JOURNAL

「OKUSHIBU ご近所トーク」 VOL.2:FUGLEN TOKYO(代表・小島賢治さん)

「OKUSHIBU ご近所トーク」 VOL.2:FUGLEN TOKYO(代表・小島賢治さん)

2024/05/20

LOST AND FOUND(以下LAF)に来たなら行くべき話題のご近所スポットに、エリアの魅力と自店の紹介をたっぷり話していただく連載。 自然に溢れながら、レストランやカフェ、アパレルや音楽、インテリア、アートなど…様々なカルチャーが心地よく交差する奥渋エリア。私たちがこの場所に店舗を構えたのは、自然の中で商業と住宅が混ざり合い、新旧のカルチャーが共存する独自の魅力を持った街だからです。ココに集うプロフェッショナルとエリアの魅力をとことん話してみよう、と奥渋愛とともに始まった連載をどうぞお楽しみください。 初回のトランクホテルに続き、第二回は東京のコーヒーシーンを代表する店舗「FUGLEN TOKYO」の代表、小島賢治さんにお話を伺いました。 フグレンはノルウェーの首都・オスロで始まったカフェ。小島さん曰く、「すごく小さなエリアに霞ヶ関と北海道のスキー場の両方が一緒にあるような」、中心部は歩いて回れるほどの小さな街です。 ――小島さんはコーヒーを学ぶためにオスロに行ったんですよね。 小島さん「はい。もともと飲食店でサービス業に従事していました。何か技術を身に付けたいと思ってコーヒーの世界に入り、日本のコーヒー事情を考えると海外に出ることが良いと思い、2010年にオスロへ行きました。当時オスロにいた日本人は珍しく、コーヒー業界に来た日本人は初めてだと言われたくらいです。たまたまフグレンが日本オープンに向けて動き始めようとしたところで見た日本人が僕だったから、タイミングで任せてもらえることになったのだと思います(笑)」 もちろん、絶大な信頼関係を築いた上での話だったのだと思うが…そもそもフグレンは、オスロのコーヒーと紅茶を売る店で話し上手のオウムが飼われており、常連客たちが「鳥カフェ」と名付けたのが始まりだそう。ノルウェー語で鳥を意味する「フグレン」がその店の名となった。そして2008年に今のオーナーが店を買い取り、世界中を飛ぶ渡り鳥のような会社にしたいということで、世界最長の距離を飛ぶという渡り鳥「アジサシ」がその象徴となったのだそう。港から港へと飛び、土地の良いものを吸収して次の土地へ行こうという想いが込められている。 ――世界へ羽ばたくということでその一つに日本が選ばれたわけですが、何かオーナーには想いがあったのでしょうか。 小島さん「そうですね。創業者が『2007年・バリスタ・チャンピオンシップ(世界最高峰のバリスタの競技大会)』のノルウェー代表として戦った場所が日本だったんです。日本でコーヒーが盛り上がり始めたんですよね。その時から彼の中では日本に可能性を感じ、早くから東京進出の目標を掲げていました。オスロ、東京、ニューヨークというゴールを持っていました」 ――私たちに日本人にとっては嬉しい話です。憧れの地、ニューヨークに加え、パリやミラノ、ロンドンではなく、東京が選ばれたんですね!そこから富ヶ谷という地はどのようにして決まったのでしょうか。 小島さん「オスロのフグレンの常連客の一人、日本人とノルウェー人のハーフの方が、『渋谷の外れに家があるのだけど、一度見てみないか』ということで物件を紹介してもらったんです。考えていた構想ではある程度の広さが必要だったのですが、あまりいい物件に巡り会えず、まずはここでスタートしてみようということになりました。と言っても、僕自身埼玉県出身、新宿のカフェで修行したものの東京の土地勘はほとんどなく、オスロのスタッフたちももちろん東京をあまり知らない。リサーチせずに決まった感じではありましたね。結果的に公園が近くて遊歩道もあり、渋谷から歩けるけど渋谷のごちゃごちゃさはない。大使館があったりして落ち着いたエリアで…、本当にたまたまですが、とても良いエリアでした」 ――2012年のオープン当初、日本にはコーヒー文化は今のように根付いていなかったですよね。 小島さん「そうですね。ゆっくり、2、3年かけてやり続ける必要があると考えていました。実は僕自身もオスロに行って初めてコーヒーを飲んだときは、レモンを絞ったくらいに酸っぱく感じて嫌いでした(笑)。この国でやっていけないんじゃないかって不安になったくらいです。オーストラリア、特にシドニースタイルを軸に学んでいたので全然違うんですよ。イタリアに近いスタイルで、焙煎が深い。エスプレッソの液体が濃く、風味が爆発するような味で出口が決まっているんです。でもノルウェーは逆に浅煎りで、素材が持つ風味を表現しています。素材が良ければその風味を最大限に生かしたいという考え方で真逆だったので、受け入れるのに少し時間がかかりました。1、2ヶ月飲んでいるうちに自分の好きなものが段々わかってきたんです。どんどんおもしろくなって、のめり込んでいきましたね」 ――カフェを持ってくるにあたり、日本向けに工夫をしていったのでしょうか。 小島さん「いえ、せっかくノルウェーから持ってくるのだから、日本ぽくすることは絶対にしないと誓いを立てて始めました。オスロの日常を日本に持ってきたんです。日本だと、エアロプレスとか、コーヒーのブームがあってコーヒーが売れるようになりますよね。でも僕らはオスロと同じ時間の流れ方を届けたかった。例えば、入り口から入ってきたお客さまに丁寧に『オーダーはこちらです』って言うとすごく日本ぽくなる。オスロの人にそれは気持ち悪いって言われました(笑)」 ――サービスひとつ、ノルウェーのカフェそのままのリラックスした雰囲気を大事にしたんですね。 小島さん「はい。富ヶ谷の店は、僕ともう一人のスタッフが外でベンチに座っていて、お客さんが入ってきたら『こんにちは』と声をかけてどちらかが店内に入って作り出す。そんなリラックスしたオスロスタイルで始まりました。今思うと、そんなフグレンを表現する場所としては富ヶ谷しか考えられないですね。夜はオスロと同じようにバー営業もし、近くの小さな飲食店と行き来してもらっています。日本人にとってはこの時間の流れ方が非日常に写って、結果的に良かったと言われます」 ――今ではもちろんスタッフの方がベンチに座ってくつろぐ暇などなく、連日大賑わいの店舗となりましたね。最近小島さんが店頭に立つことはあるんですか? 小島さん「今はほとんどありません。新店舗オープン時に味を決めたり、スタッフに見せたりすることで現場に立つことはありますが、素材選びや運営に力を入れる立場です。前職でマネージャー業の経験から、ずっと現場にいたいという想いがありました。でもフグレンはどんどん拡大していくような企業でもなく、ゆっくり自分たちのペースでやっていますしね。あと、今の立場を受け入れたもう一つ理由があるとすると、コーヒーの生豆を買うときに、量を買わないと繋がりが作れないということ。コーヒーの味わいは生豆から焙煎をして決まります。だから、今の立場で、生豆を作る生産者と密な関係性を築いていきたいと思いました」 小島さん曰く、フグレントーキョーがオープンして時間をかけずに大人気店となったのは、雑誌「BRUTUS」でのノルウェー特集や韓国の有名俳優来店による聖地巡礼が後押ししたことも要因かもしれないが、やはり店が持つ独自のおしゃれさや働くスタッフの雰囲気によるところが大きいのではないか。派手なプロモーションをするわけではなく、私たちの生活の中には、何の違和感もなくこれまでもあったような佇まいで、いつの間にか存在していた。私たちの生活に寄り添い、いつでも美味しいコーヒーやお酒を温かい雰囲気の中で楽しめる店だ。LAFから歩いて2分。先日取材した「トランクホテル ヨヨギパーク」の斜め向かいという場所で、刺激し合う仲でありたいと願っていたところ…実は素敵な企画が実現したので、ここで少しお知らせを。 FUGLENオリジナルマグカップが完成! フグレンのオリジナルコーヒーカップをNIKKOが製作しました。 小島さん「シャープでおしゃれな形、フグレンのオリジナルカラーであるブルーがしっかりと再現されたカップが完成しました。色には一番こだわりましたね。オスロの始まりが1963年、そして東京が2012年。この年号は必ずカップに入れているデザインです。さすがNIKKOさん、薄さもすごいですよね。NIKKOのロゴを底に入れたのは、メイドインジャパンを伝えたいという考えで、オスロのオーナーも入れて欲しいと言っていたから。とても気に入っています。自宅で毎朝コーヒーを入れているのですが、これからはこのカップを使いたいです」 オスロのフグレンに飾られているスカンジナビア航空の古い世界地図に、今ではフグレンと言えば!となったブルーが使われていたのだそう。ここにも、世界を飛ぶという想いが込められているようだ。LAFでは、オリジナルギフトバッグに、オリジナルマグカップと、FUGLEN COFFEE ROASTERSのオリジナルドリップバッグ(5pcs)をセットにして数量限定で販売されることが決まりました。是非奥渋散歩でチェックしてみて!...

「OKUSHIBU ご近所トーク」 VOL.2:FUGLEN TOKYO(代表・小島賢治さん)

2024/05/20

LOST AND FOUND(以下LAF)に来たなら行くべき話題のご近所スポットに、エリアの魅力と自店の紹介をたっぷり話していただく連載。 自然に溢れながら、レストランやカフェ、アパレルや音楽、インテリア、アートなど…様々なカルチャーが心地よく交差する奥渋エリア。私たちがこの場所に店舗を構えたのは、自然の中で商業と住宅が混ざり合い、新旧のカルチャーが共存する独自の魅力を持った街だからです。ココに集うプロフェッショナルとエリアの魅力をとことん話してみよう、と奥渋愛とともに始まった連載をどうぞお楽しみください。 初回のトランクホテルに続き、第二回は東京のコーヒーシーンを代表する店舗「FUGLEN TOKYO」の代表、小島賢治さんにお話を伺いました。 フグレンはノルウェーの首都・オスロで始まったカフェ。小島さん曰く、「すごく小さなエリアに霞ヶ関と北海道のスキー場の両方が一緒にあるような」、中心部は歩いて回れるほどの小さな街です。 ――小島さんはコーヒーを学ぶためにオスロに行ったんですよね。 小島さん「はい。もともと飲食店でサービス業に従事していました。何か技術を身に付けたいと思ってコーヒーの世界に入り、日本のコーヒー事情を考えると海外に出ることが良いと思い、2010年にオスロへ行きました。当時オスロにいた日本人は珍しく、コーヒー業界に来た日本人は初めてだと言われたくらいです。たまたまフグレンが日本オープンに向けて動き始めようとしたところで見た日本人が僕だったから、タイミングで任せてもらえることになったのだと思います(笑)」 もちろん、絶大な信頼関係を築いた上での話だったのだと思うが…そもそもフグレンは、オスロのコーヒーと紅茶を売る店で話し上手のオウムが飼われており、常連客たちが「鳥カフェ」と名付けたのが始まりだそう。ノルウェー語で鳥を意味する「フグレン」がその店の名となった。そして2008年に今のオーナーが店を買い取り、世界中を飛ぶ渡り鳥のような会社にしたいということで、世界最長の距離を飛ぶという渡り鳥「アジサシ」がその象徴となったのだそう。港から港へと飛び、土地の良いものを吸収して次の土地へ行こうという想いが込められている。 ――世界へ羽ばたくということでその一つに日本が選ばれたわけですが、何かオーナーには想いがあったのでしょうか。 小島さん「そうですね。創業者が『2007年・バリスタ・チャンピオンシップ(世界最高峰のバリスタの競技大会)』のノルウェー代表として戦った場所が日本だったんです。日本でコーヒーが盛り上がり始めたんですよね。その時から彼の中では日本に可能性を感じ、早くから東京進出の目標を掲げていました。オスロ、東京、ニューヨークというゴールを持っていました」 ――私たちに日本人にとっては嬉しい話です。憧れの地、ニューヨークに加え、パリやミラノ、ロンドンではなく、東京が選ばれたんですね!そこから富ヶ谷という地はどのようにして決まったのでしょうか。 小島さん「オスロのフグレンの常連客の一人、日本人とノルウェー人のハーフの方が、『渋谷の外れに家があるのだけど、一度見てみないか』ということで物件を紹介してもらったんです。考えていた構想ではある程度の広さが必要だったのですが、あまりいい物件に巡り会えず、まずはここでスタートしてみようということになりました。と言っても、僕自身埼玉県出身、新宿のカフェで修行したものの東京の土地勘はほとんどなく、オスロのスタッフたちももちろん東京をあまり知らない。リサーチせずに決まった感じではありましたね。結果的に公園が近くて遊歩道もあり、渋谷から歩けるけど渋谷のごちゃごちゃさはない。大使館があったりして落ち着いたエリアで…、本当にたまたまですが、とても良いエリアでした」 ――2012年のオープン当初、日本にはコーヒー文化は今のように根付いていなかったですよね。 小島さん「そうですね。ゆっくり、2、3年かけてやり続ける必要があると考えていました。実は僕自身もオスロに行って初めてコーヒーを飲んだときは、レモンを絞ったくらいに酸っぱく感じて嫌いでした(笑)。この国でやっていけないんじゃないかって不安になったくらいです。オーストラリア、特にシドニースタイルを軸に学んでいたので全然違うんですよ。イタリアに近いスタイルで、焙煎が深い。エスプレッソの液体が濃く、風味が爆発するような味で出口が決まっているんです。でもノルウェーは逆に浅煎りで、素材が持つ風味を表現しています。素材が良ければその風味を最大限に生かしたいという考え方で真逆だったので、受け入れるのに少し時間がかかりました。1、2ヶ月飲んでいるうちに自分の好きなものが段々わかってきたんです。どんどんおもしろくなって、のめり込んでいきましたね」 ――カフェを持ってくるにあたり、日本向けに工夫をしていったのでしょうか。 小島さん「いえ、せっかくノルウェーから持ってくるのだから、日本ぽくすることは絶対にしないと誓いを立てて始めました。オスロの日常を日本に持ってきたんです。日本だと、エアロプレスとか、コーヒーのブームがあってコーヒーが売れるようになりますよね。でも僕らはオスロと同じ時間の流れ方を届けたかった。例えば、入り口から入ってきたお客さまに丁寧に『オーダーはこちらです』って言うとすごく日本ぽくなる。オスロの人にそれは気持ち悪いって言われました(笑)」 ――サービスひとつ、ノルウェーのカフェそのままのリラックスした雰囲気を大事にしたんですね。 小島さん「はい。富ヶ谷の店は、僕ともう一人のスタッフが外でベンチに座っていて、お客さんが入ってきたら『こんにちは』と声をかけてどちらかが店内に入って作り出す。そんなリラックスしたオスロスタイルで始まりました。今思うと、そんなフグレンを表現する場所としては富ヶ谷しか考えられないですね。夜はオスロと同じようにバー営業もし、近くの小さな飲食店と行き来してもらっています。日本人にとってはこの時間の流れ方が非日常に写って、結果的に良かったと言われます」 ――今ではもちろんスタッフの方がベンチに座ってくつろぐ暇などなく、連日大賑わいの店舗となりましたね。最近小島さんが店頭に立つことはあるんですか? 小島さん「今はほとんどありません。新店舗オープン時に味を決めたり、スタッフに見せたりすることで現場に立つことはありますが、素材選びや運営に力を入れる立場です。前職でマネージャー業の経験から、ずっと現場にいたいという想いがありました。でもフグレンはどんどん拡大していくような企業でもなく、ゆっくり自分たちのペースでやっていますしね。あと、今の立場を受け入れたもう一つ理由があるとすると、コーヒーの生豆を買うときに、量を買わないと繋がりが作れないということ。コーヒーの味わいは生豆から焙煎をして決まります。だから、今の立場で、生豆を作る生産者と密な関係性を築いていきたいと思いました」 小島さん曰く、フグレントーキョーがオープンして時間をかけずに大人気店となったのは、雑誌「BRUTUS」でのノルウェー特集や韓国の有名俳優来店による聖地巡礼が後押ししたことも要因かもしれないが、やはり店が持つ独自のおしゃれさや働くスタッフの雰囲気によるところが大きいのではないか。派手なプロモーションをするわけではなく、私たちの生活の中には、何の違和感もなくこれまでもあったような佇まいで、いつの間にか存在していた。私たちの生活に寄り添い、いつでも美味しいコーヒーやお酒を温かい雰囲気の中で楽しめる店だ。LAFから歩いて2分。先日取材した「トランクホテル ヨヨギパーク」の斜め向かいという場所で、刺激し合う仲でありたいと願っていたところ…実は素敵な企画が実現したので、ここで少しお知らせを。 FUGLENオリジナルマグカップが完成! フグレンのオリジナルコーヒーカップをNIKKOが製作しました。 小島さん「シャープでおしゃれな形、フグレンのオリジナルカラーであるブルーがしっかりと再現されたカップが完成しました。色には一番こだわりましたね。オスロの始まりが1963年、そして東京が2012年。この年号は必ずカップに入れているデザインです。さすがNIKKOさん、薄さもすごいですよね。NIKKOのロゴを底に入れたのは、メイドインジャパンを伝えたいという考えで、オスロのオーナーも入れて欲しいと言っていたから。とても気に入っています。自宅で毎朝コーヒーを入れているのですが、これからはこのカップを使いたいです」 オスロのフグレンに飾られているスカンジナビア航空の古い世界地図に、今ではフグレンと言えば!となったブルーが使われていたのだそう。ここにも、世界を飛ぶという想いが込められているようだ。LAFでは、オリジナルギフトバッグに、オリジナルマグカップと、FUGLEN COFFEE ROASTERSのオリジナルドリップバッグ(5pcs)をセットにして数量限定で販売されることが決まりました。是非奥渋散歩でチェックしてみて!...

料理家・冷水希三子さんと作る、牡蠣と菜の花のグラタン

料理家・冷水希三子さんと作る、牡蠣と菜の花のグラタン

2024/03/11

テーブルウエアシリーズ「REMASTERED FREEZER/OVEN」の発売を記念して、料理家・冷水希三子さんによる料理教室を開催しました。 メインメニューは寒い冬のご馳走、牡蠣と菜の花のグラタン。風合いのあるソフトな白さと洗練されたデザインが特徴の「ROUND GRATINDISH」に、焦げ目のついた熱々のグラタンが食卓を温かに包み込んでくれました。今回は特別にレシピをお届けします。 この日の主役は「ROUND GRATINDISH」。やさしい白さと、凛とした佇まいが大人気となっているグラタン皿です。一見小さいと思われる方もいるかもしれませんが、「見た目以上に材料がしっかりと入って、食べ応え抜群のグラタンを楽しめますよ」と冷水さん。さぁ、グラタン調理スタートです! (材料:3~4人分)牡蠣 200g、菜の花 150g、ゆりね 1/2株、ペンネ 40g、バター 40g、強力粉 40g、牛乳600ml、白ワイン 50ml、レモン皮 1/2個分、シュレッドチーズ 適量 (作り方) ①牡蠣を塩水でやさしく振り洗いした後、水で洗い流し、水気を拭く。鍋に牡蠣を入れ、白ワインを加えて強火にかけ、身に火が入ってふっくらするまで煮たら、牡蠣と煮汁を分ける。 *下処理をしないとベシャメルソースに牡蠣の水分が出てしまうので注意! ②菜の花は食べやすい長さに切り、さっと茹でて水気を切る。 ③ペンネは塩を入れた熱湯で茹で、茹で時間の1分ほど前にゆりねを加えて一緒に茹で上げる。 *グラタンの場合のペンネは固茹でではなく記載どおりに茹でるのがおすすめ! ④牡蠣の煮汁50mlを加えた牛乳を鍋で沸騰しない程度に温めておく。 ⑤鍋にバターを入れて中火にかけ、溶けたら強力粉を加えて混ぜながら火を通し、④を3~4回に分け入れながら練る。 *少しシャバシャバな状態で仕上げておくと、完成した時にとろっとクリーミーに! ⑤にペンネとレモン皮を加えて混ぜる。 *ペンネは先に混ぜて、穴の中までベシェメルソースをからませるのがおすすめ! ⑦グラタン皿に牡蠣、菜の花、ゆりねを入れて⑥を加えて、シュレッドチーズをのせたら200度に余熱したオーブンで10〜12分焼く。 料理が完成したら試食スタート!チーズの焦げた色が、より一層食欲をそそり、一口食べた瞬間に笑顔あふれる空間となりました。「一人用のサイズでシンプルなデザインはなかなかない」という感想をいただいたとおり、無駄のない美しいデザインで使いやすいグラタン皿。もちろん、REMASTEREDシリーズの象徴、バックスタンプが刻印され、リッチさも楽しんでいただけるはず。「他のREMASTEREDのシリーズと使い分けて楽しみたい」と、ご自宅での食卓を想像しながらの会話が弾みました。 実は冷水さんがグラタン以外にも彩り豊かな一品メニューを提案してくださいました。「COUP...

料理家・冷水希三子さんと作る、牡蠣と菜の花のグラタン

2024/03/11

テーブルウエアシリーズ「REMASTERED FREEZER/OVEN」の発売を記念して、料理家・冷水希三子さんによる料理教室を開催しました。 メインメニューは寒い冬のご馳走、牡蠣と菜の花のグラタン。風合いのあるソフトな白さと洗練されたデザインが特徴の「ROUND GRATINDISH」に、焦げ目のついた熱々のグラタンが食卓を温かに包み込んでくれました。今回は特別にレシピをお届けします。 この日の主役は「ROUND GRATINDISH」。やさしい白さと、凛とした佇まいが大人気となっているグラタン皿です。一見小さいと思われる方もいるかもしれませんが、「見た目以上に材料がしっかりと入って、食べ応え抜群のグラタンを楽しめますよ」と冷水さん。さぁ、グラタン調理スタートです! (材料:3~4人分)牡蠣 200g、菜の花 150g、ゆりね 1/2株、ペンネ 40g、バター 40g、強力粉 40g、牛乳600ml、白ワイン 50ml、レモン皮 1/2個分、シュレッドチーズ 適量 (作り方) ①牡蠣を塩水でやさしく振り洗いした後、水で洗い流し、水気を拭く。鍋に牡蠣を入れ、白ワインを加えて強火にかけ、身に火が入ってふっくらするまで煮たら、牡蠣と煮汁を分ける。 *下処理をしないとベシャメルソースに牡蠣の水分が出てしまうので注意! ②菜の花は食べやすい長さに切り、さっと茹でて水気を切る。 ③ペンネは塩を入れた熱湯で茹で、茹で時間の1分ほど前にゆりねを加えて一緒に茹で上げる。 *グラタンの場合のペンネは固茹でではなく記載どおりに茹でるのがおすすめ! ④牡蠣の煮汁50mlを加えた牛乳を鍋で沸騰しない程度に温めておく。 ⑤鍋にバターを入れて中火にかけ、溶けたら強力粉を加えて混ぜながら火を通し、④を3~4回に分け入れながら練る。 *少しシャバシャバな状態で仕上げておくと、完成した時にとろっとクリーミーに! ⑤にペンネとレモン皮を加えて混ぜる。 *ペンネは先に混ぜて、穴の中までベシェメルソースをからませるのがおすすめ! ⑦グラタン皿に牡蠣、菜の花、ゆりねを入れて⑥を加えて、シュレッドチーズをのせたら200度に余熱したオーブンで10〜12分焼く。 料理が完成したら試食スタート!チーズの焦げた色が、より一層食欲をそそり、一口食べた瞬間に笑顔あふれる空間となりました。「一人用のサイズでシンプルなデザインはなかなかない」という感想をいただいたとおり、無駄のない美しいデザインで使いやすいグラタン皿。もちろん、REMASTEREDシリーズの象徴、バックスタンプが刻印され、リッチさも楽しんでいただけるはず。「他のREMASTEREDのシリーズと使い分けて楽しみたい」と、ご自宅での食卓を想像しながらの会話が弾みました。 実は冷水さんがグラタン以外にも彩り豊かな一品メニューを提案してくださいました。「COUP...

行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル フードエッセイスト・フードディレクター平野紗季子編 

行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル フードエッセイスト・フードディレクター平野...

2024/03/07

時代を明るくリードしてくれる様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、なにかを選択する時の視点やこだわり、ものと向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 平野紗希子 1991年、福岡県生まれ。小学生の頃に家族と行ったレストランでの感動体験から食日記をつけ始め、大学在学中に日々の食生活を綴ったブログが話題となり、文筆活動をスタート。雑誌等の連載、ラジオやポッドキャスト番組のパーソナリティー、菓子ブランド「(NO)RAISIN SANDWICH」の代表を務めるなど多岐に渡り活躍中。 今回は特別にREMASETEREDの新商品「REMASETERED FREEZER・OVEN」シリーズのグラタン皿でBASE-CHICさんのラザニアを食べながら、食体験を伝える仕事について、そして食体験の中の1つの要素でもある「食器」についてなど、さまざまなものを選ぶときの基準について話を伺いました。 食体験の喜びを仕事に 行方:日本だけでなく海外も含め美味しいものを求めて飛びまわり、多忙な日々だと思います。紗希子ちゃんだけのかなり幅の広い、決まりのない独自の職業ですよね。お仕事になると考えて各地をまわっていたわけではないと思うのですが、食べることが仕事になると思っていましたか? 平野さん:全然!ただの食いしん坊で。もちろん、今もです。本当に食が好きなだけなんですよ。とにかく四六時中食べることを考えています。今は、お仕事になったなんてありがたいなぁって感じです(笑)。 行方:自分の好きなこと以外はやらないというスタンスかなって感じていました。 平野さん:え、なんかわがままな感じでしょうか……?(笑)大丈夫ですかね。 行方:いやいや、わがままじゃない(笑)好きなことをしている姿は本当に楽しそうに映るじゃないですか。いつも幸せそうなので、きっとそうなんだろうなと思って! 平野さん:それはよかった。大学生の時に食を仕事にしたいなと思って、父親に相談したところ「好きなことを仕事にすると、嘘をつかなくちゃいけなくなるよ。」と言われて。「おぉ!」と一瞬ひるみましたが、だったら「嘘をつかない」をテーマにやってみようと思って。結果として、ピュアな気持ちだけで仕事の循環は作れるんだと実感して今に至ります。 行方:嘘をつかなくちゃいけないような仕事は受けてないってことですよね! 平野さん:そうですね。本当に自分がいいなと思う世界を伝えたいですし、創りたいと思っています。行方さんもそうですよね?SNSで推したくないのに推してるものとか、ないイメージです。 行方:そうですね、好きな順位や優先順位はあるにしても、推したくないものはないですね。いつも好きなことが仕事になっているので、本当にありがたいです。でも、「もっととんがった発信をした方がいい。」とか「もっとジャンルを絞り込んだ方がいい。」とかアドバイスをもらうことも多いので、その度に少し立ち止まって考えてみたりすることもある(笑)。 平野さん:なるほど。そういうアドバイスってどんな方から言われるんですか? 行方:先輩的な人、とか? 平野さん:行方さんのお仕事って具体的な先輩っていらっしゃるんでしょうか。勝手ながら、ワンアンドオンリーなイメージです。 行方:なんとなく、いるような気がする(笑)。ファッションからライフスタイル系に移行された方々かな。私は食べることも大好きだし、工芸とアートも好き。作り手や生産者にも興味があるので、それを掛け合わせたことがしたいのですが、その時々の気持ちを大切にして、決めすぎず極めすぎず臨機応変にやっていきたいなと思っています。 平野さん:すてきですね。私も、食のブランドの経営やディレクションをしたり、その一方で執筆や音声コンテンツなどのストーリーテリングも大きな軸としてあって。仕事の範囲が多岐に渡るので、自分の可能性を狭めずに色々とトライしてみたいなと思っています。父親に「悩んだら緊張する方を選べ」と言われてきたのもあって、やったことのない新しいことでも挑戦していけたら。 行方:「悩んだら緊張する方を選べ」って、いいですね。紗希子ちゃんにしかできない独自ジャンルをどんどん突き進んで、その世界をシェアしてもらえたら!待ち望んでいる人がたくさんいると思います。 食体験の中の器 行方:紗希子ちゃんは、料理を盛る器には興味ありますか? 平野さん:ありますよー。私は特に日本料理が好きなのですが、やっぱり器ありきなんだなって思います。そのシーズンにしか出てこない器とかあるじゃないですか。魯山人の“日月椀”っていう器を、今までは写ししか見たことがなかったんですが、とある日本料理のお店で本物がカウンターに6つずらっと並んだんです。その様子があまりにも美しくて。使い込まれているので、器に描かれた月がかすれてきていて、かすれればかすれるほど夜空に浮かんだ月に雲がかかっているように見えて。経年美化というか使えば使うほど、本当の自然ににじり寄っていくものなのかもしれない。魯山人すごい……って感動しました。 行方:それは痺れる!日本料理のお店ってわかる客にしか良い器が出てこなかったりすると聞くので、少しずつ勉強しているけれど、なかなか本物を見る機会がないので、写真を見て思いを馳せてる(笑)。 平野さん:すごい世界ですよね、非言語ゾーンというか。簡単に説明されない膨大な情報量と歴史と文化と職人の技と想いと、その全てが器の中に!と考えると日本料理が一番おもしろいと思ってしまいます。 行方:食いしん坊と言うけれど、本当に食べるだけでなく空間も含め食の全てが好きなんですね!...

行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル フードエッセイスト・フードディレクター平野...

2024/03/07

時代を明るくリードしてくれる様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、なにかを選択する時の視点やこだわり、ものと向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 平野紗希子 1991年、福岡県生まれ。小学生の頃に家族と行ったレストランでの感動体験から食日記をつけ始め、大学在学中に日々の食生活を綴ったブログが話題となり、文筆活動をスタート。雑誌等の連載、ラジオやポッドキャスト番組のパーソナリティー、菓子ブランド「(NO)RAISIN SANDWICH」の代表を務めるなど多岐に渡り活躍中。 今回は特別にREMASETEREDの新商品「REMASETERED FREEZER・OVEN」シリーズのグラタン皿でBASE-CHICさんのラザニアを食べながら、食体験を伝える仕事について、そして食体験の中の1つの要素でもある「食器」についてなど、さまざまなものを選ぶときの基準について話を伺いました。 食体験の喜びを仕事に 行方:日本だけでなく海外も含め美味しいものを求めて飛びまわり、多忙な日々だと思います。紗希子ちゃんだけのかなり幅の広い、決まりのない独自の職業ですよね。お仕事になると考えて各地をまわっていたわけではないと思うのですが、食べることが仕事になると思っていましたか? 平野さん:全然!ただの食いしん坊で。もちろん、今もです。本当に食が好きなだけなんですよ。とにかく四六時中食べることを考えています。今は、お仕事になったなんてありがたいなぁって感じです(笑)。 行方:自分の好きなこと以外はやらないというスタンスかなって感じていました。 平野さん:え、なんかわがままな感じでしょうか……?(笑)大丈夫ですかね。 行方:いやいや、わがままじゃない(笑)好きなことをしている姿は本当に楽しそうに映るじゃないですか。いつも幸せそうなので、きっとそうなんだろうなと思って! 平野さん:それはよかった。大学生の時に食を仕事にしたいなと思って、父親に相談したところ「好きなことを仕事にすると、嘘をつかなくちゃいけなくなるよ。」と言われて。「おぉ!」と一瞬ひるみましたが、だったら「嘘をつかない」をテーマにやってみようと思って。結果として、ピュアな気持ちだけで仕事の循環は作れるんだと実感して今に至ります。 行方:嘘をつかなくちゃいけないような仕事は受けてないってことですよね! 平野さん:そうですね。本当に自分がいいなと思う世界を伝えたいですし、創りたいと思っています。行方さんもそうですよね?SNSで推したくないのに推してるものとか、ないイメージです。 行方:そうですね、好きな順位や優先順位はあるにしても、推したくないものはないですね。いつも好きなことが仕事になっているので、本当にありがたいです。でも、「もっととんがった発信をした方がいい。」とか「もっとジャンルを絞り込んだ方がいい。」とかアドバイスをもらうことも多いので、その度に少し立ち止まって考えてみたりすることもある(笑)。 平野さん:なるほど。そういうアドバイスってどんな方から言われるんですか? 行方:先輩的な人、とか? 平野さん:行方さんのお仕事って具体的な先輩っていらっしゃるんでしょうか。勝手ながら、ワンアンドオンリーなイメージです。 行方:なんとなく、いるような気がする(笑)。ファッションからライフスタイル系に移行された方々かな。私は食べることも大好きだし、工芸とアートも好き。作り手や生産者にも興味があるので、それを掛け合わせたことがしたいのですが、その時々の気持ちを大切にして、決めすぎず極めすぎず臨機応変にやっていきたいなと思っています。 平野さん:すてきですね。私も、食のブランドの経営やディレクションをしたり、その一方で執筆や音声コンテンツなどのストーリーテリングも大きな軸としてあって。仕事の範囲が多岐に渡るので、自分の可能性を狭めずに色々とトライしてみたいなと思っています。父親に「悩んだら緊張する方を選べ」と言われてきたのもあって、やったことのない新しいことでも挑戦していけたら。 行方:「悩んだら緊張する方を選べ」って、いいですね。紗希子ちゃんにしかできない独自ジャンルをどんどん突き進んで、その世界をシェアしてもらえたら!待ち望んでいる人がたくさんいると思います。 食体験の中の器 行方:紗希子ちゃんは、料理を盛る器には興味ありますか? 平野さん:ありますよー。私は特に日本料理が好きなのですが、やっぱり器ありきなんだなって思います。そのシーズンにしか出てこない器とかあるじゃないですか。魯山人の“日月椀”っていう器を、今までは写ししか見たことがなかったんですが、とある日本料理のお店で本物がカウンターに6つずらっと並んだんです。その様子があまりにも美しくて。使い込まれているので、器に描かれた月がかすれてきていて、かすれればかすれるほど夜空に浮かんだ月に雲がかかっているように見えて。経年美化というか使えば使うほど、本当の自然ににじり寄っていくものなのかもしれない。魯山人すごい……って感動しました。 行方:それは痺れる!日本料理のお店ってわかる客にしか良い器が出てこなかったりすると聞くので、少しずつ勉強しているけれど、なかなか本物を見る機会がないので、写真を見て思いを馳せてる(笑)。 平野さん:すごい世界ですよね、非言語ゾーンというか。簡単に説明されない膨大な情報量と歴史と文化と職人の技と想いと、その全てが器の中に!と考えると日本料理が一番おもしろいと思ってしまいます。 行方:食いしん坊と言うけれど、本当に食べるだけでなく空間も含め食の全てが好きなんですね!...

小林和人が選んだもの 「カトラリーの話」

小林和人が選んだもの 「カトラリーの話」

2024/02/05

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、カトラリーについてです。 TPOに合わせたカトラリー選び 小林さん:カトラリー選びにもTPOがあって良いのではないかと思います。一般的に身に纏うものに関してはドレスコードを気にするじゃないですか。ディナーに行くときはジャケット、ビジネスではスーツにネクタイ、休日は犬の散歩で3本ラインのジャージ上下にポークパイハット、日差しが強ければカザールを取り出して…、場所や時間、状況によって身につけるものを変えるように、カトラリーも使い分けたら楽しいと思うんですよね。 意外と知らないカトラリーの歴史 小林さん:カトラリーの歴史を紐解くと、最も早くテーブルに登場したのは、スプーンでもフォークでもなく、ナイフだったそうです。ナイフの先が尖っていて、突き刺して食べていたのだそう。前にテレビで見たのですが、「ナイフの先が丸くなったのはなぜでしょう」というお題があったんです。時は17世紀、食事の後に爪楊枝のようにナイフで歯の掃除をしだす人々を見兼ねたルイ13世の宰相だったリシュリュー枢機卿が、「ナイフの先は丸くしろ!」と言ったのが有力な説(笑)。そうしてナイフが丸くなり、一方でスプーンやフォークが加わって…今のカトラリーの姿に収斂されていったという流れを想像すると、またロマンが止まらないですね。 ハレのカトラリー 小林さん:そこで最初に紹介したいのが、「BROGGI(ブロッジ)」というシリーズで、言うなればカトラリーの原型のような、クラシックなラインです。何かと華美になりすぎるきらいがあるカトラリーですが、それはそれで辿ってきた歴史を示しているかもしれないし、装飾的なテーブルを彩る役割を果たすかもしれません。でも僕はこのクラシックな面影を残しつつ、必要最低限の要素でできている、所謂フォークらしいフォーク、スプーンらしいスプーン、ナイフらしいナイフという佇まいがやっぱり好きですし、現行のもので探しても意外に見つからないんです。記念日にテーブルクロスを引いて、ボーンチャイナのREMASTEREDや、ちょっといいワイングラスを並べた特別な食事に良いと思います。そこから「花を飾ろうかな」「せっかくだからブラインドも掃除しようかな」(もちろんそんな時はレデッカーのブラシを使って!)…、といった、気分を高めていくひとつひとつの小さな儀式が、カトラリーを起点として広がっていくとしたらいいですよね。以前ある方から、娘さんのために毎年一本ずつちょっと良いカトラリーをプレゼントしているという話を聞いたのですが、素敵ですよね。一度に全てを揃えるのは大変ですが、良いものを毎年1本ずつ増やしていくという、ブロッジはそんな”ハレ“のカトラリーです。 家庭のメインカトラリー 小林さん:次に紹介するのは、ドイツ「PICARD&WIELPUTZ(ピカード ヴィールプッツ)」というブランドの「カリスマ」シリーズ。ドイツというと質実剛健なイメージがありますが、これはちょっと優美な印象を受けます。ステンレスでできていて手頃な価格です。 華やかさもありつつデイリーに使える位置付けですかね。ディナーと言っても、仲間と和やかに会話を楽しむ食事のイメージ。家庭のメインカトラリーとしても良いと思います。余談ですが、90年代にCharizma(カリズマ)というラッパーがいて、DJのPeanut Butter Wolf(ピーナッツ・バター・ウルフ)とコンビを組んでいたんですよ。このカリスマシリーズのナイフでピーナッツバターを塗ったトーストを味わいながら、ヒップホップが一番輝いていた頃に想いを馳せながらむせび泣くのも一興かもしれません。 朝昼の日常カトラリー 小林さん:最後に紹介するのは「MEPRA(メプラ)」というイタリアのメーカーの「ストッコルマ」というシリーズ。指紋や傷が目立ちづらいサテン仕上げを選んでいます。 日々の朝食、或いはカフェやダイナーで気兼ねなく使えるもの。手頃な価格でありながら、厚みがあって、持ったときの程よい重量感が気に入っています。一人暮らしを始める若者の初めてのカトラリーにも良いかもしれないですね。 人生において、家で食事をすることが一番多いはず。ならばその時間を彩ることを、思い切り楽しみたいものですよね。”TPOに合わせたカトラリー選び“、何とも豊かな時間だとは思いませんか? 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by...

小林和人が選んだもの 「カトラリーの話」

2024/02/05

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、カトラリーについてです。 TPOに合わせたカトラリー選び 小林さん:カトラリー選びにもTPOがあって良いのではないかと思います。一般的に身に纏うものに関してはドレスコードを気にするじゃないですか。ディナーに行くときはジャケット、ビジネスではスーツにネクタイ、休日は犬の散歩で3本ラインのジャージ上下にポークパイハット、日差しが強ければカザールを取り出して…、場所や時間、状況によって身につけるものを変えるように、カトラリーも使い分けたら楽しいと思うんですよね。 意外と知らないカトラリーの歴史 小林さん:カトラリーの歴史を紐解くと、最も早くテーブルに登場したのは、スプーンでもフォークでもなく、ナイフだったそうです。ナイフの先が尖っていて、突き刺して食べていたのだそう。前にテレビで見たのですが、「ナイフの先が丸くなったのはなぜでしょう」というお題があったんです。時は17世紀、食事の後に爪楊枝のようにナイフで歯の掃除をしだす人々を見兼ねたルイ13世の宰相だったリシュリュー枢機卿が、「ナイフの先は丸くしろ!」と言ったのが有力な説(笑)。そうしてナイフが丸くなり、一方でスプーンやフォークが加わって…今のカトラリーの姿に収斂されていったという流れを想像すると、またロマンが止まらないですね。 ハレのカトラリー 小林さん:そこで最初に紹介したいのが、「BROGGI(ブロッジ)」というシリーズで、言うなればカトラリーの原型のような、クラシックなラインです。何かと華美になりすぎるきらいがあるカトラリーですが、それはそれで辿ってきた歴史を示しているかもしれないし、装飾的なテーブルを彩る役割を果たすかもしれません。でも僕はこのクラシックな面影を残しつつ、必要最低限の要素でできている、所謂フォークらしいフォーク、スプーンらしいスプーン、ナイフらしいナイフという佇まいがやっぱり好きですし、現行のもので探しても意外に見つからないんです。記念日にテーブルクロスを引いて、ボーンチャイナのREMASTEREDや、ちょっといいワイングラスを並べた特別な食事に良いと思います。そこから「花を飾ろうかな」「せっかくだからブラインドも掃除しようかな」(もちろんそんな時はレデッカーのブラシを使って!)…、といった、気分を高めていくひとつひとつの小さな儀式が、カトラリーを起点として広がっていくとしたらいいですよね。以前ある方から、娘さんのために毎年一本ずつちょっと良いカトラリーをプレゼントしているという話を聞いたのですが、素敵ですよね。一度に全てを揃えるのは大変ですが、良いものを毎年1本ずつ増やしていくという、ブロッジはそんな”ハレ“のカトラリーです。 家庭のメインカトラリー 小林さん:次に紹介するのは、ドイツ「PICARD&WIELPUTZ(ピカード ヴィールプッツ)」というブランドの「カリスマ」シリーズ。ドイツというと質実剛健なイメージがありますが、これはちょっと優美な印象を受けます。ステンレスでできていて手頃な価格です。 華やかさもありつつデイリーに使える位置付けですかね。ディナーと言っても、仲間と和やかに会話を楽しむ食事のイメージ。家庭のメインカトラリーとしても良いと思います。余談ですが、90年代にCharizma(カリズマ)というラッパーがいて、DJのPeanut Butter Wolf(ピーナッツ・バター・ウルフ)とコンビを組んでいたんですよ。このカリスマシリーズのナイフでピーナッツバターを塗ったトーストを味わいながら、ヒップホップが一番輝いていた頃に想いを馳せながらむせび泣くのも一興かもしれません。 朝昼の日常カトラリー 小林さん:最後に紹介するのは「MEPRA(メプラ)」というイタリアのメーカーの「ストッコルマ」というシリーズ。指紋や傷が目立ちづらいサテン仕上げを選んでいます。 日々の朝食、或いはカフェやダイナーで気兼ねなく使えるもの。手頃な価格でありながら、厚みがあって、持ったときの程よい重量感が気に入っています。一人暮らしを始める若者の初めてのカトラリーにも良いかもしれないですね。 人生において、家で食事をすることが一番多いはず。ならばその時間を彩ることを、思い切り楽しみたいものですよね。”TPOに合わせたカトラリー選び“、何とも豊かな時間だとは思いませんか? 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by...

LOST AND FOUND「飲食店のUTSUWA  Vol.3. 夜台所BASE-CHIC」

LOST AND FOUND「飲食店のUTSUWA Vol.3. 夜台所BASE-CHIC」

2024/01/30

NIKKOとさまざまな取り組みをご一緒している飲食店のプロフェッショナルたちの器選びのこだわりや、器に盛り付ける一品にかけた想いなど、店舗紹介とともに心ゆくまで話していただく連載「飲食店のUTSUWA」も3回目となりました。 今回伺った「夜台所 BASE-CHIC」は、JR恵比寿駅から白金方面に歩いて10分程度の静かな路地に佇む隠れ家のような雰囲気のお店。ワインボトルがぎっしりと並んだカウンター16席とカップルに人気の角の2人席が1つのこぢんまりとした店内で、ジャンルレスな無国籍な料理がいただけます。自家製サワーとナチュールワインが豊富で、ビストロのようでも居酒屋のようでもあり、1人でふらっと立ち寄るのにもデートにも、様々なシチュエーションに対応してくれそう。オーナーシェフの中山耕三さんに詳しくお話を聞いていきます。 コンセプトは台所 店名にもある“夜台所”とは美味しい台所(キッチン)、いわゆるホームパーティの延長のような感じだそう。日常的に美味しいものを、枠にとらわれずに気兼ねなく楽しんでもらえたらと言う中山さんの想いが込められています。 「お家でのごはんやホームパーティって、ひとつのジャンルの料理だけでまとめるんじゃなくて、様々なものがうまく取り込まれて空気感ができているじゃないですか。中華料理があって、でもパスタがあったり。あまり決め事もなく気軽な感じではありますが、メニュー同士の調和が取れるような仕上がりにしています。ふらりと寄ってもらって、好きなものをつまみながら1,2杯飲んでもらったら嬉しいですね。」 看板メニューは水餃子、これが1番人気なんだそう。はじめての方は絶対と言っていいほど注文するという水餃子は、常時3種類あり、1種類2個から好きな個数を頼めるのも人気の理由の1つ。この日は、豚と蓮根に焦がし生姜味噌だれ、海老とディル、ラムとスパイスに自家製レモン醤油だれというバリエーション。NIKKOの取り皿に分けて、仲間と茹でたて熱々をハフハフしながらいただきたい一品です。 無国籍メニューに合う取り皿、オーバル皿 そして、もうひとつのシグニチャーメニューは特製黒糖黒酢角煮です。調理に入ると、甘酸っぱくなんとも言えない香りが店内中に立ち込め、誰かが注文するとみんなが食べたくなる衝動に駆られます。 「酢豚ください!と言われることもあるのですが、これは角煮なんです。このタレはうなぎ屋のタレのように、創業からずっと継ぎ足しながら作っています。創業6年になるので、もう6年間越しのタレですね。」 こちらのお店をオープンする前は新宿で12年ほどビストロを運営していて、ビストロメニューだけを作ることに飽きてしまったので、食べたいものを作る無国籍スタイルにしたそうなのですが、デザートまで網羅するメニュー数に驚きです。メニューを見ただけではどんな料理なのか想像できないものが多いのも楽しみのひとつです。パンも自家製で、毎日焼いているというこだわりよう。予約をしておけば、お持ち帰りも可能です。 様々な料理の取り皿として、REMASRTERED オーバル21を使用していただいています。白くて薄めのオーバル型の皿を探していた時に、百貨店の催事で見つけて採用に至ったそう。 「ラウンドは洋食っぽくなりすぎるのでオーバル型が良いなと思っていました。そして食洗機にも耐えられる丈夫な磁器がよかったんです。前から使っているお皿は柄物や色物が多いので、取り皿を白にすることでテーブルの上がまとまるなと思っていたんです。リムの幅も厚さも本当にちょうどいい!理想の皿を見つけました。」 2,3人で分けてちょうど良いメニューが多いので、NIKKOの取り皿が大活躍!透明感のある白い器は、様々な素材を用いて作られた中山さんの創作料理がさらに映えます。 さらに広がる台所 様々な食の方々とのコラボイベントをはじめ、料理教室なども意欲的に開催されている中山さんですが、ケータリングとお弁当は特に力を入れているそう。 「オープンして半年くらいの時期lに、雑誌の編集をしている友人が『お弁当やケータリングもやってよ!』と半ば強引に注文をくれたのがきっかけなんです。そこからアパレルやメディアに少しずつ広まって需要が大きくなってきました。合計で8.250円以上だったらいくつからでも作ります。ケータリングは28.000円からで、お弁当と共に3日前から対応しています。店舗のインスタグラムでオーダー対応していたのですが、コロナ禍をきっかけに専用のインスタアカウント立ち上げました。」 様々な料理を作れる中山さんだからこそ、お弁当もバラエティに富んでいて楽しみです。ぜひ、弁当専用アカウント(https://www.instagram.com/bentobasechic/)で彩り鮮やかなお弁当やケータリングをぜひチェックしてください。 <店舗情報>夜台所 BASE-CHIC住所:渋谷区恵比寿2-9-1電話番号:03-6277-1902営業時間: 平日 18:30〜24:00 / 土 16:00~22:00定休日: 日祝 <記事内紹介商品> Interview &...

LOST AND FOUND「飲食店のUTSUWA Vol.3. 夜台所BASE-CHIC」

2024/01/30

NIKKOとさまざまな取り組みをご一緒している飲食店のプロフェッショナルたちの器選びのこだわりや、器に盛り付ける一品にかけた想いなど、店舗紹介とともに心ゆくまで話していただく連載「飲食店のUTSUWA」も3回目となりました。 今回伺った「夜台所 BASE-CHIC」は、JR恵比寿駅から白金方面に歩いて10分程度の静かな路地に佇む隠れ家のような雰囲気のお店。ワインボトルがぎっしりと並んだカウンター16席とカップルに人気の角の2人席が1つのこぢんまりとした店内で、ジャンルレスな無国籍な料理がいただけます。自家製サワーとナチュールワインが豊富で、ビストロのようでも居酒屋のようでもあり、1人でふらっと立ち寄るのにもデートにも、様々なシチュエーションに対応してくれそう。オーナーシェフの中山耕三さんに詳しくお話を聞いていきます。 コンセプトは台所 店名にもある“夜台所”とは美味しい台所(キッチン)、いわゆるホームパーティの延長のような感じだそう。日常的に美味しいものを、枠にとらわれずに気兼ねなく楽しんでもらえたらと言う中山さんの想いが込められています。 「お家でのごはんやホームパーティって、ひとつのジャンルの料理だけでまとめるんじゃなくて、様々なものがうまく取り込まれて空気感ができているじゃないですか。中華料理があって、でもパスタがあったり。あまり決め事もなく気軽な感じではありますが、メニュー同士の調和が取れるような仕上がりにしています。ふらりと寄ってもらって、好きなものをつまみながら1,2杯飲んでもらったら嬉しいですね。」 看板メニューは水餃子、これが1番人気なんだそう。はじめての方は絶対と言っていいほど注文するという水餃子は、常時3種類あり、1種類2個から好きな個数を頼めるのも人気の理由の1つ。この日は、豚と蓮根に焦がし生姜味噌だれ、海老とディル、ラムとスパイスに自家製レモン醤油だれというバリエーション。NIKKOの取り皿に分けて、仲間と茹でたて熱々をハフハフしながらいただきたい一品です。 無国籍メニューに合う取り皿、オーバル皿 そして、もうひとつのシグニチャーメニューは特製黒糖黒酢角煮です。調理に入ると、甘酸っぱくなんとも言えない香りが店内中に立ち込め、誰かが注文するとみんなが食べたくなる衝動に駆られます。 「酢豚ください!と言われることもあるのですが、これは角煮なんです。このタレはうなぎ屋のタレのように、創業からずっと継ぎ足しながら作っています。創業6年になるので、もう6年間越しのタレですね。」 こちらのお店をオープンする前は新宿で12年ほどビストロを運営していて、ビストロメニューだけを作ることに飽きてしまったので、食べたいものを作る無国籍スタイルにしたそうなのですが、デザートまで網羅するメニュー数に驚きです。メニューを見ただけではどんな料理なのか想像できないものが多いのも楽しみのひとつです。パンも自家製で、毎日焼いているというこだわりよう。予約をしておけば、お持ち帰りも可能です。 様々な料理の取り皿として、REMASRTERED オーバル21を使用していただいています。白くて薄めのオーバル型の皿を探していた時に、百貨店の催事で見つけて採用に至ったそう。 「ラウンドは洋食っぽくなりすぎるのでオーバル型が良いなと思っていました。そして食洗機にも耐えられる丈夫な磁器がよかったんです。前から使っているお皿は柄物や色物が多いので、取り皿を白にすることでテーブルの上がまとまるなと思っていたんです。リムの幅も厚さも本当にちょうどいい!理想の皿を見つけました。」 2,3人で分けてちょうど良いメニューが多いので、NIKKOの取り皿が大活躍!透明感のある白い器は、様々な素材を用いて作られた中山さんの創作料理がさらに映えます。 さらに広がる台所 様々な食の方々とのコラボイベントをはじめ、料理教室なども意欲的に開催されている中山さんですが、ケータリングとお弁当は特に力を入れているそう。 「オープンして半年くらいの時期lに、雑誌の編集をしている友人が『お弁当やケータリングもやってよ!』と半ば強引に注文をくれたのがきっかけなんです。そこからアパレルやメディアに少しずつ広まって需要が大きくなってきました。合計で8.250円以上だったらいくつからでも作ります。ケータリングは28.000円からで、お弁当と共に3日前から対応しています。店舗のインスタグラムでオーダー対応していたのですが、コロナ禍をきっかけに専用のインスタアカウント立ち上げました。」 様々な料理を作れる中山さんだからこそ、お弁当もバラエティに富んでいて楽しみです。ぜひ、弁当専用アカウント(https://www.instagram.com/bentobasechic/)で彩り鮮やかなお弁当やケータリングをぜひチェックしてください。 <店舗情報>夜台所 BASE-CHIC住所:渋谷区恵比寿2-9-1電話番号:03-6277-1902営業時間: 平日 18:30〜24:00 / 土 16:00~22:00定休日: 日祝 <記事内紹介商品> Interview &...

オープン2周年記念 NIKKO三谷直輝×小林和人さん対談 「LOST AND FOUNDのこれまでとこれからと」

オープン2周年記念 NIKKO三谷直輝×小林和人さん対談 「LOST AND FOUNDのこれ...

2023/12/27

オープン2周年を記念して、LOST AND FOUND立上げのプロジェクトリーダー NIKKO三谷専務が熱望して叶った、小林和人さんとの対談をお届けします。LOST AND FOUNDラバーは必読!オープン秘話からこれからやりたいことまで、盛りだくさんの長編です。 “皮肉まじり”のコンセプト!? 小林さん:実はこうやって対談するのは初めてなんですよね。直輝さん、2周年おめでとうございます! NIKKO三谷:ありがとうございます!LOST AND FOUNDというブランドがどう始まったのかという話からすると…100年続くNIKKOという洋食器メーカーのモノはいいと、僕を含めて社員は自負していました。でもそれがなかなか世の中に伝わっていない、伝わりづらいと感じており、どう広めていけばいいのか、と考えたことからスタートしました。そこでトランジットジェネラルオフィスに、「もっと人が来たくなるようなショールームにしたい」と相談しました。最終的にはショールームではなく、ジェネラルストアを作ることになったわけですが、NIKKOの“モノはいいけど埋もれてしまっている、知られていない”という部分に注目し、コンセプトを考えました。そういうものって世の中にはもっとたくさんあるはずだという話になり、「忘れ物保管所」というコンセプトが浮かび上がってきたんです。だからある意味自分たちを皮肉まじりに表現した、逆手に取ったコンセプトなんですよね。 アイテム選びは、二重のずらし NIKKO三谷:実際にジェネラルストアを作ることになり、まずセレクターの方をセレクトするということになりました。何人かいた候補の中でも、小林さんの物に対する知見や想いがどうやらすごそうだと。そこで東京本社に来ていただいたんですよね。NIKKOのことをご存知だったこと、そして我々がやりたいことをかなり汲み取っていただいたことがとても嬉しかったです。 小林さん:最初に話をいただいたとき、社名は伏せられ、日本の歴史ある洋食器メーカーだと聞かされていたのですが、NIKKOであることをお聞きして嬉しかったです。実はNIKKOの製品というのは日々触れていたんですよ。「Roundabout」で取扱いのある柳宗理ボーンチャイナシリーズや、2000年代初頭にマーク・ニューソンがデザインしたIDEEのmudシリーズのTea MasterもNIKKO製だという認識もあったので、品質的には間違いない中で、名だたるデザイナーたちの厳しい要望にも答えてきたという実績も伺い知っていました。日本のデザイン史の中で重要な位置を占めている企業のうちの一つであるという印象でした。そういう長い歴史を持ったメーカーと一緒に仕事ができるというのは嬉しいことでしたね。 NIKKO三谷:品質的な部分を評価いただくことはあっても、実はデザイン面でのフィードバックはなかなかいただけないんですよね。小林さんに評価いただき、その後大量のリストを見た時、正直よく分からなかったのですが、話を聞くと「めっちゃすごそう!」ってワクワクしてきました。長く使える日用品ですから、見た目は奇抜なものではないんですけどね。 小林さん:まさに。パッと見た印象は派手ではないけど、背景を紐解いていくことでじんわり伝わる様な、それこそNIKKOの製品と通じる価値があるものを探しました。でもね、これがやっぱり大変でしたね。いいものは大体知られている中で、少し視点をずらしたときに光を持っているか、なおかつ私がやっている店とも丸かぶりしないよう、自分の中の制約もあったので。王道とずらし、自分の普段のセレクトともずらすという“二重のずらし”を課してセレクトするのはなかなか大変でした。でもその視点で世の中を見回すと、これまでと違った景色があって新鮮でしたね。 NIKKO三谷:オープンまですごくバタバタと大変なスケジュールでしたよね(笑)。 小林さん:確か2020年末に打診いただき、実際に動き出したのは2021年に入ってからでしたよね。6月にはECサイトが、11月には実店舗がオープンというスケジュールで奔走して(笑)。2021年は自分にとって“NIKKO YEAR”でした。 NIKKO三谷:ジェネラルストアなので、物がたくさんあるというのが重要ですし、細かい話、購買ルートは大変でしたね。バックヤードはかなり小林さん頼りでした。最初のメンバーは小林さんに何度も怒られたし! 小林さん:オープンまでは何回もブチ切れましたね(笑)。でもモットーとしては溜めずにその場ですぐに言うことです! 別の場所に導いてくれる、モノの力 小林さん:実際に全ての物がお店に並んだときは嬉しかったですね。 NIKKO三谷:感動しましたね。最初に小林さんが商品を説明してくださったのですが、今まで買ったことがないようなニッチなアイテムばかりなんですよ。木製のレモンスクイザー(ALESSI)を見て、「これでレモンを絞ってレモンサワーを飲みたいな」と思い、こんな考えは今までにない経験でした。レモンサワーを飲みたいからレモンスクイザーを買うのではなく、レモンスクイザーが欲しいからレモンサワーを飲むという、モノが導いてくれることがあるんだということに驚きました。 小林さん:モノが別の場所にいざなってくれる、これが良いモノの持つ力だと思っています。使い勝手のよさ、耐久性のよさというのは、根底としてクリアしておかなければいけないところですが、プラスして、モノを起点にいろんな情景が浮かんだり、気持ちが動くというのも、また別の、モノの働きなのかなと。 NIKKO三谷:100種類以上ものブラシは顕著ですよね。こんな用途のブラシがあるんだといつも驚きます。「ここを掃除したいからブラシを買う」ではなく、「このブラシを買ったからにはここを掃除したい!」と思わせてくれます。 小林さん:その感想は嬉しいですね。 NIKKO三谷:実際に多くの方から良いセレクトだと言って頂き、僕も嬉しいです。他のセレクトショップとは違う店にしていただいたと思っています。お客様がさらに別の角度から見てくれたりもして、またモノが光を浴び、モノの価値がどんどん上がっていける店だと思います。 小林さん:使い手が新たな見立てをしてくれて、そこでモノの価値をさらに高めてくれる、余白のようなものも、いいモノの側面なのかなと思いますね。セレクトするときの意識としては、果物を手摘みしているようなイメージなんです。機械にかけて果物をゆさゆさゆさ〜と落とすのではなくて、一つずつ選びながら自分の手で摘んでいく意識で選んでいます。...

オープン2周年記念 NIKKO三谷直輝×小林和人さん対談 「LOST AND FOUNDのこれ...

2023/12/27

オープン2周年を記念して、LOST AND FOUND立上げのプロジェクトリーダー NIKKO三谷専務が熱望して叶った、小林和人さんとの対談をお届けします。LOST AND FOUNDラバーは必読!オープン秘話からこれからやりたいことまで、盛りだくさんの長編です。 “皮肉まじり”のコンセプト!? 小林さん:実はこうやって対談するのは初めてなんですよね。直輝さん、2周年おめでとうございます! NIKKO三谷:ありがとうございます!LOST AND FOUNDというブランドがどう始まったのかという話からすると…100年続くNIKKOという洋食器メーカーのモノはいいと、僕を含めて社員は自負していました。でもそれがなかなか世の中に伝わっていない、伝わりづらいと感じており、どう広めていけばいいのか、と考えたことからスタートしました。そこでトランジットジェネラルオフィスに、「もっと人が来たくなるようなショールームにしたい」と相談しました。最終的にはショールームではなく、ジェネラルストアを作ることになったわけですが、NIKKOの“モノはいいけど埋もれてしまっている、知られていない”という部分に注目し、コンセプトを考えました。そういうものって世の中にはもっとたくさんあるはずだという話になり、「忘れ物保管所」というコンセプトが浮かび上がってきたんです。だからある意味自分たちを皮肉まじりに表現した、逆手に取ったコンセプトなんですよね。 アイテム選びは、二重のずらし NIKKO三谷:実際にジェネラルストアを作ることになり、まずセレクターの方をセレクトするということになりました。何人かいた候補の中でも、小林さんの物に対する知見や想いがどうやらすごそうだと。そこで東京本社に来ていただいたんですよね。NIKKOのことをご存知だったこと、そして我々がやりたいことをかなり汲み取っていただいたことがとても嬉しかったです。 小林さん:最初に話をいただいたとき、社名は伏せられ、日本の歴史ある洋食器メーカーだと聞かされていたのですが、NIKKOであることをお聞きして嬉しかったです。実はNIKKOの製品というのは日々触れていたんですよ。「Roundabout」で取扱いのある柳宗理ボーンチャイナシリーズや、2000年代初頭にマーク・ニューソンがデザインしたIDEEのmudシリーズのTea MasterもNIKKO製だという認識もあったので、品質的には間違いない中で、名だたるデザイナーたちの厳しい要望にも答えてきたという実績も伺い知っていました。日本のデザイン史の中で重要な位置を占めている企業のうちの一つであるという印象でした。そういう長い歴史を持ったメーカーと一緒に仕事ができるというのは嬉しいことでしたね。 NIKKO三谷:品質的な部分を評価いただくことはあっても、実はデザイン面でのフィードバックはなかなかいただけないんですよね。小林さんに評価いただき、その後大量のリストを見た時、正直よく分からなかったのですが、話を聞くと「めっちゃすごそう!」ってワクワクしてきました。長く使える日用品ですから、見た目は奇抜なものではないんですけどね。 小林さん:まさに。パッと見た印象は派手ではないけど、背景を紐解いていくことでじんわり伝わる様な、それこそNIKKOの製品と通じる価値があるものを探しました。でもね、これがやっぱり大変でしたね。いいものは大体知られている中で、少し視点をずらしたときに光を持っているか、なおかつ私がやっている店とも丸かぶりしないよう、自分の中の制約もあったので。王道とずらし、自分の普段のセレクトともずらすという“二重のずらし”を課してセレクトするのはなかなか大変でした。でもその視点で世の中を見回すと、これまでと違った景色があって新鮮でしたね。 NIKKO三谷:オープンまですごくバタバタと大変なスケジュールでしたよね(笑)。 小林さん:確か2020年末に打診いただき、実際に動き出したのは2021年に入ってからでしたよね。6月にはECサイトが、11月には実店舗がオープンというスケジュールで奔走して(笑)。2021年は自分にとって“NIKKO YEAR”でした。 NIKKO三谷:ジェネラルストアなので、物がたくさんあるというのが重要ですし、細かい話、購買ルートは大変でしたね。バックヤードはかなり小林さん頼りでした。最初のメンバーは小林さんに何度も怒られたし! 小林さん:オープンまでは何回もブチ切れましたね(笑)。でもモットーとしては溜めずにその場ですぐに言うことです! 別の場所に導いてくれる、モノの力 小林さん:実際に全ての物がお店に並んだときは嬉しかったですね。 NIKKO三谷:感動しましたね。最初に小林さんが商品を説明してくださったのですが、今まで買ったことがないようなニッチなアイテムばかりなんですよ。木製のレモンスクイザー(ALESSI)を見て、「これでレモンを絞ってレモンサワーを飲みたいな」と思い、こんな考えは今までにない経験でした。レモンサワーを飲みたいからレモンスクイザーを買うのではなく、レモンスクイザーが欲しいからレモンサワーを飲むという、モノが導いてくれることがあるんだということに驚きました。 小林さん:モノが別の場所にいざなってくれる、これが良いモノの持つ力だと思っています。使い勝手のよさ、耐久性のよさというのは、根底としてクリアしておかなければいけないところですが、プラスして、モノを起点にいろんな情景が浮かんだり、気持ちが動くというのも、また別の、モノの働きなのかなと。 NIKKO三谷:100種類以上ものブラシは顕著ですよね。こんな用途のブラシがあるんだといつも驚きます。「ここを掃除したいからブラシを買う」ではなく、「このブラシを買ったからにはここを掃除したい!」と思わせてくれます。 小林さん:その感想は嬉しいですね。 NIKKO三谷:実際に多くの方から良いセレクトだと言って頂き、僕も嬉しいです。他のセレクトショップとは違う店にしていただいたと思っています。お客様がさらに別の角度から見てくれたりもして、またモノが光を浴び、モノの価値がどんどん上がっていける店だと思います。 小林さん:使い手が新たな見立てをしてくれて、そこでモノの価値をさらに高めてくれる、余白のようなものも、いいモノの側面なのかなと思いますね。セレクトするときの意識としては、果物を手摘みしているようなイメージなんです。機械にかけて果物をゆさゆさゆさ〜と落とすのではなくて、一つずつ選びながら自分の手で摘んでいく意識で選んでいます。...