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行方ひさこの LOST AND FOUNDなキッチン - Mardi Gras 和知 徹シェフ後編 -

行方ひさこの LOST AND FOUNDなキッチン - Mardi Gras 和知 徹シェフ...

2022/01/06

時代を明るくリードしてくれるプロフェッショナルたち。そんな様々な分野にまつわるプロたちが「LOST AND FOUND」から気に入ったアイテムを選び、そこに彩りを添えてくれます。たくさんのものを見て選んできた彼らだからこその、物を選ぶ時のこだわりや、ものと向き合う姿勢を行方ひさこが掘り下げていきます。 行方ひさこの LOST AND FOUNDなキッチン -Mardi Gras 和知 徹シェフ前編 -全てを受け止めてくれる「白」。Mardi Gras 和知 徹シェフをゲストにお迎えしました。 前回はMardi Gras和知 徹シェフをゲストにお招きし、REMASTEREDより「オーバルプレート39」「オーバルプレート13」を使い、彩り野菜とラムのグリルを作っていただきました。 白い器はどんなチャレンジにも応えてくれる懐の深い器だと和知さんが言っていたように、真っ白な器のキャンパスは、豪快なグリルを鮮やかに引き立ててくれました。 ラムと彩り野菜のグリル 1. 野菜を適当な大きさに切る。 2. ラムと野菜に塩胡椒で下味をつける。 3. フライパンにラムと野菜を並べ、お好みでハーブを乗せてオリーブオイルをまわしかけ、焼く。 4. 中の方まで火が通ってきたらオーブンで 15 分ほどローストする。...

行方ひさこの LOST AND FOUNDなキッチン - Mardi Gras 和知 徹シェフ...

2022/01/06

時代を明るくリードしてくれるプロフェッショナルたち。そんな様々な分野にまつわるプロたちが「LOST AND FOUND」から気に入ったアイテムを選び、そこに彩りを添えてくれます。たくさんのものを見て選んできた彼らだからこその、物を選ぶ時のこだわりや、ものと向き合う姿勢を行方ひさこが掘り下げていきます。 行方ひさこの LOST AND FOUNDなキッチン -Mardi Gras 和知 徹シェフ前編 -全てを受け止めてくれる「白」。Mardi Gras 和知 徹シェフをゲストにお迎えしました。 前回はMardi Gras和知 徹シェフをゲストにお招きし、REMASTEREDより「オーバルプレート39」「オーバルプレート13」を使い、彩り野菜とラムのグリルを作っていただきました。 白い器はどんなチャレンジにも応えてくれる懐の深い器だと和知さんが言っていたように、真っ白な器のキャンパスは、豪快なグリルを鮮やかに引き立ててくれました。 ラムと彩り野菜のグリル 1. 野菜を適当な大きさに切る。 2. ラムと野菜に塩胡椒で下味をつける。 3. フライパンにラムと野菜を並べ、お好みでハーブを乗せてオリーブオイルをまわしかけ、焼く。 4. 中の方まで火が通ってきたらオーブンで 15 分ほどローストする。...

行方ひさこのLOST AND FOUNDなキッチン -Mardi Gras 和知 徹シェフ前編-

行方ひさこのLOST AND FOUNDなキッチン -Mardi Gras 和知 徹シェフ前編-

2021/12/08

時代を明るくリードしてくれるプロフェッショナルたち。そんな様々な分野にまつわるプロたちが「LOST AND FOUND」から気に入ったアイテムを選び、そこに彩りを添えてくれます。たくさんのものを見て選んできた彼らだからこその、物を選ぶ時のこだわりや、ものと向き合う姿勢を行方ひさこが掘り下げていきます。 和知 徹 シェフ 1967年兵庫県淡路島生まれ。辻調理師専門学校フランス校を卒業し、ブルゴーニュの一つ星「ランパール」で研修。帰国後は「レストランひらまつ」へ入社、在籍中にパリ二つ星「ヴィヴァロア」で研修する。飯倉片町「アポリネール」で料理長を務めた後に退職。1998年六本木「祥瑞」のオーナー勝山晋作氏が銀座にオープンさせた「グレープガンボ」で立ち上げから料理長を務める。2001年「マルディグラ」をオープン。フランス料理にとどまらず、世界各国の料理を独自のフィルターに通した「和知料理」には定評がある。特に肉のスペシャリストとして、雑誌、テレビ、セミナー、イベントを多数こなすほか、カフェやレストランのメニュープロデュースも手掛ける。 今回は食のプロ、Mardi Gras和知 徹シェフをゲストにお迎えしました。 私が和知さんと出会ったのは10代後半にバイトしていた、その当時にしてはまだ珍しかったフレンチレストランでした。その頃のレストランは、今では考えられないほど厳しい男性社会で、厨房には近づいてはいけないような雰囲気が漂ってくることが多かったように思います(笑)。そんな中でバイトは私だけだったので呑気なもので、みなさんに可愛がっていただいていました。 和知さんにはプライベートでも仲良くしていただいていて、食事に連れて行ってもらったり、料理のアドバイスをいただいたりしていました。独立されてからも交流は続き、お店のエプロンやTシャツを制作させていただいたり、最近ではプロジェクトでご一緒したりしています。 今日は、その当時にはなかなか聞けなかった、ものを選択するときに大切にしていることなどをお伺いしていきます。 自分を試したくて、世界に飛び出した 和知さん:かつて働いていたレストランはとても良い待遇で働かせていただいていたので、不満があるわけではなかったんだけど、『もっとやってみたい!』と挑戦したい気持ちが湧いてきて、とにかく外の世界に飛び出して自分がどこまでできるか試してみたかったんだよね。とりあえずNYに行って、そこでお店をはじめてみたいという漠然とした想いがあった。ただ、行ってみたらお店をオープンするのにはビザや事務的なことなど、とにかくハードルが高すぎて断念することに。そこから、世界を周って色々見てみようかなと。 独立にあたって綿密なプランを立てていたのかと思ったのですが、思いの外行き当たりばったりなお答えが返ってきました(笑)。 チャレンジしたくて飛び出して、ダメでもまたそこからチャレンジの旅に出掛け経験を積んだことで今のスタイルが出来上がったと話してくれた和知さんですが、まずは飛び込んでみるという勇気と行動力が素晴らしい! 肉の巨匠と呼ばれて Mardi Grasといえば、「骨太で豪快な料理」ですが、特に和知さんは「肉」のイメージが強いですよね。SNSの書き込みでは、「銀座の肉料理といえば!」「肉の聖地」などと言った書き込みが多くみられます。シンプルな調理法ながら肉の滋味を極限まで引き出した料理の数々は、インパクト抜群なものも多いのが特徴です。 そもそも伝統的なフランス料理のレストランでシェフをしていた和知さんが、なぜ銀座で肉料理に行き着いたのでしょうか。 和知さん:2000年前後に日本でも狂牛病が出てきて、食材に対する意識が激変したの。レストランの役目についても深く考えさせられる事件だったね。レストランで食事をしてもらうということは、ただ単純にお腹を満たす役割だけではないから、畜産・漁業・農業・暮らしそれぞれとバランスよく付き合っていかなくてはダメだなと思った。 そこで、多くの素晴らしい肉料理があるフランス料理をベースに、バランスの取れた『本当の意味での豊かさ』を表現していこうとMardi Grasをオープンさせたんだ。 素材選びから妥協のない和知さんの信念は、ひとつの食材にとことん真剣に向き合うこと。バランスを取ることは実はすごく難しいことだと思うのですが、和知さんは常に自分の足で出向いて自分の五感をフルに使っているからこそ磨かれた感性とバランスが光るだと思います。 和知さん:このMardi Grasも今年で20年経ったけど、これから先ひょっとして海外で店舗をオープンするかもしれないし、色々な可能性をなくしたくないと思ってるんだ。 プロデュースをする店舗や関わるプロジェクトも同じ。いつも可能性を大きく持っていたいから、Mardi Grasと同じことはしない。その場所や環境に合わせて、いつでも大きくチャレンジしたいと思ってるよ。 和知さんの挑戦と弛まない好奇心は止まるところを知らないようです。 全てを受け止めてくれる「白」...

行方ひさこのLOST AND FOUNDなキッチン -Mardi Gras 和知 徹シェフ前編-

2021/12/08

時代を明るくリードしてくれるプロフェッショナルたち。そんな様々な分野にまつわるプロたちが「LOST AND FOUND」から気に入ったアイテムを選び、そこに彩りを添えてくれます。たくさんのものを見て選んできた彼らだからこその、物を選ぶ時のこだわりや、ものと向き合う姿勢を行方ひさこが掘り下げていきます。 和知 徹 シェフ 1967年兵庫県淡路島生まれ。辻調理師専門学校フランス校を卒業し、ブルゴーニュの一つ星「ランパール」で研修。帰国後は「レストランひらまつ」へ入社、在籍中にパリ二つ星「ヴィヴァロア」で研修する。飯倉片町「アポリネール」で料理長を務めた後に退職。1998年六本木「祥瑞」のオーナー勝山晋作氏が銀座にオープンさせた「グレープガンボ」で立ち上げから料理長を務める。2001年「マルディグラ」をオープン。フランス料理にとどまらず、世界各国の料理を独自のフィルターに通した「和知料理」には定評がある。特に肉のスペシャリストとして、雑誌、テレビ、セミナー、イベントを多数こなすほか、カフェやレストランのメニュープロデュースも手掛ける。 今回は食のプロ、Mardi Gras和知 徹シェフをゲストにお迎えしました。 私が和知さんと出会ったのは10代後半にバイトしていた、その当時にしてはまだ珍しかったフレンチレストランでした。その頃のレストランは、今では考えられないほど厳しい男性社会で、厨房には近づいてはいけないような雰囲気が漂ってくることが多かったように思います(笑)。そんな中でバイトは私だけだったので呑気なもので、みなさんに可愛がっていただいていました。 和知さんにはプライベートでも仲良くしていただいていて、食事に連れて行ってもらったり、料理のアドバイスをいただいたりしていました。独立されてからも交流は続き、お店のエプロンやTシャツを制作させていただいたり、最近ではプロジェクトでご一緒したりしています。 今日は、その当時にはなかなか聞けなかった、ものを選択するときに大切にしていることなどをお伺いしていきます。 自分を試したくて、世界に飛び出した 和知さん:かつて働いていたレストランはとても良い待遇で働かせていただいていたので、不満があるわけではなかったんだけど、『もっとやってみたい!』と挑戦したい気持ちが湧いてきて、とにかく外の世界に飛び出して自分がどこまでできるか試してみたかったんだよね。とりあえずNYに行って、そこでお店をはじめてみたいという漠然とした想いがあった。ただ、行ってみたらお店をオープンするのにはビザや事務的なことなど、とにかくハードルが高すぎて断念することに。そこから、世界を周って色々見てみようかなと。 独立にあたって綿密なプランを立てていたのかと思ったのですが、思いの外行き当たりばったりなお答えが返ってきました(笑)。 チャレンジしたくて飛び出して、ダメでもまたそこからチャレンジの旅に出掛け経験を積んだことで今のスタイルが出来上がったと話してくれた和知さんですが、まずは飛び込んでみるという勇気と行動力が素晴らしい! 肉の巨匠と呼ばれて Mardi Grasといえば、「骨太で豪快な料理」ですが、特に和知さんは「肉」のイメージが強いですよね。SNSの書き込みでは、「銀座の肉料理といえば!」「肉の聖地」などと言った書き込みが多くみられます。シンプルな調理法ながら肉の滋味を極限まで引き出した料理の数々は、インパクト抜群なものも多いのが特徴です。 そもそも伝統的なフランス料理のレストランでシェフをしていた和知さんが、なぜ銀座で肉料理に行き着いたのでしょうか。 和知さん:2000年前後に日本でも狂牛病が出てきて、食材に対する意識が激変したの。レストランの役目についても深く考えさせられる事件だったね。レストランで食事をしてもらうということは、ただ単純にお腹を満たす役割だけではないから、畜産・漁業・農業・暮らしそれぞれとバランスよく付き合っていかなくてはダメだなと思った。 そこで、多くの素晴らしい肉料理があるフランス料理をベースに、バランスの取れた『本当の意味での豊かさ』を表現していこうとMardi Grasをオープンさせたんだ。 素材選びから妥協のない和知さんの信念は、ひとつの食材にとことん真剣に向き合うこと。バランスを取ることは実はすごく難しいことだと思うのですが、和知さんは常に自分の足で出向いて自分の五感をフルに使っているからこそ磨かれた感性とバランスが光るだと思います。 和知さん:このMardi Grasも今年で20年経ったけど、これから先ひょっとして海外で店舗をオープンするかもしれないし、色々な可能性をなくしたくないと思ってるんだ。 プロデュースをする店舗や関わるプロジェクトも同じ。いつも可能性を大きく持っていたいから、Mardi Grasと同じことはしない。その場所や環境に合わせて、いつでも大きくチャレンジしたいと思ってるよ。 和知さんの挑戦と弛まない好奇心は止まるところを知らないようです。 全てを受け止めてくれる「白」...

小林和人が選んだもの「フライパンの話」

小林和人が選んだもの「フライパンの話」

2021/11/19

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。 この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、Turkの「プレスパン」についてです。 機械と人の、共同作業 Turkといえば、もともとハンドメイドのフライパンが有名ですが、今回はあえて機械生産のシリーズを選びました。NIKKOの洋食器は機械でピシッと生産されていますが、実はどの工程でも、最後は必ず人の手と目で厳しいチェックが行われています。機械と人の、共同作業。このプレスパンにも、同じ規格で揃った気持ちよさがあり、機械と作り手で仕上げるという生産工程がNIKKOの製品にリンクしています。ハンドメイドのものよりやや軽いので使いやすく、キャンプなんかにも持って行きやすいと思います。もちろん、価格的にも買いやすいですしね。 キャンプで、餅を4つ焼きたい ずっとキャンプに行ってみたいと思っているのですが… 直火で28センチのプレスパンに餅を4つのせて、バターでカリッと焼いたら美味しいだろうな(笑)。小さいサイズは目玉焼きとか、このサイズぴったりのパンケーキを焼いたりして。何を焼こうかとワクワクしますね。 見せる収納の迫力と、食欲をそそる姿 このプレスパンは、返しながら炒めるのではなく、じっくりと焼くために使うもの。 持ち手が長く、斜めにスッと立ち上がっているので、持ちやすいです。 日本のキッチンでは収納が大変に感じるかもしれませんが、壁にかけて見せる収納をしたら迫力が出ます。テーブルにそのまま出した時の姿は食欲をそそりますしね。 物と人が歩み寄っていく道具 道具らしい道具のひとつ。 使い始めは金タワシや野菜くずなどで“焼きならす”工程が必要です。そうやって表面の鉄粉やオイルなどが取り除かれ、油膜ができることでサビづらくなるんです。決して親切な道具とは言えないかもしれないけれど、慣れていくと使いやすい。オートマ車ではなく、マニュアル車のような感じ。物と人が歩み寄っていく、そういう道具かなと思います。 便利、手軽、簡単…そんな言葉が飛び交う時代だが、 少々大変だとしても、丁寧に手をかけてあげることで、良い“顔つき”になってくる。これが小林さんの言う、物と人の歩み寄りだ。一緒に時を重ねるごとに、愛情がどんどん強くなっていくはず。 長く、愛し続けてもらいたいフライパンの話。 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto...

小林和人が選んだもの「フライパンの話」

2021/11/19

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。 この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、Turkの「プレスパン」についてです。 機械と人の、共同作業 Turkといえば、もともとハンドメイドのフライパンが有名ですが、今回はあえて機械生産のシリーズを選びました。NIKKOの洋食器は機械でピシッと生産されていますが、実はどの工程でも、最後は必ず人の手と目で厳しいチェックが行われています。機械と人の、共同作業。このプレスパンにも、同じ規格で揃った気持ちよさがあり、機械と作り手で仕上げるという生産工程がNIKKOの製品にリンクしています。ハンドメイドのものよりやや軽いので使いやすく、キャンプなんかにも持って行きやすいと思います。もちろん、価格的にも買いやすいですしね。 キャンプで、餅を4つ焼きたい ずっとキャンプに行ってみたいと思っているのですが… 直火で28センチのプレスパンに餅を4つのせて、バターでカリッと焼いたら美味しいだろうな(笑)。小さいサイズは目玉焼きとか、このサイズぴったりのパンケーキを焼いたりして。何を焼こうかとワクワクしますね。 見せる収納の迫力と、食欲をそそる姿 このプレスパンは、返しながら炒めるのではなく、じっくりと焼くために使うもの。 持ち手が長く、斜めにスッと立ち上がっているので、持ちやすいです。 日本のキッチンでは収納が大変に感じるかもしれませんが、壁にかけて見せる収納をしたら迫力が出ます。テーブルにそのまま出した時の姿は食欲をそそりますしね。 物と人が歩み寄っていく道具 道具らしい道具のひとつ。 使い始めは金タワシや野菜くずなどで“焼きならす”工程が必要です。そうやって表面の鉄粉やオイルなどが取り除かれ、油膜ができることでサビづらくなるんです。決して親切な道具とは言えないかもしれないけれど、慣れていくと使いやすい。オートマ車ではなく、マニュアル車のような感じ。物と人が歩み寄っていく、そういう道具かなと思います。 便利、手軽、簡単…そんな言葉が飛び交う時代だが、 少々大変だとしても、丁寧に手をかけてあげることで、良い“顔つき”になってくる。これが小林さんの言う、物と人の歩み寄りだ。一緒に時を重ねるごとに、愛情がどんどん強くなっていくはず。 長く、愛し続けてもらいたいフライパンの話。 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto...

白い器に込められた、愛|行方ひさことJUNNAの石川県訪問

白い器に込められた、愛|行方ひさことJUNNAの石川県訪問

2021/08/04

LOST AND FOUND のメインアイテムである「REMASTERED」は、とてもシンプルながら、一際輝く白い器だ。多くのトップシェフたちに愛されてきたNIKKOの人気ライン「NIKKO FINE BONE CHINA」ニッコーでは1978年ファインボーンチャイナの生産を開始しました。 その特徴は、群を抜いた透光性と優れた強度。 その密度は、50%にまで高められたボーンアッシュの含有量にあります。 通常50%を超えると成形が困難とされていたものを、研究を重ねた末に見事に実現。 それが、世界一とも言われる純白のボーンチャイナをつくりだしています。の中から、現代の暮らしをより豊かに導いてくれるものを選び抜き、再編集(=REMASTERED)したコレクション。そこには細部にわたるこだわりと、多くの職人たちによる手の温もりが隠されている。某日、本サイトで様々な分野にまつわるインタビュー連載をしている、ブランディングディレクターの行方ひさこさんが、「ETRÉ TOKYO」のディレクター・JUNNAさんとともに、石川県にあるNIKKO本社を訪問。白食器「REMASTERED」の奥深さに触れた二人の本社見学を2回に渡ってレポートする。 今回ひさこさんが本社見学の同行者として指名したのは、人気ファッションブランド「ETRÉ TOKYO」のディレクターを務めるJUNNAさん。 ひさこさん:「JUNNAちゃんは、ファッションはもちろん、ライフスタイル全てにおいて美しい感性とセンスを持った方。彼女の作り出すものの世界観に憧れを抱く方が多く、圧倒的な支持を得ているのは納得です。そんな審美眼を持った彼女と一緒に見学をしてみたかったんです。」 JUNNAさん:「私はいつもひさこさんの美しいインスタを見ながら、旅をしている気分を味わっています。 普段あまり器の生産ラインを見るような機会はないのですが、きっとお洋服作りにも通じる部分があるのだと思っています。」 工場見学がスタート!製品の要、“坏土”ができるまで REMASTEREDをはじめ、NIKKOが手がける全ての食器を生産しているのは、石川県白山市。2005年に1市2町5村が合併して誕生した、石川県で金沢市に次いで人口の多いベッドタウンだ。 広大な敷地には、整然と建物が並ぶ。建物の間のノスタルジックな道を歩きながら…JUNNAさん:「この雰囲気、ファッション撮影に使えそう!(笑)」 工場へ向かう途中、社員食堂を抜ける。よく見ると、ずらりと並んだ照明は全て、器と同様にファインボーンチャイナ製。独特のやさしい光がさしている。見学前から、思わず二人ともシャッターチャンス。 次のページへ 『いよいよ工場へ潜入』 1 2 3 4 NEXT PAGE

白い器に込められた、愛|行方ひさことJUNNAの石川県訪問

2021/08/04

LOST AND FOUND のメインアイテムである「REMASTERED」は、とてもシンプルながら、一際輝く白い器だ。多くのトップシェフたちに愛されてきたNIKKOの人気ライン「NIKKO FINE BONE CHINA」ニッコーでは1978年ファインボーンチャイナの生産を開始しました。 その特徴は、群を抜いた透光性と優れた強度。 その密度は、50%にまで高められたボーンアッシュの含有量にあります。 通常50%を超えると成形が困難とされていたものを、研究を重ねた末に見事に実現。 それが、世界一とも言われる純白のボーンチャイナをつくりだしています。の中から、現代の暮らしをより豊かに導いてくれるものを選び抜き、再編集(=REMASTERED)したコレクション。そこには細部にわたるこだわりと、多くの職人たちによる手の温もりが隠されている。某日、本サイトで様々な分野にまつわるインタビュー連載をしている、ブランディングディレクターの行方ひさこさんが、「ETRÉ TOKYO」のディレクター・JUNNAさんとともに、石川県にあるNIKKO本社を訪問。白食器「REMASTERED」の奥深さに触れた二人の本社見学を2回に渡ってレポートする。 今回ひさこさんが本社見学の同行者として指名したのは、人気ファッションブランド「ETRÉ TOKYO」のディレクターを務めるJUNNAさん。 ひさこさん:「JUNNAちゃんは、ファッションはもちろん、ライフスタイル全てにおいて美しい感性とセンスを持った方。彼女の作り出すものの世界観に憧れを抱く方が多く、圧倒的な支持を得ているのは納得です。そんな審美眼を持った彼女と一緒に見学をしてみたかったんです。」 JUNNAさん:「私はいつもひさこさんの美しいインスタを見ながら、旅をしている気分を味わっています。 普段あまり器の生産ラインを見るような機会はないのですが、きっとお洋服作りにも通じる部分があるのだと思っています。」 工場見学がスタート!製品の要、“坏土”ができるまで REMASTEREDをはじめ、NIKKOが手がける全ての食器を生産しているのは、石川県白山市。2005年に1市2町5村が合併して誕生した、石川県で金沢市に次いで人口の多いベッドタウンだ。 広大な敷地には、整然と建物が並ぶ。建物の間のノスタルジックな道を歩きながら…JUNNAさん:「この雰囲気、ファッション撮影に使えそう!(笑)」 工場へ向かう途中、社員食堂を抜ける。よく見ると、ずらりと並んだ照明は全て、器と同様にファインボーンチャイナ製。独特のやさしい光がさしている。見学前から、思わず二人ともシャッターチャンス。 次のページへ 『いよいよ工場へ潜入』 1 2 3 4 NEXT PAGE

小林和人が選んだもの「まな板の話」

小林和人が選んだもの「まな板の話」

2021/07/21

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、Per Sanfridsonの「バーチ カッティングボード」についてです。 器と地続きのカッティングボード まな板と包丁は、突き詰め始めたら止まらない…深い沼みたいなもの。本来は極めて専門性の高いジャンルだと思います。 でもこのまな板はテーブルの上に出してカジュアルに使える、“器と地続きのカッティングボード”といった、もっと気軽なもの。 キッチンに引っ掛けても、食卓に出しても、はたまたアウトドアでも、どんなシーンのどんな場所でも温かく寄り添ってくれるまな板です。 みられていることを意識していないような物に惹かれる スウェーデン・ダーラナ地方の湖にほど近い工房で、手仕事で作られているそうですが、デザイナーがデザインしたというよりは、もっと“アノニマス”なイメージ。 私はもともと、「どうだ!」とこれ見よがしにデザインされている物よりも、どちらかといえば見られていることを意識していないような物に惹かれます。 作り手の作為が前に出すぎてしまっているようなものは、結局すぐに飽きてしまうんですよね。 でもこのボードのように、作り手の謙虚な姿勢が感じられる物というのは素直な魅力を覚えます。 樺の木のもともとの自然の形(なり)を生かしているので、一つひとつ表情が異なります。 店頭なら選ぶ楽しみがありますし、オンラインなら届くまでの楽しみがありますね。 “ほっこりの落とし穴”にはまらないギリギリのバランス 私が特に気に入っているのは小さいサイズ。チーズをさりげなく並べるだけでも良い。しっかりとした厚みがありながら、この小ささは、探そうと思ってもなかなかないんです。この厚みがあるからこそ、素材感をしっかり感じられ、身近でありながら決して安っぽくならないのだと思います。ハンドメイドの木製品が陥りがちな“ほっこりの落とし穴”にはまらないギリギリのバランスというのは意外に難しいのです。この適度なバランスにより、デザインされていないようで、しっかりとデザインされた一枚が成り立つのだと言えるのでしょう。 「謙虚な姿勢を感じる物」という言葉が印象的。確かにこのまな板は、食材や料理を、そして食卓に並んだ他の器たちを引き立ててくれるような控えめな佇まいながら、まわりをずっしりと受け止めてくれるような懐の広さも感じさせてくれる。 長く使える物を選ぶとき、居心地よく他と“調和”するかを見極めていきたいものですね。 <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by...

小林和人が選んだもの「まな板の話」

2021/07/21

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、Per Sanfridsonの「バーチ カッティングボード」についてです。 器と地続きのカッティングボード まな板と包丁は、突き詰め始めたら止まらない…深い沼みたいなもの。本来は極めて専門性の高いジャンルだと思います。 でもこのまな板はテーブルの上に出してカジュアルに使える、“器と地続きのカッティングボード”といった、もっと気軽なもの。 キッチンに引っ掛けても、食卓に出しても、はたまたアウトドアでも、どんなシーンのどんな場所でも温かく寄り添ってくれるまな板です。 みられていることを意識していないような物に惹かれる スウェーデン・ダーラナ地方の湖にほど近い工房で、手仕事で作られているそうですが、デザイナーがデザインしたというよりは、もっと“アノニマス”なイメージ。 私はもともと、「どうだ!」とこれ見よがしにデザインされている物よりも、どちらかといえば見られていることを意識していないような物に惹かれます。 作り手の作為が前に出すぎてしまっているようなものは、結局すぐに飽きてしまうんですよね。 でもこのボードのように、作り手の謙虚な姿勢が感じられる物というのは素直な魅力を覚えます。 樺の木のもともとの自然の形(なり)を生かしているので、一つひとつ表情が異なります。 店頭なら選ぶ楽しみがありますし、オンラインなら届くまでの楽しみがありますね。 “ほっこりの落とし穴”にはまらないギリギリのバランス 私が特に気に入っているのは小さいサイズ。チーズをさりげなく並べるだけでも良い。しっかりとした厚みがありながら、この小ささは、探そうと思ってもなかなかないんです。この厚みがあるからこそ、素材感をしっかり感じられ、身近でありながら決して安っぽくならないのだと思います。ハンドメイドの木製品が陥りがちな“ほっこりの落とし穴”にはまらないギリギリのバランスというのは意外に難しいのです。この適度なバランスにより、デザインされていないようで、しっかりとデザインされた一枚が成り立つのだと言えるのでしょう。 「謙虚な姿勢を感じる物」という言葉が印象的。確かにこのまな板は、食材や料理を、そして食卓に並んだ他の器たちを引き立ててくれるような控えめな佇まいながら、まわりをずっしりと受け止めてくれるような懐の広さも感じさせてくれる。 長く使える物を選ぶとき、居心地よく他と“調和”するかを見極めていきたいものですね。 <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by...

REMASTEREDな食卓 -モデル/女優 高山都 編-

REMASTEREDな食卓 -モデル/女優 高山都 編-

2021/07/15

NIKKO 113年の歴史の中で作り上げた膨大なアーカイブの中からセレクトし、次の100年に向けてのエッセンスを加えた、ベーシックを越えたベーシックライン「REMASTERD」。それは、こだわりを詰め込んで美しくよみがえった、時が経っても色褪せない新しい「白」い器です。身のまわりのことをデザインしながら日々自分らしく暮らすロフェッショナルたちの食卓に、REMASTERDが並んだら。 初回はモデル・女優の高山都さんのある日の食卓へ。ご自宅に友人や仕事仲間を招いて食事を振る舞うことが多い都さん。器を通して、自分なりの心地良さについてや心豊かに過ごす工夫など、なにげない日常の中のあれこれをお伺いしていきます。 REMASTERED ディーププレート 26 には、オリーブオイルと柚子胡椒とレモンで豚しゃぶとおかひじきを和えた一品を SNSで発信する料理ライブを始め、いつも美味しいものと笑顔に囲まれている都さんですが、お客様をお招きする時に大切にしていることはどんなことでしょうか。「お客さんの性別、好みや、アレルギーを聞いてバランスよく!たとえば、女性が多かったら野菜多めでヘルシーにするとか。男性がいたらしっかりめのメニューを加えますね。一品揚げ物を入れたりすると、一気にご馳走感も出るのでおすすめです。音選びも、お客さんにあわせて懐メロからジャズ、クラシックまで色々と変えて楽しんでいます。」 今回は友人でも仕事仲間でもある女子3人の食卓。蒸し暑く不快な夜を吹き飛ばすよう、栄養価を考えた野菜たっぷりのさっぱりとしたメニューです。都さんお得意の春巻きは、コーンのサブジ入り。 たくさんの方々をお招きしていると思いますが、毎回メニュー選びに困ったりしないのでしょうか。 「メニューは、外食で美味しかったものや本で見て気になったものを、家にあるものとスーパーにある食材でアレンジして、自分なりに再現してみたりします。オリーブオイルと柚子胡椒とレモンで豚しゃぶとおかひじきを和える今回の一品(写真)のように、ベースの調味料の配合を知っていたら、そこを活かしたりしてメニューの幅を広げます。」 REMASTERED ラウンドプレート 26 には、ズッキーニの焼き浸し 最近では、選ぶ器が変わってきていると伺いましたが、“白い器”を選ぶのはどんな時ですか?「白い器を楽しめるようになったのは、実は最近なんです。食材の色合わせや飾るハーブなどでテーブルが単調にならないように気をつけています。フランスや日本、ベトナムの古いものなど、白が入っている作家さんの器と合わせて使うことが多いですね。」 最近、引越しをされ、家具を新調された都さんですが、ご自身にとって食卓とはどんな存在ですか?「ひとりの時も、誰かといる時もほっとする場所。今回のテーブルは角を取り、丸くなったので、人との距離感も調節しやすくなりました。すこし広すぎたかな(笑)なんて思うこともあるけど、この少し窮屈なご時世が終わったら、10人くらいでワイワイ囲めたら楽しいなーと未来に希望を抱いています。」 白い器を使いこなせるようになったことで、食卓の幅がさらに広がってきていると話してくれた都さん。フランスのヴィンテージや、有田焼の染付けの器に「REMASTERD」をこなれたテーブルコーディネートはもちろん、季節の食材を使ったヘルシーでとても温かいテーブルは真似したいところばかり。「白い器の余白をまだまだ楽しんでいきたい。シーンによって使い方、選び方、合わせ方、アレンジの仕方もたくさんあるから楽しいんですよね。」 極限まで削ぎ落とされたシンプルな白い器だからこそ、楽しめる余白も広い。夏は涼しく冬は暖かく、大人の集いを華やかにもてなしてくれる「REMASTERD」の白い器たち。朝の光の下、夜の照明の下でも余白の分だけ深みが増します。ぜひ、暮らしの中で実感していただけたら。   <記事内紹介商品>   高山都 モデル/女優女優、ファッションモデル、ラジオパーソナリティとして幅広い分野で活躍中。雑誌、新聞、WEBとさまざまな媒体で連載も。センスあふれるインスタグラムも人気で、私服コーデや「#みやれゴハン」として料理や器を紹介する投稿も話題。すでに4冊になる著書「高山都の美食姿」(双葉社刊)シリーズも好調。interview & text by Hisako Namekata

REMASTEREDな食卓 -モデル/女優 高山都 編-

2021/07/15

NIKKO 113年の歴史の中で作り上げた膨大なアーカイブの中からセレクトし、次の100年に向けてのエッセンスを加えた、ベーシックを越えたベーシックライン「REMASTERD」。それは、こだわりを詰め込んで美しくよみがえった、時が経っても色褪せない新しい「白」い器です。身のまわりのことをデザインしながら日々自分らしく暮らすロフェッショナルたちの食卓に、REMASTERDが並んだら。 初回はモデル・女優の高山都さんのある日の食卓へ。ご自宅に友人や仕事仲間を招いて食事を振る舞うことが多い都さん。器を通して、自分なりの心地良さについてや心豊かに過ごす工夫など、なにげない日常の中のあれこれをお伺いしていきます。 REMASTERED ディーププレート 26 には、オリーブオイルと柚子胡椒とレモンで豚しゃぶとおかひじきを和えた一品を SNSで発信する料理ライブを始め、いつも美味しいものと笑顔に囲まれている都さんですが、お客様をお招きする時に大切にしていることはどんなことでしょうか。「お客さんの性別、好みや、アレルギーを聞いてバランスよく!たとえば、女性が多かったら野菜多めでヘルシーにするとか。男性がいたらしっかりめのメニューを加えますね。一品揚げ物を入れたりすると、一気にご馳走感も出るのでおすすめです。音選びも、お客さんにあわせて懐メロからジャズ、クラシックまで色々と変えて楽しんでいます。」 今回は友人でも仕事仲間でもある女子3人の食卓。蒸し暑く不快な夜を吹き飛ばすよう、栄養価を考えた野菜たっぷりのさっぱりとしたメニューです。都さんお得意の春巻きは、コーンのサブジ入り。 たくさんの方々をお招きしていると思いますが、毎回メニュー選びに困ったりしないのでしょうか。 「メニューは、外食で美味しかったものや本で見て気になったものを、家にあるものとスーパーにある食材でアレンジして、自分なりに再現してみたりします。オリーブオイルと柚子胡椒とレモンで豚しゃぶとおかひじきを和える今回の一品(写真)のように、ベースの調味料の配合を知っていたら、そこを活かしたりしてメニューの幅を広げます。」 REMASTERED ラウンドプレート 26 には、ズッキーニの焼き浸し 最近では、選ぶ器が変わってきていると伺いましたが、“白い器”を選ぶのはどんな時ですか?「白い器を楽しめるようになったのは、実は最近なんです。食材の色合わせや飾るハーブなどでテーブルが単調にならないように気をつけています。フランスや日本、ベトナムの古いものなど、白が入っている作家さんの器と合わせて使うことが多いですね。」 最近、引越しをされ、家具を新調された都さんですが、ご自身にとって食卓とはどんな存在ですか?「ひとりの時も、誰かといる時もほっとする場所。今回のテーブルは角を取り、丸くなったので、人との距離感も調節しやすくなりました。すこし広すぎたかな(笑)なんて思うこともあるけど、この少し窮屈なご時世が終わったら、10人くらいでワイワイ囲めたら楽しいなーと未来に希望を抱いています。」 白い器を使いこなせるようになったことで、食卓の幅がさらに広がってきていると話してくれた都さん。フランスのヴィンテージや、有田焼の染付けの器に「REMASTERD」をこなれたテーブルコーディネートはもちろん、季節の食材を使ったヘルシーでとても温かいテーブルは真似したいところばかり。「白い器の余白をまだまだ楽しんでいきたい。シーンによって使い方、選び方、合わせ方、アレンジの仕方もたくさんあるから楽しいんですよね。」 極限まで削ぎ落とされたシンプルな白い器だからこそ、楽しめる余白も広い。夏は涼しく冬は暖かく、大人の集いを華やかにもてなしてくれる「REMASTERD」の白い器たち。朝の光の下、夜の照明の下でも余白の分だけ深みが増します。ぜひ、暮らしの中で実感していただけたら。   <記事内紹介商品>   高山都 モデル/女優女優、ファッションモデル、ラジオパーソナリティとして幅広い分野で活躍中。雑誌、新聞、WEBとさまざまな媒体で連載も。センスあふれるインスタグラムも人気で、私服コーデや「#みやれゴハン」として料理や器を紹介する投稿も話題。すでに4冊になる著書「高山都の美食姿」(双葉社刊)シリーズも好調。interview & text by Hisako Namekata