JOURNAL

小林和人が選んだもの 「ワインラックの話」
ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、ワインラックについてです。 エンツォ・マーリによる、アノニマスなデザイン 小林さん:ワインラックは急を要するものではないので、なかなか手が出せないでいる方も多いのではないでしょうか。でも持っていると、生活がグッと楽しくなる存在だと思います。今回は、イタリアのデザイン界の巨匠、エンツォ・マーリがデザインした「REXITE CANTINA」のワインラックをご紹介します。エンツォ・マーリというと、デザインを、企業による販売促進のためではなく、或る課題に対して解を与えるための手段として捉えていたような印象を受けます。例えばこのワインラックは、一見するとデザイナーが介在していないかのようです。しかし、よく見ると12本のワインボトルを小スペースにいかに収めるかが考え抜かれ、それが必要最低限の要素で成り立っていることが分かります。僕はそんなアノニマスな佇まいでありながら、細部にまできちんと練られたデザインであるところがとても気に入っています。 シンプルな構造で最大限の効果 小林さん:もしもワインが12本以上になったときはどうしたら良いか。そんなワイン愛好家の悩みに対して、上に重ねてスタッキングすることができるという、シンプルな構造で応えているところも素晴らしい。最小限の手数で最大限の効果をあげているデザインのお手本のようなプロダクトだと思います。そして、このタイムレスな佇まいはどんな空間にも馴染むのではないでしょうか。現代的な空間はもちろん、ヴィンテージの家具を基調とした味のある部屋にもアクセントになってくれそうです。 ギフト選びで心がけること 小林さん:外装の箱も、抜かりないデザイン。図面がそのままパッケージになったかのようなデザインがカッコいいですよね。捨てずに取っておきたくもあり、贈り物にもおすすめです。それこそ新築祝いや結婚祝いなどにも喜ばれそうです。ギフトを選ぶとき、相手が持っていたり、他の人と被ったりするかもしれないという心配がよくありますが、これなら大丈夫です。なぜならこれは連結できるのだから!笑 <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto by Naoki Yamashita
小林和人が選んだもの 「ワインラックの話」
ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、ワインラックについてです。 エンツォ・マーリによる、アノニマスなデザイン 小林さん:ワインラックは急を要するものではないので、なかなか手が出せないでいる方も多いのではないでしょうか。でも持っていると、生活がグッと楽しくなる存在だと思います。今回は、イタリアのデザイン界の巨匠、エンツォ・マーリがデザインした「REXITE CANTINA」のワインラックをご紹介します。エンツォ・マーリというと、デザインを、企業による販売促進のためではなく、或る課題に対して解を与えるための手段として捉えていたような印象を受けます。例えばこのワインラックは、一見するとデザイナーが介在していないかのようです。しかし、よく見ると12本のワインボトルを小スペースにいかに収めるかが考え抜かれ、それが必要最低限の要素で成り立っていることが分かります。僕はそんなアノニマスな佇まいでありながら、細部にまできちんと練られたデザインであるところがとても気に入っています。 シンプルな構造で最大限の効果 小林さん:もしもワインが12本以上になったときはどうしたら良いか。そんなワイン愛好家の悩みに対して、上に重ねてスタッキングすることができるという、シンプルな構造で応えているところも素晴らしい。最小限の手数で最大限の効果をあげているデザインのお手本のようなプロダクトだと思います。そして、このタイムレスな佇まいはどんな空間にも馴染むのではないでしょうか。現代的な空間はもちろん、ヴィンテージの家具を基調とした味のある部屋にもアクセントになってくれそうです。 ギフト選びで心がけること 小林さん:外装の箱も、抜かりないデザイン。図面がそのままパッケージになったかのようなデザインがカッコいいですよね。捨てずに取っておきたくもあり、贈り物にもおすすめです。それこそ新築祝いや結婚祝いなどにも喜ばれそうです。ギフトを選ぶとき、相手が持っていたり、他の人と被ったりするかもしれないという心配がよくありますが、これなら大丈夫です。なぜならこれは連結できるのだから!笑 <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto by Naoki Yamashita

行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル ― ayame ファウンダー&デザイナー今泉悠編
時代を明るくリードしてくれる、様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、モノを選択する時の視点やこだわり、向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 Ayameファウンダー&デザイナー 今泉悠 1983年、茨城県生まれ。2005年にメガネづくりの道を志し、福井県、鯖江市でノウハウを学ぶ。2010年「アヤメ」を設立し、ファーストコレクションを発表。自社ブランドのみならず、国内外のアイウェアデザインやディレクションも手掛ける。2016年には、スポーツアイウェアブランド「スワンズ(SWANS)」との協業で、高機能かつ極限までシンプルを追求したサングラスを発売。幅広いシーンに対応するデザインと機能性で、同年の「アイウェア オブ ザ イヤー」を受賞した。 今回は、「ayame(アヤメ)」のファウンダーであり、デザイナーでもある今泉悠さんにご登場いただきます。「ayame」は、今泉さんの出身地である茨城県を象徴する「あやめ」と、そこに「目を彩る」という意味を重ね合わせて「ayame」と名付け、2010年に設立したアイウェアブランド。昨年、表参道「フロム・ファースト・ビル」に新しい店舗「ayamerow(アヤメロウ)」をオープンし、益々独自のスタイリッシュな世界観を確立しています。 「ayamerow」がオープンした「フロム・ファースト・ビル」といえば、1975年に竣工し、日本のファッション黄金期を支えた中心的存在の名建築。そんな念願だったビルでの新店舗の空間をお願いしたのは、今泉さんが以前から次にお店を造るなら頼んでみたいと思っていたデザイナーの柳原照弘氏。「外から内へ」「洞窟的」「質量」の3つをデザインコンセプトに空間を設計されているという店内は、2Fへと登る階段から店舗がスタートしているかのように、店外の要素が流れるように店内へと続いています。 今泉さんがメガネブランドを立ち上げたきっかけや新店舗のこと、そしてLOST AND FOUNDから選んでいただいたアイテムのお気に入りポイントなど、ayamerowでお話しいただきました。 ラウンジのような新店舗 行方:「壁や什器の素材感が際立っていて、青いカーテンから少し入ってくる光も美しいしサロンのようですね。落ち着いた店内がとても居心地が良いです。建物の外観に続いていくような内装というか、建物と一緒に内装もデザインされたかのように感じますね。」 今泉さん:「以前から、いつかこのビルで店舗をしたいと思っていたところ、友人のオフィスがここから移転するというのを聞き、すぐに連絡しました。一年ほどは展示会などのイベントに場所を利用していて、その間にデザイナーの柳原さんと時間をかけてじっくり話し合いました。「フロム・ファースト・ビル」が竣工50年ということもありましたし、以前から憧れの場所でもあったので、できるだけ建築に合わせて内装を作ることになったんです。デザインのコンセプトの一つでもある「外から内へ」というのは、建築物のデザインを活かすという意味で、色や質感など、「フロム・ファースト・ビル」の様々なポイントを店舗の内装に取り入れています。 このメガネをディスプレイしている什器は、錆石(さびいし) を切り出して作られています。鉄分を多く含んだ石なので、ゆっくり錆色へと経年変化していくのも楽しみですし、メガネとの質感の対比も面白いかなと思って。この青いカーテンは、コペンハーゲンでの撮影で出会ったテキスタイルブランドのものです。」 行方:「今回、今泉さんがLOST AND FOUNDから選んだのはMOEBEのフレームレス独立型「STANDING MIRROR」。MOEBEは、2人の建築家と家具職人が立ち上げた、コペンハーゲンを拠点にプロダクト、家具、インテリアを制作する北欧のデザインスタジオです。建築的な思考で徹底的に考え抜いた構造によるシンプルで美しいデザインを目指し、すべて自社で設計を行っているというこだわりのブランドです。「STANDING MIRROR」のどんなところが気に入りましたか?」 今泉さん:「全体のバランスを見るために姿見は2つ作ってもらったのですが、顔を見るちょうど良い鏡がまだなかったんです。この空間に合う置き鏡を探していたところ、ぴったりなものを見つけました。この「STANDING MIRROR」はシンプルで主張しすぎず、軽量の細いワイヤーに鏡を立てかけるだけというシンプルで洗練されているところが気に入りました。錆石の什器にも木にも合いますね。」 メガネへの熱い想い 行方:「 そういえば、ブランド15周年おめでとうございます。ずっと聞いてみたかったのですが、メガネの道に進んだきっかけは?」...
行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル ― ayame ファウンダー&デザイナー今泉悠編
時代を明るくリードしてくれる、様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、モノを選択する時の視点やこだわり、向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 Ayameファウンダー&デザイナー 今泉悠 1983年、茨城県生まれ。2005年にメガネづくりの道を志し、福井県、鯖江市でノウハウを学ぶ。2010年「アヤメ」を設立し、ファーストコレクションを発表。自社ブランドのみならず、国内外のアイウェアデザインやディレクションも手掛ける。2016年には、スポーツアイウェアブランド「スワンズ(SWANS)」との協業で、高機能かつ極限までシンプルを追求したサングラスを発売。幅広いシーンに対応するデザインと機能性で、同年の「アイウェア オブ ザ イヤー」を受賞した。 今回は、「ayame(アヤメ)」のファウンダーであり、デザイナーでもある今泉悠さんにご登場いただきます。「ayame」は、今泉さんの出身地である茨城県を象徴する「あやめ」と、そこに「目を彩る」という意味を重ね合わせて「ayame」と名付け、2010年に設立したアイウェアブランド。昨年、表参道「フロム・ファースト・ビル」に新しい店舗「ayamerow(アヤメロウ)」をオープンし、益々独自のスタイリッシュな世界観を確立しています。 「ayamerow」がオープンした「フロム・ファースト・ビル」といえば、1975年に竣工し、日本のファッション黄金期を支えた中心的存在の名建築。そんな念願だったビルでの新店舗の空間をお願いしたのは、今泉さんが以前から次にお店を造るなら頼んでみたいと思っていたデザイナーの柳原照弘氏。「外から内へ」「洞窟的」「質量」の3つをデザインコンセプトに空間を設計されているという店内は、2Fへと登る階段から店舗がスタートしているかのように、店外の要素が流れるように店内へと続いています。 今泉さんがメガネブランドを立ち上げたきっかけや新店舗のこと、そしてLOST AND FOUNDから選んでいただいたアイテムのお気に入りポイントなど、ayamerowでお話しいただきました。 ラウンジのような新店舗 行方:「壁や什器の素材感が際立っていて、青いカーテンから少し入ってくる光も美しいしサロンのようですね。落ち着いた店内がとても居心地が良いです。建物の外観に続いていくような内装というか、建物と一緒に内装もデザインされたかのように感じますね。」 今泉さん:「以前から、いつかこのビルで店舗をしたいと思っていたところ、友人のオフィスがここから移転するというのを聞き、すぐに連絡しました。一年ほどは展示会などのイベントに場所を利用していて、その間にデザイナーの柳原さんと時間をかけてじっくり話し合いました。「フロム・ファースト・ビル」が竣工50年ということもありましたし、以前から憧れの場所でもあったので、できるだけ建築に合わせて内装を作ることになったんです。デザインのコンセプトの一つでもある「外から内へ」というのは、建築物のデザインを活かすという意味で、色や質感など、「フロム・ファースト・ビル」の様々なポイントを店舗の内装に取り入れています。 このメガネをディスプレイしている什器は、錆石(さびいし) を切り出して作られています。鉄分を多く含んだ石なので、ゆっくり錆色へと経年変化していくのも楽しみですし、メガネとの質感の対比も面白いかなと思って。この青いカーテンは、コペンハーゲンでの撮影で出会ったテキスタイルブランドのものです。」 行方:「今回、今泉さんがLOST AND FOUNDから選んだのはMOEBEのフレームレス独立型「STANDING MIRROR」。MOEBEは、2人の建築家と家具職人が立ち上げた、コペンハーゲンを拠点にプロダクト、家具、インテリアを制作する北欧のデザインスタジオです。建築的な思考で徹底的に考え抜いた構造によるシンプルで美しいデザインを目指し、すべて自社で設計を行っているというこだわりのブランドです。「STANDING MIRROR」のどんなところが気に入りましたか?」 今泉さん:「全体のバランスを見るために姿見は2つ作ってもらったのですが、顔を見るちょうど良い鏡がまだなかったんです。この空間に合う置き鏡を探していたところ、ぴったりなものを見つけました。この「STANDING MIRROR」はシンプルで主張しすぎず、軽量の細いワイヤーに鏡を立てかけるだけというシンプルで洗練されているところが気に入りました。錆石の什器にも木にも合いますね。」 メガネへの熱い想い 行方:「 そういえば、ブランド15周年おめでとうございます。ずっと聞いてみたかったのですが、メガネの道に進んだきっかけは?」...

野村友里さんが白い器に盛り付けたもの
LOST AND FOUND店頭で配布中の「白い器」の魅力について紹介している小冊子「白い器の話。」(なくなり次第終了)。その中で料理家 野村友里さんと共に、石川県にあるニッコーの工場を見学しました。友里さんの幼少期のボーンチャイナとの出会いや料理を仕事にするきっかけになったことなど、色々な話しを伺いながら工場を巡りました。「物作りは、結局は人の力!皆さんの徹底した手作業こそが、ニッコーらしい温もりを感じる商品になっていくんですね」と語ってくれた様子はぜひ冊子で。こちらでは、そんな温もりのある白い器に合う優しい一品を作っていただきました。 野村友里 料理人。「eatrip」主宰。東京・原宿で営んでいた「restaurant eatrip」は2023年12月で閉店。現在は、表参道でグローサリーショップ「eatrip soil」、祐天寺でグローサリーショップや花屋、ギャラリー、バーなどの複合施設「babajiji house」を営む。著書に『とびきりおいしいおうちごはん』(小学館クリエイティブ)などがある。 表参道GYLE4階にあるグロッサリーショップ「eatrip soil」。友里さんが、ただモノを売るだけではなく、そのモノが生まれる環境や、作り手たちの考えを伝えたいと開いたお店です。土の中にいるような感覚にしたい、と内装もそのイメージで作り上げ、バルコニーには畑が!レモン、ゆず、ブラックベリー、ハーブ類……都会の真ん中にあるビルの上とは思えないくらい様々な植物が育っています。 「白い器に彩り美しく盛り付けられた料理は他の方がたくさんしていると思ったので、今日はシンプルなキャロットケーキにしました。」と作ってくれたのは、小麦粉も砂糖も使わないキャロット&アプリコットケーキ。小麦粉と砂糖が得意ではない姪っ子さんのために考えた特別なレシピで、友里さんが信頼する素材で作られています。 前日から仕込んでいたケーキの仕上げは、畑のレモンを獲るところから始まりました。黄色く輝く大きなレモンがたくさんなった木から、楽しそうにレモンを獲ってはエプロンに入れていく友里さん。 畑からつながる店内の小さなキッチンスペースは、時間により日差しがくるくると変化し、明るくてとても気持ちの良い場所です。 キャロットケーキの上に獲ったばかりのレモンをアクセントに乗せ、人参の葉っぱを飾り付けたら、最後に白い器の余白にはちみつを垂らして完成です。 「白い器にしようかなという日は、器の素材感で遊んでみたり、食材が際立つようにすることが多いかな」という友里さん。 ニッコーの工場で出会った「使う人のために気持ちを込めて作られた白い器」に、「食べる人を想う優しい気持ちが込められたケーキ」を合わせてくれました。 <記事内紹介商品> Interview & text Hisako NamekataPhoto by Yuki Furue
野村友里さんが白い器に盛り付けたもの
LOST AND FOUND店頭で配布中の「白い器」の魅力について紹介している小冊子「白い器の話。」(なくなり次第終了)。その中で料理家 野村友里さんと共に、石川県にあるニッコーの工場を見学しました。友里さんの幼少期のボーンチャイナとの出会いや料理を仕事にするきっかけになったことなど、色々な話しを伺いながら工場を巡りました。「物作りは、結局は人の力!皆さんの徹底した手作業こそが、ニッコーらしい温もりを感じる商品になっていくんですね」と語ってくれた様子はぜひ冊子で。こちらでは、そんな温もりのある白い器に合う優しい一品を作っていただきました。 野村友里 料理人。「eatrip」主宰。東京・原宿で営んでいた「restaurant eatrip」は2023年12月で閉店。現在は、表参道でグローサリーショップ「eatrip soil」、祐天寺でグローサリーショップや花屋、ギャラリー、バーなどの複合施設「babajiji house」を営む。著書に『とびきりおいしいおうちごはん』(小学館クリエイティブ)などがある。 表参道GYLE4階にあるグロッサリーショップ「eatrip soil」。友里さんが、ただモノを売るだけではなく、そのモノが生まれる環境や、作り手たちの考えを伝えたいと開いたお店です。土の中にいるような感覚にしたい、と内装もそのイメージで作り上げ、バルコニーには畑が!レモン、ゆず、ブラックベリー、ハーブ類……都会の真ん中にあるビルの上とは思えないくらい様々な植物が育っています。 「白い器に彩り美しく盛り付けられた料理は他の方がたくさんしていると思ったので、今日はシンプルなキャロットケーキにしました。」と作ってくれたのは、小麦粉も砂糖も使わないキャロット&アプリコットケーキ。小麦粉と砂糖が得意ではない姪っ子さんのために考えた特別なレシピで、友里さんが信頼する素材で作られています。 前日から仕込んでいたケーキの仕上げは、畑のレモンを獲るところから始まりました。黄色く輝く大きなレモンがたくさんなった木から、楽しそうにレモンを獲ってはエプロンに入れていく友里さん。 畑からつながる店内の小さなキッチンスペースは、時間により日差しがくるくると変化し、明るくてとても気持ちの良い場所です。 キャロットケーキの上に獲ったばかりのレモンをアクセントに乗せ、人参の葉っぱを飾り付けたら、最後に白い器の余白にはちみつを垂らして完成です。 「白い器にしようかなという日は、器の素材感で遊んでみたり、食材が際立つようにすることが多いかな」という友里さん。 ニッコーの工場で出会った「使う人のために気持ちを込めて作られた白い器」に、「食べる人を想う優しい気持ちが込められたケーキ」を合わせてくれました。 <記事内紹介商品> Interview & text Hisako NamekataPhoto by Yuki Furue

小山薫堂さんの白い器の別の話
おいしい料理のことを考えるのは、なんとも幸せな時間ではありませんか?器に盛り付けられる料理には、だれかのアイデアや思いやりが込められているもの。想像するとワクワクしますよね。そんな料理に欠かせない、「白い器」の魅力について紹介した小冊子をLOST AND FOUND の店頭で配布中(無くなり次第終了)。巻頭インタビューでは、小山薫堂さんが冊子限定で白い器の魅力を語ってくださいました。ここでは、冊子とは別の話を特別にご紹介します。 小山薫堂 放送作家。脚本家。料亭「下鴨茶寮」主人。1964年生まれ。「料理の鉄人」「パレ・ド・Z」「リモートシェフ」など、食をテーマにしたテレビ番組を数多く企画。映画「おくりびと」では第32回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第81回米アカデミー賞外国語部門賞を獲得。雑誌dancyu連載「一食入魂」などの執筆活動の他、地域・企業のプロジェクトアドバイザー、京都芸術大学副学長、農林水産省「料理マスターズ」審査委員、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」の総合プロデューサーなどを務める。2025年大阪・関西万博では、テーマ事業プロデューサーの食担当として、シグネチャーパビリオン「EARTH MART」を企画。 薫堂さん:「白い器といって思い浮かぶのは、誕生日のときに『Happy Birthday』とメッセージを入れてもらう、所謂キャンパスになっているバースデープレートですね。うちは企画会社なので、スタッフの誕生日を大切にしていまして」 と話し始めた薫堂さん。企画の原点は、大切な人の誕生日をお祝いすることだと言います。 薫堂さん:「多くの人が最初に企画するのは多分、お父さんやお母さんや家族、友人の誕生日のお祝いですよね。僕も子どもの頃、凝っていろんなプレゼントをしてきました。あれが企画の原点だと思っているので、会社でも、全社員のバースデーサプライズを企画してもらっています。今40人くらいのスタッフがいるんですけど、毎回一人の隊長が38人を動かしながらやってくれています」 恒例の行事ゆえに、誕生日をお祝いされると分かりながら過ごすスタッフへのサプライズは難しそう! 薫堂さん:「そうなんですよ。そろそろ自分だよな、ってみんな思ってますからね(笑)。それを縫ってやらなきゃいけないんで、本当に難しいと思います。」 薫堂さん:「僕と副社長とで誕生日月のスタッフをちょっといいレストランに連れて行くというのも決まりなんです。どこに行くかも言わずに、フォーマルなのか、服装だけ伝えておいて。みんなどんどん贅沢になってきていて、『明日は焼き鳥だからね』と伝えると、大体『えーー』とがっかりされるんです。あえて一次会で焼き鳥に行った後、二次会で高級なフレンチに行き、シェフに強引にお願いして締めのひと皿とデセールだけ頼んで、すごいワインと楽しむなんていうこともありましたね」 企画のプロ集団が、自分たちのために本気で企画をする。毎回どんな企画だったのかを知りたくなってしまいます。そんなお祝いムードの中で、出演回数の最も多いのが真っ白な器。メッセージや名前が書かれたバースデープレートなのだそう。 薫堂さん:「月に一度はバースデープレートを見ている気がしますね。考えてみれば、白いお皿って、流行り廃りがないし飽きないですよね。やっぱり、シンプルな白いお皿の力はすごい」 薫堂さん:「僕は食事中になるべくお皿を変えない方が好きなんですよ。毎回取り皿を変えるお店もありますが、それを洗わせることに抵抗を感じるんです。白いお皿だったらどんな料理にも、例えばそれがフレンチでも焼きそばでも合うから、変える必要もないですし、特に家で使うなら絶対いいなと思いますね。なんて言いつつ、実は今事務所で皆が使えるお皿がないんですよ。数がそろってちょうど良いものを探せていなくて。結局コーヒーソーサーを取り皿にしていて、食べる度に、こんなこと本当にやめたい!と思っています(笑)」 そう言って、LOST AND FOUNDの店内で、あれこれいろんなタイプの白い器を熟視する薫堂さんでした。アイデアや思いやりが込められた真っ白なバースデープレート。シンプルな器にこそ、人の温かな想いが込められているのかもしれません。 Text by Sahoko SekiPhoto by Kiyoko Eto
小山薫堂さんの白い器の別の話
おいしい料理のことを考えるのは、なんとも幸せな時間ではありませんか?器に盛り付けられる料理には、だれかのアイデアや思いやりが込められているもの。想像するとワクワクしますよね。そんな料理に欠かせない、「白い器」の魅力について紹介した小冊子をLOST AND FOUND の店頭で配布中(無くなり次第終了)。巻頭インタビューでは、小山薫堂さんが冊子限定で白い器の魅力を語ってくださいました。ここでは、冊子とは別の話を特別にご紹介します。 小山薫堂 放送作家。脚本家。料亭「下鴨茶寮」主人。1964年生まれ。「料理の鉄人」「パレ・ド・Z」「リモートシェフ」など、食をテーマにしたテレビ番組を数多く企画。映画「おくりびと」では第32回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第81回米アカデミー賞外国語部門賞を獲得。雑誌dancyu連載「一食入魂」などの執筆活動の他、地域・企業のプロジェクトアドバイザー、京都芸術大学副学長、農林水産省「料理マスターズ」審査委員、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」の総合プロデューサーなどを務める。2025年大阪・関西万博では、テーマ事業プロデューサーの食担当として、シグネチャーパビリオン「EARTH MART」を企画。 薫堂さん:「白い器といって思い浮かぶのは、誕生日のときに『Happy Birthday』とメッセージを入れてもらう、所謂キャンパスになっているバースデープレートですね。うちは企画会社なので、スタッフの誕生日を大切にしていまして」 と話し始めた薫堂さん。企画の原点は、大切な人の誕生日をお祝いすることだと言います。 薫堂さん:「多くの人が最初に企画するのは多分、お父さんやお母さんや家族、友人の誕生日のお祝いですよね。僕も子どもの頃、凝っていろんなプレゼントをしてきました。あれが企画の原点だと思っているので、会社でも、全社員のバースデーサプライズを企画してもらっています。今40人くらいのスタッフがいるんですけど、毎回一人の隊長が38人を動かしながらやってくれています」 恒例の行事ゆえに、誕生日をお祝いされると分かりながら過ごすスタッフへのサプライズは難しそう! 薫堂さん:「そうなんですよ。そろそろ自分だよな、ってみんな思ってますからね(笑)。それを縫ってやらなきゃいけないんで、本当に難しいと思います。」 薫堂さん:「僕と副社長とで誕生日月のスタッフをちょっといいレストランに連れて行くというのも決まりなんです。どこに行くかも言わずに、フォーマルなのか、服装だけ伝えておいて。みんなどんどん贅沢になってきていて、『明日は焼き鳥だからね』と伝えると、大体『えーー』とがっかりされるんです。あえて一次会で焼き鳥に行った後、二次会で高級なフレンチに行き、シェフに強引にお願いして締めのひと皿とデセールだけ頼んで、すごいワインと楽しむなんていうこともありましたね」 企画のプロ集団が、自分たちのために本気で企画をする。毎回どんな企画だったのかを知りたくなってしまいます。そんなお祝いムードの中で、出演回数の最も多いのが真っ白な器。メッセージや名前が書かれたバースデープレートなのだそう。 薫堂さん:「月に一度はバースデープレートを見ている気がしますね。考えてみれば、白いお皿って、流行り廃りがないし飽きないですよね。やっぱり、シンプルな白いお皿の力はすごい」 薫堂さん:「僕は食事中になるべくお皿を変えない方が好きなんですよ。毎回取り皿を変えるお店もありますが、それを洗わせることに抵抗を感じるんです。白いお皿だったらどんな料理にも、例えばそれがフレンチでも焼きそばでも合うから、変える必要もないですし、特に家で使うなら絶対いいなと思いますね。なんて言いつつ、実は今事務所で皆が使えるお皿がないんですよ。数がそろってちょうど良いものを探せていなくて。結局コーヒーソーサーを取り皿にしていて、食べる度に、こんなこと本当にやめたい!と思っています(笑)」 そう言って、LOST AND FOUNDの店内で、あれこれいろんなタイプの白い器を熟視する薫堂さんでした。アイデアや思いやりが込められた真っ白なバースデープレート。シンプルな器にこそ、人の温かな想いが込められているのかもしれません。 Text by Sahoko SekiPhoto by Kiyoko Eto

伯爵・三田村さんの白い器の話 時代に寄り添う昭和生まれの純喫茶と白い器
NIKKOを愛用する人をインタビュー。語られたのはあらゆる場面に寄り添う普遍性と、無垢ゆえに人と人をつなぐ懐の深さでした。第六回は巣鴨の純喫茶「伯爵」の三田村さんです。 昭和53年(1978年)創業の「珈琲専門館 伯爵 巣鴨店」は地元で愛される純喫茶。カラフルなステンドグラスや花柄のクッションフロア、彫刻風の置物など、色々なものが入り混じりながらも時を経てまとまり、温かみを醸し出しています。 「接客がしたくて20年以上前にアルバイトから入りました。当時からピザトーストとサラダのセットにはNIKKOのオーバルプレートを使っています」と支配人の三田村豊さん。「純喫茶ならではの大きめのトーストも収まる絶妙なサイズ感と柄のない潔い白さが重宝しています。他に代わるものがありません」と熱を込めて語ってくださいました。時代とともに価格は上がり、分煙化が図られ、純喫茶ブームによる若い客も増えたそうですが、メニューと白い器、そしてそれを使うスタッフの想いは変わらない。昭和生まれの純喫茶には、今日も多くの人が憩い、さらなる時が刻まれています。 1983年から使われているファインボーンチャイナのバックスタンプ 珈琲専門館 伯爵 巣鴨店東京都豊島区巣鴨1-12-303-3947-7855https://hakusyaku-sugamo.owst.jp/ Text by Mio AmariPhoto by Kiyoko Eto
伯爵・三田村さんの白い器の話 時代に寄り添う昭和生まれの純喫茶と白い器
NIKKOを愛用する人をインタビュー。語られたのはあらゆる場面に寄り添う普遍性と、無垢ゆえに人と人をつなぐ懐の深さでした。第六回は巣鴨の純喫茶「伯爵」の三田村さんです。 昭和53年(1978年)創業の「珈琲専門館 伯爵 巣鴨店」は地元で愛される純喫茶。カラフルなステンドグラスや花柄のクッションフロア、彫刻風の置物など、色々なものが入り混じりながらも時を経てまとまり、温かみを醸し出しています。 「接客がしたくて20年以上前にアルバイトから入りました。当時からピザトーストとサラダのセットにはNIKKOのオーバルプレートを使っています」と支配人の三田村豊さん。「純喫茶ならではの大きめのトーストも収まる絶妙なサイズ感と柄のない潔い白さが重宝しています。他に代わるものがありません」と熱を込めて語ってくださいました。時代とともに価格は上がり、分煙化が図られ、純喫茶ブームによる若い客も増えたそうですが、メニューと白い器、そしてそれを使うスタッフの想いは変わらない。昭和生まれの純喫茶には、今日も多くの人が憩い、さらなる時が刻まれています。 1983年から使われているファインボーンチャイナのバックスタンプ 珈琲専門館 伯爵 巣鴨店東京都豊島区巣鴨1-12-303-3947-7855https://hakusyaku-sugamo.owst.jp/ Text by Mio AmariPhoto by Kiyoko Eto

cinq・染谷さんの白い器の話 予約困難な人気のカフェが指名するのは「REMASTERED」
NIKKOを愛用する人をインタビュー。語られたのはあらゆる場面に寄り添う普遍性と、無垢ゆえに人と人をつなぐ懐の深さでした。第五回は北浦和のカフェ「cinq」の染谷さんです。 「以前は生成り色の器を使っていたのですが、白がどんな料理にも合う万能な色であることに目覚めて、ずっと探していました。ちょうどそんな時です。「LOST AND FOUND」でREMASTEREDに出合ったのは。使いやすそうだとスタッフにも好評だったので、購入を決めました」。こう話すのは、北浦和にある予約の取れない一軒家カフェ「cinq(サンク)」の店主、染谷有子さん。「REMASTERED」はNIKKOの数あるアーカイブの中から現代の暮らしを豊かに導いてくれるものを選び抜き、再編集したファインボーンチャイナのコレクションです。 「特に重宝するのが26cmのオーバル皿。ワンプレートランチに使ったり、ケーキを盛り合わせたり、パフェの受け皿にしたりと、幅広く利用できます。持ちやすいので女性スタッフが1階のキッチンと2階席を階段で行き来する時にも安心です。もう手放せません」。 REMASTEREDで蘇った、伝統的なダブルフェニックスのバックスタンプ cinq(サンク)埼玉県さいたま市浦和区元町2-9-7048-886-5000https://cinqcafe.com/ Text by Mio AmariPhoto by Moe Kurita
cinq・染谷さんの白い器の話 予約困難な人気のカフェが指名するのは「REMASTERED」
NIKKOを愛用する人をインタビュー。語られたのはあらゆる場面に寄り添う普遍性と、無垢ゆえに人と人をつなぐ懐の深さでした。第五回は北浦和のカフェ「cinq」の染谷さんです。 「以前は生成り色の器を使っていたのですが、白がどんな料理にも合う万能な色であることに目覚めて、ずっと探していました。ちょうどそんな時です。「LOST AND FOUND」でREMASTEREDに出合ったのは。使いやすそうだとスタッフにも好評だったので、購入を決めました」。こう話すのは、北浦和にある予約の取れない一軒家カフェ「cinq(サンク)」の店主、染谷有子さん。「REMASTERED」はNIKKOの数あるアーカイブの中から現代の暮らしを豊かに導いてくれるものを選び抜き、再編集したファインボーンチャイナのコレクションです。 「特に重宝するのが26cmのオーバル皿。ワンプレートランチに使ったり、ケーキを盛り合わせたり、パフェの受け皿にしたりと、幅広く利用できます。持ちやすいので女性スタッフが1階のキッチンと2階席を階段で行き来する時にも安心です。もう手放せません」。 REMASTEREDで蘇った、伝統的なダブルフェニックスのバックスタンプ cinq(サンク)埼玉県さいたま市浦和区元町2-9-7048-886-5000https://cinqcafe.com/ Text by Mio AmariPhoto by Moe Kurita