なかったように感じていたから、余計にインパクトがありました。由香梨さん:自分で全てする人ってなかなかいなかったかもしれないですね。行方:ですよね!どんな経緯で決断に至ったのですか?由香梨さん:20代の時はファッション誌などの仕事が多く、すごいスピードの中で我を失くすように仕事に夢中になっていました。それはそれでとても楽しかったけれど、30代に近づくにつれての感情の変化だったりとか、少しずつ自分の中に矛盾が生まれてきてしまったんです。このままだと大好きなファッションが嫌いになってしまうかもしれないと思い、もう一度自分に立ち帰れるように見直すタイミングなのかもしれないと。震災も重なり、自分自身の人生と向き合える、表現できる場所が欲しいなと思うようになりました。空間のコーディネートも大好きだったので、雑貨やインテリアのお店をやりたいという構想からスタートしました。キッチンのある居抜き物件だったので、コーヒーとか出せたらいいね!というところから全てが始まりました。行方:最初はそうだったんですね。インテリアにもこだわりを感じて、とてもリラックスできる素敵な場所でした。由香梨さん:せっかく食事を出すのであれば、海外に行った時に感じていたことを表現したいなと。その当時、ロスやNYではヴィーガンやローフードを選択できるお店が多かったのですが日本にはほとんどなかったので、まずマクロビオティックの食が楽しめるお店を作りたいと。行方:最初から食事を出す事業計画をみっちり立ててから立ち上げたというわけではなく、臨機応変に変えていったのですね。由香梨さん:人の口に入るもの、食べるもの、身体を作るものを提供するとなると、責任重大ですし、どんどんこだわりが強くなりすぎて全然儲からないなと(笑)。行方:すごく良くわかります(笑)。 由香梨さん:食と向き合うと、すごくシンプルに環境のことだったり地球のことだったり……全てのことがおのずと繋がってくる、野菜は大地のイメージがつきやすいと思うのですが、家具もファッションも全てはこの大地から生まれてくるものしかないから。そんな気付きをもっと丁寧に伝えていけるようにしたいなと思うようになりましたね。自分で農家や調味料を探したり、いろいろやってきた10年間でしたね。自分自身のメディアというか、自分の想いや思考を伝える場所になっていたから、売上というよりはきちんと作っている農家さんの一番の消費者でありたい、たくさんの人にそれを知ってもらいたいと、最後の5年くらいはメディアとしての役割だと思って走り続けていました。 行方:嫌いになりそうだったファッションとも、バランスを取ることでずっと続けられているんですね。由香梨さん:雑誌の世界よりもっと時間軸が長い、ブランドを成長させる、作っていくという方向に切り替わっていきました。新しいものだけを追い求める仕事より、そういう方が自分の性に合っていたんですね。行方:いつからライフスタイリストと名乗られるようになりましたか?由香梨さん:それは、説明ができなくなったので無理くりつけた感じだったんだけど(笑)。ファッションの仕事をする時はファッションスタイリストだし、食の仕事をする時はフードスタイリストと言われることもあるし、インテリアの仕事をすることもあるんだけど、「お仕事は何をしているんですか?」と聞かれた時に、全てを答えることが面倒になったので、衣食住のスタイリストをやっていますと答えるようになったのがきっかけかな。行方:ライフスタイリストって生き方のコツや指針を提案していく素敵なネーミングですね。 全ての想いを吸い上げてもらい、自分たちで造るshirako no ie 行方:今、由香梨さんが手掛けられているshirako no ie (シラコイエ)のこともとても気になってます。由香梨さん:みなさんに「いつ、オープンなんですか?」とよく聞かれるのですが、実は目的があってやってきたわけではなくて、たまたま出会って引き継いでしまって、2年かけて修繕し続けて、やっと今カタチになりつつあるという感じ。まだベッドルームもないので、自分たちも家の横にモーターハウスを置いて、そこで寝泊まりをしながら修繕している感じなんです。ちょうど2020年のタイミングでLAPAZを閉めなくてはいけなくなって、次の場所を探していたんだけど、空気や波動が良いところが見つからなくて。続けるつもりだったけれど良い物件の出会いがないということは、そういうタイミングかもしれないなと、少しのんびりしていた時に出会ってしまいました。 行方:人に頼まずに、自分たちで直そう!って思ったんですね。由香梨さん:そもそもそこまでお金も掛けられないし、自分のスタイルとして、プロに入ってもらうにしても、ここに携わる自分たちの手できちんと手を掛けていく方が、家自体がイキイキとする感覚があるんです。行方:大変ですけれど、それはそうですね。由香梨さん:そうそう。大工の友達に頼ったりはするけど。プロの人たちは手際が良くて早いけど、私たちはこだわりがあるから、自分たちでできるとこまでやる方が早かったりする気がして。古民家も自分たちの手でとは最初から思っていたけれど、自分も200年前の家を修繕するのははじめてのことで未知数でした。偉大なものだったし、向き合えば向き合うほど、自分たちは通過点でしかなく、自分たちが死んだ後も継いでいってもらいたいものだと思うと、中途半端なことはできないなと思って。ご縁が繋がって、隈研吾さんにお願いしたら、修繕プランとか躯体の設計とか大きなところは引き受けて下さったんです。隈研吾事務所のスタッフの方々と一緒に修繕してくれて。受付の方が和紙を貼ってくれたりとか(笑)。解体した木材をチップにしてそれで壁を作ったり、竹藪の竹を炭にして和紙を作ったりとか、いろんな部分でアイディアをいただきました。行方:出来上がったらそこで暮らす予定ですか?由香梨さん:家としては考えていなくて、200年前は大家族だったから、多くの人と支えあって暮らしがあったと思うので、ちゃんと暮らしを理解した上で、その暮らしを体験してもらう場所にできたらなと。ゆっくりね(笑)庭を維持するのだけでも大変だと思うし、掃除にどのくらい時間がかかるのかも……。行方:そういう体験プランがあったら楽しそう!全くやり方はわからないけれど、庭を作る体験とかしてみたいですね。由香梨さん:意外と植木職人さんたちって幸せな仕事だなと。梅のジュースを作りたいから梅を植えるとか、柚子を使いたいから植えておこうかなんて話をしながら庭を作っていくのが本当に楽しくて。今すぐできるものではなく、10年後とかをイメージしながら木を植えていくので、切間なくお花がちゃんと咲いてくれるのも、本当に素敵!200年前の人たちと会話をしながら、楽しむ暮らしは本当に幸せなことだなと。 少数精鋭、あとは他の人に譲れるものしか買わない 行方:ものを選ぶときはどんなことを大切にしていますか?由香梨さん:長く使えるものというのは、常に考えています。自分の心境の変化が訪れても、ライフステージの変化があっても長く愛していけるものに魅力を感じています。洋服はどうしても劣化するし、体型の変化によっても似合わなくなったりするけれど、ものは使えば使うほど手に馴染んでくるものが多いし、家具も自分と一体になってくるような感覚もあるし。ヴィンテージの家具は、私より長く生きてると思うとさらに愛おしく感じるし、もし自分が使わなくなっても別の人に愛されるようなものを考えて買うようにしている、厳選しています。行方:少ないけれど、1つ1つの存在感があるので物足りなさは全く感じないですね。由香梨さん:全部重いものばっかり。質量が安定しているものが好きみたいです。行方:たくさんの物の中から、好きなものをなぜ好きかを常に考えているから、好きなものがブレないのかもしれないですね。由香梨さん:たくさんのものを見ているからこそというのはあるかもしれないですね。他に表現の場所もあるから、自分のスペースは情報を家の中に持ち込まないようにしていて、本も核になるようなものしか置いていません。右左に揺れるものではなく、ゼロに戻るようなもので家は作っているかもしれません。 戦力の強いチームづくり 行方:有田の辻精磁社で、オリジナルの器も作られましたよね!厳選し尽くされた形と型数という感じがしましたが、どんな想いで作られましたか?由香梨さん:全てが事足りるように考え抜いて作ったので、器に関してはゴールにかなり近づいたかなと思っています。着ない服や使わない器があると、パワーが落ちているように見えてかわいそうだなと思うようになったんです。エネルギーが行き届いていないような感覚に感じてしまうので、家にある全てのものにイキイキとしていて欲しいという思いから、厳選された戦力の強いチームを作ろうと。shirako no ieがはじまった時に、日本の美意識を吸収するタイミングにもなり、日本家屋にも自然にも合うし、これからの未来に食というものを伝える上でどんな器を作ろうかと考えました。そこで、トーラスというエネルギーの形を縁取ってデザインしました。食事は、命をいただく、命を繋いでいくというとても神聖なものだからこそ、感謝を持って有り難くいただいてもらいたいと思ったので、凛としたものになるようにと考えました。 行方:そんな中、選んでいただいたのがこちらのグラス。Ronaという創業100年のスロバキアのガラスメーカーのものです。由香梨さん:仲の良い友達たちとゆっくり語り合いながら食事をいただくという時間が本当に幸せを感じます。ワインや日本酒を飲みながらいただくことが多いので、グラスはとても大切な存在です。気楽にカジュアルに飲むのが好きなので、こちらの可愛いグラスを選びました。心の豊かな時間を作ってくれるので、グラス選びは大切にしています。行方:こちらは6ozで190ccと、肩肘張らずにカジュアルに使えると思います。少しアンティークを思わせるようなステムデザインもいいですよね。そして、もう1つ。由香里さんの大切なパートナーでもある愛犬クレーマ用のHUNTERエデュケーションスペシャル&トレーニングリード。馬具職人であり、犬のオーナーでもあるロルフ・トラウトワイン氏が、36歳のときに犬用の高品質なアクセサリーを作るという夢を実現し、1980年に設立したHUNTER社のアイテムです。 革はドイツの職人によって巧みに手織りされていて、折り目が犬の引っ張る力を均等に分散し首への負担を減らしてくれる優しく快適な作りになっています。労働安全衛生および承認されたなめし剤、化学物質の使用に関する厳しい欧州のガイドラインを厳守し。すべてのなめし工場は欧州全体で適用されるREACH指令の規定に則っています。由香梨さん:この方(愛犬)はスペシャルなので(笑)。大型犬のグッズってなかなかないのですが、とてもおしゃれなものがあったので選びました。しなやかなレザータイプは長く使えるし、一生ものですね。...