JOURNAL
【ご自宅訪問企画|前編】shucoさんがオシャレな友人宅を訪問!vol.1 森次まりなさん
新連載がスタートします。ヘアスタイリスト、毛髪診断士として活躍するshucoさんが、素敵な生活を送る友人のご自宅を訪問。shucoさんはご自身の肩書きを超えて、InstagramやYouTubeなどでのセンスあふれるご自宅公開、インテリアやキッチンアイテムの心踊る紹介が大人気となっています。この企画では、そんな彼女が紹介したい!と思ったハイセンスな友人のご自宅を訪問し、さらにはその方にLOST AND FOUND(LAF)のアイテムをセレクトして、ご自宅にちょっと角度を変えたエッセンスを加えてみたら?を紹介します。 shuco ヘアスタイリスト、毛髪診断士。東京でのサロンワークを経てパリに渡り、各国のモード誌などで活躍。帰国後もさまざまな媒体でセンスを発揮し、ヘアを通じた社会貢献活動にも注力している。 記念すべき第一回は、shucoさんの友人・森次まりなさんのご自宅を訪問しました。森次さんは、Plageのプレスを5年間担当したのち、MDやブランドマネージャーを経験。現在はフリーランスPRとして活躍しています。 shucoさんとはフリーマーケットで出会ったのだそう。shucoさん「お友だちと集まって定期的にフリマをしているんです。共通の友人をとおして、一緒に出店したのがきっかけだよね。そこで色々と話して仲良くなり、センス良いなぁとインスタをチェックしていました」ということで、新連載をきっかけにご自宅訪問が叶いました。森次さん「光栄です!」都内90平米の2LDK、収納たっぷりでゆったりとしたバルコニー付き森次さんのご自宅訪問、象徴的な和室からスタートです。 shucoさん「お家の真ん中にドーンと和室がある、特殊な作りですよね。窓もグリーンも多くて、なんだか気が良さそう!」森次さん「実はここ、掘りごたつになるんですよ。秋冬は掘りごたつにするので、心地よくて動けなくなり、ここで寝ちゃうこともありますね。ホームパーティをよくするんですが、ここでくつろぐ方がほとんどで、私自身もとても気に入っている空間です」そう、お話を始めた畳の部屋の机の下は、賃貸住宅には珍しい贅沢な掘りごたつになっているそう。畳の部屋を中心に、ベッドルームとリビングダイニング、お風呂や広々とした収納部屋がぐるりと囲む作り。各部屋には窓もあり、風通りも良さそうです。森次さん「春や秋は窓を全開にしています。私が住む前はおばあちゃんが一人暮らしをしていたそうです。その後は塾だったと聞いています。畳で教えていたのかなぁと」どこか懐かしい雰囲気がするのも納得です。 shucoさん「ここに旦那さんとお二人で住んでるんだよね?美男美女ですごく素敵なカップルなんですよ。素敵な家具やグッズが気になるんだけど、どちらが決めてるの?」森次さん「どっちかがいいと思ったものを、どちらかが嫌だということはほとんどないですね。お互いが一人暮らしで使っていたものを持ち寄った感じ。前に住んでいた家と雰囲気がとても似ていることもあり、馴染んでいるのかもしれません」この家に住んでまだ約1年。それでもお互いが持っていたもののセンスがマッチしたからこそ、継ぎ接ぎではない、どこか懐かしい落ち着いた空間が作られています。 ルームツアー中、温かな笑顔でゆっくりと部屋やこだわりアイテムを紹介してくれる森次さん。その人柄がお部屋にも滲み出ていました。shucoさん「何このカレンダー!」と興味を持ったのは、ダイニングとキッチンを繋ぐ壁にかけられた日めくりカレンダー。森次さん「おすすめです。『ママと一生一緒がパパの夢』とか、いい言葉がたくさんあって、毎日楽しみにしてるんですよ」shucoさん「素敵!ロマンチックだね」 他にも目が止まるアイテムが随所に。一つひとつに大事なストーリーがあり、シンプルな空間のアクセントになっています。 温かな空間で、ご夫婦で落ち着いた時間を過ごしているのが伺えます。さて、次回はいよいよ森次さんお気に入り、広々としたキッチンへ!魅力を一層引き立るべく、 shucoさんの見立てでLAFのアイテムをセレクトしますよ。YouTube企画もあるのでお楽しみに! interview & text by Sahoko Sekiphoto by Yuki Furue
【ご自宅訪問企画|前編】shucoさんがオシャレな友人宅を訪問!vol.1 森次まりなさん
新連載がスタートします。ヘアスタイリスト、毛髪診断士として活躍するshucoさんが、素敵な生活を送る友人のご自宅を訪問。shucoさんはご自身の肩書きを超えて、InstagramやYouTubeなどでのセンスあふれるご自宅公開、インテリアやキッチンアイテムの心踊る紹介が大人気となっています。この企画では、そんな彼女が紹介したい!と思ったハイセンスな友人のご自宅を訪問し、さらにはその方にLOST AND FOUND(LAF)のアイテムをセレクトして、ご自宅にちょっと角度を変えたエッセンスを加えてみたら?を紹介します。 shuco ヘアスタイリスト、毛髪診断士。東京でのサロンワークを経てパリに渡り、各国のモード誌などで活躍。帰国後もさまざまな媒体でセンスを発揮し、ヘアを通じた社会貢献活動にも注力している。 記念すべき第一回は、shucoさんの友人・森次まりなさんのご自宅を訪問しました。森次さんは、Plageのプレスを5年間担当したのち、MDやブランドマネージャーを経験。現在はフリーランスPRとして活躍しています。 shucoさんとはフリーマーケットで出会ったのだそう。shucoさん「お友だちと集まって定期的にフリマをしているんです。共通の友人をとおして、一緒に出店したのがきっかけだよね。そこで色々と話して仲良くなり、センス良いなぁとインスタをチェックしていました」ということで、新連載をきっかけにご自宅訪問が叶いました。森次さん「光栄です!」都内90平米の2LDK、収納たっぷりでゆったりとしたバルコニー付き森次さんのご自宅訪問、象徴的な和室からスタートです。 shucoさん「お家の真ん中にドーンと和室がある、特殊な作りですよね。窓もグリーンも多くて、なんだか気が良さそう!」森次さん「実はここ、掘りごたつになるんですよ。秋冬は掘りごたつにするので、心地よくて動けなくなり、ここで寝ちゃうこともありますね。ホームパーティをよくするんですが、ここでくつろぐ方がほとんどで、私自身もとても気に入っている空間です」そう、お話を始めた畳の部屋の机の下は、賃貸住宅には珍しい贅沢な掘りごたつになっているそう。畳の部屋を中心に、ベッドルームとリビングダイニング、お風呂や広々とした収納部屋がぐるりと囲む作り。各部屋には窓もあり、風通りも良さそうです。森次さん「春や秋は窓を全開にしています。私が住む前はおばあちゃんが一人暮らしをしていたそうです。その後は塾だったと聞いています。畳で教えていたのかなぁと」どこか懐かしい雰囲気がするのも納得です。 shucoさん「ここに旦那さんとお二人で住んでるんだよね?美男美女ですごく素敵なカップルなんですよ。素敵な家具やグッズが気になるんだけど、どちらが決めてるの?」森次さん「どっちかがいいと思ったものを、どちらかが嫌だということはほとんどないですね。お互いが一人暮らしで使っていたものを持ち寄った感じ。前に住んでいた家と雰囲気がとても似ていることもあり、馴染んでいるのかもしれません」この家に住んでまだ約1年。それでもお互いが持っていたもののセンスがマッチしたからこそ、継ぎ接ぎではない、どこか懐かしい落ち着いた空間が作られています。 ルームツアー中、温かな笑顔でゆっくりと部屋やこだわりアイテムを紹介してくれる森次さん。その人柄がお部屋にも滲み出ていました。shucoさん「何このカレンダー!」と興味を持ったのは、ダイニングとキッチンを繋ぐ壁にかけられた日めくりカレンダー。森次さん「おすすめです。『ママと一生一緒がパパの夢』とか、いい言葉がたくさんあって、毎日楽しみにしてるんですよ」shucoさん「素敵!ロマンチックだね」 他にも目が止まるアイテムが随所に。一つひとつに大事なストーリーがあり、シンプルな空間のアクセントになっています。 温かな空間で、ご夫婦で落ち着いた時間を過ごしているのが伺えます。さて、次回はいよいよ森次さんお気に入り、広々としたキッチンへ!魅力を一層引き立るべく、 shucoさんの見立てでLAFのアイテムをセレクトしますよ。YouTube企画もあるのでお楽しみに! interview & text by Sahoko Sekiphoto by Yuki Furue
料理家 冷水希三子さんが信頼する「金網つじ」中華せいろと蒸し料理
料理家・冷水希三子さんによる、「REMASTERED」にぴったりな夏の料理教室を開催しました。 今回のメインメニューは、冷水さんのお勧め、「金網つじ」中華せいろを使用した鰆の香草蒸し。せいろ選びのポイントなども織り交ぜながら、魚介中心の爽やかな夏のメニューを教えていただきました。 大は小を兼ねる、ちょっと高さがあるって素晴らしい! お家に友達を招いておもてなしをする時、一品は蒸し料理を用意するという冷水さん。器ごとせいろで蒸すだけで簡単にできるので、ありがたい存在だと言います。そんな冷水さんが自信を持ってお勧めをしてくれたのが、「金網つじ」の中華せいろです。 「せいろを選ぶ時の一番のポイントは、手持ちの鍋とサイズか合うかどうか。まずはここをしっかり確認すると間違いがありません!そして、次のポイントは深さと大きさです。せいろに素材をそのまま入れることもありますが、茶碗蒸しなど器ごと入れる場合もあるので、ある程度の深さと大きさがあった方が色々な料理に挑戦できて幅も広がります。お鍋やフライパンはそうではないけれど、お家に場所さえあれば蒸し器だけは大は小を兼ねるんです!」と、今回使用したのは直径30センチのもの。蒸し魚など食材から出る蒸し汁も料理に使いたい場合は、器ごとせいろに入れられるサイズが良いでしょう。 若い時は安いものから国産メーカをあれこれ買ってみたり、旅先の台湾で買ったりと、これまで様々なせいろを試してきたという冷水さんですが、7.8年前に「金網つじ」中華せいろと出会ってからは一筋だそう。「この中華せいろは他のメーカーのものと違って、上下合わせて2.3センチ高いんですよ。他のものだと茶碗蒸しの器を入れると蓋が閉まらないことも多かったのですが、これに出会ってからはいつも安心しています。ちょっと高さがあるって素晴らしい!」 「竹やヒノキなど丈夫な素材で作られていて、厚みのある胴、手仕事でしっかりと編まれた蓋にとても惹かれています。せいろは熱のまわりが柔らかいのでふんわりと仕上がります。せいろの中でいかに蒸気を対流させられるかが蒸し料理のおいしさを決めるポイントです。」 今回、教えていただいたのは、鰆の香草蒸し。鰆には丁寧に両面に塩をして、長ネギの青い部分と生姜と一緒にせいろでふんわり柔らかく蒸し仕上げます。REMASTEREDのオーバルプレート39に並べ、生姜、パクチー、長ネギのみじん切りをのせ、上から熱々に熱した太白ごま油を一気にかけて出来上がりです。ジューっという音と共にごま油がかかった香味野菜の良い香りが当たり一面に立ち込め、周りから歓声が上がりました。 パスタだけじゃない!白い器には中華がかっこいい! 甘酒がポイントのフレッシュトマトを使った爽やかな「エビチリ」と、氷も入って夏にぴったりな韓国風冷たい水刺身「石鯛のムルフェ」を教えていただき、REMASTEREDディーププレート22に盛り付けました。 「パスタ皿として重宝するこちらのシリーズですが、他にも色々な使い方を提案したかったんです。白い器は和食だと物足りないこともありますが、中華だとカッコよく仕上がりますよね。」透き通るような器にフレッシュな食材の色が鮮やかに生え、美しい仕上がりになりました。 「金網つじ」中華せいろ受注会を開催中! 手編みと機械編みの加工、そして曲げ輪の3つの技術を駆使してものづくりをしてきた金網つじ 。創業当時から飲食店や和菓子屋に馬毛の裏漉しや藤どうしなどの道具と一緒にせいろも作っていたそう。昔から人々に愛されてきたことがうかがえます。 LOST AND FOUND TOKYO STORE では、こちらの「金網つじ」中華せいろの受注会を期間限定で開催しています。取り扱い店舗が限られているこちらのせいろを実際に手に取っていただける貴重な機会です。 「金網つじ」中華せいろ 受注会期間:6月21日(土)~7月14日(月)場所:LOST AND FOUND TOKYO STORE / ONLINE STORE(受注会情報の詳細はこちら) Interview...
料理家 冷水希三子さんが信頼する「金網つじ」中華せいろと蒸し料理
料理家・冷水希三子さんによる、「REMASTERED」にぴったりな夏の料理教室を開催しました。 今回のメインメニューは、冷水さんのお勧め、「金網つじ」中華せいろを使用した鰆の香草蒸し。せいろ選びのポイントなども織り交ぜながら、魚介中心の爽やかな夏のメニューを教えていただきました。 大は小を兼ねる、ちょっと高さがあるって素晴らしい! お家に友達を招いておもてなしをする時、一品は蒸し料理を用意するという冷水さん。器ごとせいろで蒸すだけで簡単にできるので、ありがたい存在だと言います。そんな冷水さんが自信を持ってお勧めをしてくれたのが、「金網つじ」の中華せいろです。 「せいろを選ぶ時の一番のポイントは、手持ちの鍋とサイズか合うかどうか。まずはここをしっかり確認すると間違いがありません!そして、次のポイントは深さと大きさです。せいろに素材をそのまま入れることもありますが、茶碗蒸しなど器ごと入れる場合もあるので、ある程度の深さと大きさがあった方が色々な料理に挑戦できて幅も広がります。お鍋やフライパンはそうではないけれど、お家に場所さえあれば蒸し器だけは大は小を兼ねるんです!」と、今回使用したのは直径30センチのもの。蒸し魚など食材から出る蒸し汁も料理に使いたい場合は、器ごとせいろに入れられるサイズが良いでしょう。 若い時は安いものから国産メーカをあれこれ買ってみたり、旅先の台湾で買ったりと、これまで様々なせいろを試してきたという冷水さんですが、7.8年前に「金網つじ」中華せいろと出会ってからは一筋だそう。「この中華せいろは他のメーカーのものと違って、上下合わせて2.3センチ高いんですよ。他のものだと茶碗蒸しの器を入れると蓋が閉まらないことも多かったのですが、これに出会ってからはいつも安心しています。ちょっと高さがあるって素晴らしい!」 「竹やヒノキなど丈夫な素材で作られていて、厚みのある胴、手仕事でしっかりと編まれた蓋にとても惹かれています。せいろは熱のまわりが柔らかいのでふんわりと仕上がります。せいろの中でいかに蒸気を対流させられるかが蒸し料理のおいしさを決めるポイントです。」 今回、教えていただいたのは、鰆の香草蒸し。鰆には丁寧に両面に塩をして、長ネギの青い部分と生姜と一緒にせいろでふんわり柔らかく蒸し仕上げます。REMASTEREDのオーバルプレート39に並べ、生姜、パクチー、長ネギのみじん切りをのせ、上から熱々に熱した太白ごま油を一気にかけて出来上がりです。ジューっという音と共にごま油がかかった香味野菜の良い香りが当たり一面に立ち込め、周りから歓声が上がりました。 パスタだけじゃない!白い器には中華がかっこいい! 甘酒がポイントのフレッシュトマトを使った爽やかな「エビチリ」と、氷も入って夏にぴったりな韓国風冷たい水刺身「石鯛のムルフェ」を教えていただき、REMASTEREDディーププレート22に盛り付けました。 「パスタ皿として重宝するこちらのシリーズですが、他にも色々な使い方を提案したかったんです。白い器は和食だと物足りないこともありますが、中華だとカッコよく仕上がりますよね。」透き通るような器にフレッシュな食材の色が鮮やかに生え、美しい仕上がりになりました。 「金網つじ」中華せいろ受注会を開催中! 手編みと機械編みの加工、そして曲げ輪の3つの技術を駆使してものづくりをしてきた金網つじ 。創業当時から飲食店や和菓子屋に馬毛の裏漉しや藤どうしなどの道具と一緒にせいろも作っていたそう。昔から人々に愛されてきたことがうかがえます。 LOST AND FOUND TOKYO STORE では、こちらの「金網つじ」中華せいろの受注会を期間限定で開催しています。取り扱い店舗が限られているこちらのせいろを実際に手に取っていただける貴重な機会です。 「金網つじ」中華せいろ 受注会期間:6月21日(土)~7月14日(月)場所:LOST AND FOUND TOKYO STORE / ONLINE STORE(受注会情報の詳細はこちら) Interview...
小林和人が選んだもの 「ほうきの話」
ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、ほうきについてです。 ノーストレスな掃除用具 便利な装置がどんどん発達している現代に、そもそも何故ほうきなのかー。ほうきの優れた点は、“起動時間0秒”、握った瞬間に使えるところではないでしょうか。掃除機は大体しまってあるものなので、ちょっと掃除したいというときに引っ張り出すのが面倒。ほうきなら電源コードや充電、音のストレスからも解放されますよ(笑)。ほうきの毛はナイロンだと摩擦で丸まったりするので、自然素材を使ったものが好きです。スウェーデンの老舗ブラシブランド「IRIS HANTVERK」の馬毛が使われているほうきはしなやかで細かい埃まで取ることができ、その上耐久性もあるので、自分の店(OUTBOUND)では毎朝の掃除に使っています。 形状ごとの細やかな働き ほうきには、扉の桟や床の隅、高いところ…埃がたまりやすいあらゆる隙間をサッと綺麗にできる手軽さがありますよね。暮らしに合った使い勝手の良いほうきを選ぶのも楽しい。例えばドイツの老舗生活用品ブランド「REDECKER」の小ぶりな手ほうきは玄関ポーチをはいたり、家の中のデスクをさっときれいにしたり。馬毛の大きなものはワックスをかけたフローリングなど、傷をつけたくない床の掃除に。サイズや形によってそれぞれの働きをしてくれるので、いくつあっても嬉しいものです。 ほうきらしいほうきの、美しい佇まい インテリアのアクセントになるところも魅力です。魔女が乗っているような赤い柄のほうきは「REDECKER」のもの。お子さんが遊びながら掃除を手伝ってくれるかもしれないですね(笑)。おもちゃっぽさがあり、飾るも良しですよね。今の時代にこんな“ほうきらしい”ほうきを持っていると、逆にとても新鮮な気持ちになります。部屋の見えるところに置いたりかけたりして、その佇まいを愉しむのも素敵です。 名ブランドの強く温かい繋がり 今回紹介した二つのブランド「IRIS HANTVERK」と「REDECKER」は、実は共通項があります。REDECKERの歴史は、創業者、フリーデル・レデッカーが子供のころに視力を失い、盲学校でブラシ作りの技術を学んだことがきっかけとなって始まったそうです。以降、家族経営で、職人たちが手作業で一つひとつ丁寧にブラシを中心とした道具を作っています。環境保護に努める姿勢や、よりよい物を作ろうとするクラフトマンシップに共感を覚えます。一方、IRIS HANTVERKの歴史は、ある博士が設立した視覚障害のある職人のための救貧院だと言います。スウェーデンの視覚障害者団体との強いつながりの中、紆余曲折ありながら、現在は様々な文化圏出身の視覚障害のある職人6名が、ストックホルム南部の工房でブラシ作りに取り組んでいます。REDECKERもIRIS HANTVERKも、いずれも世界中に知られるブランドでありながら、どちらも小さな規模を保ったまま職人たちが伝統に則ったもの作りをしています。英語でブラシ作りは「brush binding」などと表現するそうですが、この二つのブランドからはまさに工房の仕事に従事する人たちの同志の「結びつき」みたいなものを感じます。企業背景も合わせて心から良いと思える物を大事に使っていきたいですね。 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto by...
小林和人が選んだもの 「ほうきの話」
ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、ほうきについてです。 ノーストレスな掃除用具 便利な装置がどんどん発達している現代に、そもそも何故ほうきなのかー。ほうきの優れた点は、“起動時間0秒”、握った瞬間に使えるところではないでしょうか。掃除機は大体しまってあるものなので、ちょっと掃除したいというときに引っ張り出すのが面倒。ほうきなら電源コードや充電、音のストレスからも解放されますよ(笑)。ほうきの毛はナイロンだと摩擦で丸まったりするので、自然素材を使ったものが好きです。スウェーデンの老舗ブラシブランド「IRIS HANTVERK」の馬毛が使われているほうきはしなやかで細かい埃まで取ることができ、その上耐久性もあるので、自分の店(OUTBOUND)では毎朝の掃除に使っています。 形状ごとの細やかな働き ほうきには、扉の桟や床の隅、高いところ…埃がたまりやすいあらゆる隙間をサッと綺麗にできる手軽さがありますよね。暮らしに合った使い勝手の良いほうきを選ぶのも楽しい。例えばドイツの老舗生活用品ブランド「REDECKER」の小ぶりな手ほうきは玄関ポーチをはいたり、家の中のデスクをさっときれいにしたり。馬毛の大きなものはワックスをかけたフローリングなど、傷をつけたくない床の掃除に。サイズや形によってそれぞれの働きをしてくれるので、いくつあっても嬉しいものです。 ほうきらしいほうきの、美しい佇まい インテリアのアクセントになるところも魅力です。魔女が乗っているような赤い柄のほうきは「REDECKER」のもの。お子さんが遊びながら掃除を手伝ってくれるかもしれないですね(笑)。おもちゃっぽさがあり、飾るも良しですよね。今の時代にこんな“ほうきらしい”ほうきを持っていると、逆にとても新鮮な気持ちになります。部屋の見えるところに置いたりかけたりして、その佇まいを愉しむのも素敵です。 名ブランドの強く温かい繋がり 今回紹介した二つのブランド「IRIS HANTVERK」と「REDECKER」は、実は共通項があります。REDECKERの歴史は、創業者、フリーデル・レデッカーが子供のころに視力を失い、盲学校でブラシ作りの技術を学んだことがきっかけとなって始まったそうです。以降、家族経営で、職人たちが手作業で一つひとつ丁寧にブラシを中心とした道具を作っています。環境保護に努める姿勢や、よりよい物を作ろうとするクラフトマンシップに共感を覚えます。一方、IRIS HANTVERKの歴史は、ある博士が設立した視覚障害のある職人のための救貧院だと言います。スウェーデンの視覚障害者団体との強いつながりの中、紆余曲折ありながら、現在は様々な文化圏出身の視覚障害のある職人6名が、ストックホルム南部の工房でブラシ作りに取り組んでいます。REDECKERもIRIS HANTVERKも、いずれも世界中に知られるブランドでありながら、どちらも小さな規模を保ったまま職人たちが伝統に則ったもの作りをしています。英語でブラシ作りは「brush binding」などと表現するそうですが、この二つのブランドからはまさに工房の仕事に従事する人たちの同志の「結びつき」みたいなものを感じます。企業背景も合わせて心から良いと思える物を大事に使っていきたいですね。 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto by...
小林和人が選んだもの 「ワインラックの話」
ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、ワインラックについてです。 エンツォ・マーリによる、アノニマスなデザイン 小林さん:ワインラックは急を要するものではないので、なかなか手が出せないでいる方も多いのではないでしょうか。でも持っていると、生活がグッと楽しくなる存在だと思います。今回は、イタリアのデザイン界の巨匠、エンツォ・マーリがデザインした「REXITE CANTINA」のワインラックをご紹介します。エンツォ・マーリというと、デザインを、企業による販売促進のためではなく、或る課題に対して解を与えるための手段として捉えていたような印象を受けます。例えばこのワインラックは、一見するとデザイナーが介在していないかのようです。しかし、よく見ると12本のワインボトルを小スペースにいかに収めるかが考え抜かれ、それが必要最低限の要素で成り立っていることが分かります。僕はそんなアノニマスな佇まいでありながら、細部にまできちんと練られたデザインであるところがとても気に入っています。 シンプルな構造で最大限の効果 小林さん:もしもワインが12本以上になったときはどうしたら良いか。そんなワイン愛好家の悩みに対して、上に重ねてスタッキングすることができるという、シンプルな構造で応えているところも素晴らしい。最小限の手数で最大限の効果をあげているデザインのお手本のようなプロダクトだと思います。そして、このタイムレスな佇まいはどんな空間にも馴染むのではないでしょうか。現代的な空間はもちろん、ヴィンテージの家具を基調とした味のある部屋にもアクセントになってくれそうです。 ギフト選びで心がけること 小林さん:外装の箱も、抜かりないデザイン。図面がそのままパッケージになったかのようなデザインがカッコいいですよね。捨てずに取っておきたくもあり、贈り物にもおすすめです。それこそ新築祝いや結婚祝いなどにも喜ばれそうです。ギフトを選ぶとき、相手が持っていたり、他の人と被ったりするかもしれないという心配がよくありますが、これなら大丈夫です。なぜならこれは連結できるのだから!笑 <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto by Naoki Yamashita
小林和人が選んだもの 「ワインラックの話」
ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、ワインラックについてです。 エンツォ・マーリによる、アノニマスなデザイン 小林さん:ワインラックは急を要するものではないので、なかなか手が出せないでいる方も多いのではないでしょうか。でも持っていると、生活がグッと楽しくなる存在だと思います。今回は、イタリアのデザイン界の巨匠、エンツォ・マーリがデザインした「REXITE CANTINA」のワインラックをご紹介します。エンツォ・マーリというと、デザインを、企業による販売促進のためではなく、或る課題に対して解を与えるための手段として捉えていたような印象を受けます。例えばこのワインラックは、一見するとデザイナーが介在していないかのようです。しかし、よく見ると12本のワインボトルを小スペースにいかに収めるかが考え抜かれ、それが必要最低限の要素で成り立っていることが分かります。僕はそんなアノニマスな佇まいでありながら、細部にまできちんと練られたデザインであるところがとても気に入っています。 シンプルな構造で最大限の効果 小林さん:もしもワインが12本以上になったときはどうしたら良いか。そんなワイン愛好家の悩みに対して、上に重ねてスタッキングすることができるという、シンプルな構造で応えているところも素晴らしい。最小限の手数で最大限の効果をあげているデザインのお手本のようなプロダクトだと思います。そして、このタイムレスな佇まいはどんな空間にも馴染むのではないでしょうか。現代的な空間はもちろん、ヴィンテージの家具を基調とした味のある部屋にもアクセントになってくれそうです。 ギフト選びで心がけること 小林さん:外装の箱も、抜かりないデザイン。図面がそのままパッケージになったかのようなデザインがカッコいいですよね。捨てずに取っておきたくもあり、贈り物にもおすすめです。それこそ新築祝いや結婚祝いなどにも喜ばれそうです。ギフトを選ぶとき、相手が持っていたり、他の人と被ったりするかもしれないという心配がよくありますが、これなら大丈夫です。なぜならこれは連結できるのだから!笑 <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto by Naoki Yamashita
行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル ― ayame ファウンダー&デザイナー今泉悠編
時代を明るくリードしてくれる、様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、モノを選択する時の視点やこだわり、向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 Ayameファウンダー&デザイナー 今泉悠 1983年、茨城県生まれ。2005年にメガネづくりの道を志し、福井県、鯖江市でノウハウを学ぶ。2010年「アヤメ」を設立し、ファーストコレクションを発表。自社ブランドのみならず、国内外のアイウェアデザインやディレクションも手掛ける。2016年には、スポーツアイウェアブランド「スワンズ(SWANS)」との協業で、高機能かつ極限までシンプルを追求したサングラスを発売。幅広いシーンに対応するデザインと機能性で、同年の「アイウェア オブ ザ イヤー」を受賞した。 今回は、「ayame(アヤメ)」のファウンダーであり、デザイナーでもある今泉悠さんにご登場いただきます。「ayame」は、今泉さんの出身地である茨城県を象徴する「あやめ」と、そこに「目を彩る」という意味を重ね合わせて「ayame」と名付け、2010年に設立したアイウェアブランド。昨年、表参道「フロム・ファースト・ビル」に新しい店舗「ayamerow(アヤメロウ)」をオープンし、益々独自のスタイリッシュな世界観を確立しています。 「ayamerow」がオープンした「フロム・ファースト・ビル」といえば、1975年に竣工し、日本のファッション黄金期を支えた中心的存在の名建築。そんな念願だったビルでの新店舗の空間をお願いしたのは、今泉さんが以前から次にお店を造るなら頼んでみたいと思っていたデザイナーの柳原照弘氏。「外から内へ」「洞窟的」「質量」の3つをデザインコンセプトに空間を設計されているという店内は、2Fへと登る階段から店舗がスタートしているかのように、店外の要素が流れるように店内へと続いています。 今泉さんがメガネブランドを立ち上げたきっかけや新店舗のこと、そしてLOST AND FOUNDから選んでいただいたアイテムのお気に入りポイントなど、ayamerowでお話しいただきました。 ラウンジのような新店舗 行方:「壁や什器の素材感が際立っていて、青いカーテンから少し入ってくる光も美しいしサロンのようですね。落ち着いた店内がとても居心地が良いです。建物の外観に続いていくような内装というか、建物と一緒に内装もデザインされたかのように感じますね。」 今泉さん:「以前から、いつかこのビルで店舗をしたいと思っていたところ、友人のオフィスがここから移転するというのを聞き、すぐに連絡しました。一年ほどは展示会などのイベントに場所を利用していて、その間にデザイナーの柳原さんと時間をかけてじっくり話し合いました。「フロム・ファースト・ビル」が竣工50年ということもありましたし、以前から憧れの場所でもあったので、できるだけ建築に合わせて内装を作ることになったんです。デザインのコンセプトの一つでもある「外から内へ」というのは、建築物のデザインを活かすという意味で、色や質感など、「フロム・ファースト・ビル」の様々なポイントを店舗の内装に取り入れています。 このメガネをディスプレイしている什器は、錆石(さびいし) を切り出して作られています。鉄分を多く含んだ石なので、ゆっくり錆色へと経年変化していくのも楽しみですし、メガネとの質感の対比も面白いかなと思って。この青いカーテンは、コペンハーゲンでの撮影で出会ったテキスタイルブランドのものです。」 行方:「今回、今泉さんがLOST AND FOUNDから選んだのはMOEBEのフレームレス独立型「STANDING MIRROR」。MOEBEは、2人の建築家と家具職人が立ち上げた、コペンハーゲンを拠点にプロダクト、家具、インテリアを制作する北欧のデザインスタジオです。建築的な思考で徹底的に考え抜いた構造によるシンプルで美しいデザインを目指し、すべて自社で設計を行っているというこだわりのブランドです。「STANDING MIRROR」のどんなところが気に入りましたか?」 今泉さん:「全体のバランスを見るために姿見は2つ作ってもらったのですが、顔を見るちょうど良い鏡がまだなかったんです。この空間に合う置き鏡を探していたところ、ぴったりなものを見つけました。この「STANDING MIRROR」はシンプルで主張しすぎず、軽量の細いワイヤーに鏡を立てかけるだけというシンプルで洗練されているところが気に入りました。錆石の什器にも木にも合いますね。」 メガネへの熱い想い 行方:「 そういえば、ブランド15周年おめでとうございます。ずっと聞いてみたかったのですが、メガネの道に進んだきっかけは?」...
行方ひさこのLOST AND FOUNDなスタイル ― ayame ファウンダー&デザイナー今泉悠編
時代を明るくリードしてくれる、様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが選んだLOST AND FOUNDのアイテムと共にお送りする「行方ひさこのLOST ANDFOUNDなスタイル」。仕事、プライベート共にたくさんのものを見て、真摯に向き合ってきた彼らだからこその、モノを選択する時の視点やこだわり、向き合う姿勢などを掘り下げていきます。 Ayameファウンダー&デザイナー 今泉悠 1983年、茨城県生まれ。2005年にメガネづくりの道を志し、福井県、鯖江市でノウハウを学ぶ。2010年「アヤメ」を設立し、ファーストコレクションを発表。自社ブランドのみならず、国内外のアイウェアデザインやディレクションも手掛ける。2016年には、スポーツアイウェアブランド「スワンズ(SWANS)」との協業で、高機能かつ極限までシンプルを追求したサングラスを発売。幅広いシーンに対応するデザインと機能性で、同年の「アイウェア オブ ザ イヤー」を受賞した。 今回は、「ayame(アヤメ)」のファウンダーであり、デザイナーでもある今泉悠さんにご登場いただきます。「ayame」は、今泉さんの出身地である茨城県を象徴する「あやめ」と、そこに「目を彩る」という意味を重ね合わせて「ayame」と名付け、2010年に設立したアイウェアブランド。昨年、表参道「フロム・ファースト・ビル」に新しい店舗「ayamerow(アヤメロウ)」をオープンし、益々独自のスタイリッシュな世界観を確立しています。 「ayamerow」がオープンした「フロム・ファースト・ビル」といえば、1975年に竣工し、日本のファッション黄金期を支えた中心的存在の名建築。そんな念願だったビルでの新店舗の空間をお願いしたのは、今泉さんが以前から次にお店を造るなら頼んでみたいと思っていたデザイナーの柳原照弘氏。「外から内へ」「洞窟的」「質量」の3つをデザインコンセプトに空間を設計されているという店内は、2Fへと登る階段から店舗がスタートしているかのように、店外の要素が流れるように店内へと続いています。 今泉さんがメガネブランドを立ち上げたきっかけや新店舗のこと、そしてLOST AND FOUNDから選んでいただいたアイテムのお気に入りポイントなど、ayamerowでお話しいただきました。 ラウンジのような新店舗 行方:「壁や什器の素材感が際立っていて、青いカーテンから少し入ってくる光も美しいしサロンのようですね。落ち着いた店内がとても居心地が良いです。建物の外観に続いていくような内装というか、建物と一緒に内装もデザインされたかのように感じますね。」 今泉さん:「以前から、いつかこのビルで店舗をしたいと思っていたところ、友人のオフィスがここから移転するというのを聞き、すぐに連絡しました。一年ほどは展示会などのイベントに場所を利用していて、その間にデザイナーの柳原さんと時間をかけてじっくり話し合いました。「フロム・ファースト・ビル」が竣工50年ということもありましたし、以前から憧れの場所でもあったので、できるだけ建築に合わせて内装を作ることになったんです。デザインのコンセプトの一つでもある「外から内へ」というのは、建築物のデザインを活かすという意味で、色や質感など、「フロム・ファースト・ビル」の様々なポイントを店舗の内装に取り入れています。 このメガネをディスプレイしている什器は、錆石(さびいし) を切り出して作られています。鉄分を多く含んだ石なので、ゆっくり錆色へと経年変化していくのも楽しみですし、メガネとの質感の対比も面白いかなと思って。この青いカーテンは、コペンハーゲンでの撮影で出会ったテキスタイルブランドのものです。」 行方:「今回、今泉さんがLOST AND FOUNDから選んだのはMOEBEのフレームレス独立型「STANDING MIRROR」。MOEBEは、2人の建築家と家具職人が立ち上げた、コペンハーゲンを拠点にプロダクト、家具、インテリアを制作する北欧のデザインスタジオです。建築的な思考で徹底的に考え抜いた構造によるシンプルで美しいデザインを目指し、すべて自社で設計を行っているというこだわりのブランドです。「STANDING MIRROR」のどんなところが気に入りましたか?」 今泉さん:「全体のバランスを見るために姿見は2つ作ってもらったのですが、顔を見るちょうど良い鏡がまだなかったんです。この空間に合う置き鏡を探していたところ、ぴったりなものを見つけました。この「STANDING MIRROR」はシンプルで主張しすぎず、軽量の細いワイヤーに鏡を立てかけるだけというシンプルで洗練されているところが気に入りました。錆石の什器にも木にも合いますね。」 メガネへの熱い想い 行方:「 そういえば、ブランド15周年おめでとうございます。ずっと聞いてみたかったのですが、メガネの道に進んだきっかけは?」...
野村友里さんが白い器に盛り付けたもの
LOST AND FOUND店頭で配布中の「白い器」の魅力について紹介している小冊子「白い器の話。」(なくなり次第終了)。その中で料理家 野村友里さんと共に、石川県にあるニッコーの工場を見学しました。友里さんの幼少期のボーンチャイナとの出会いや料理を仕事にするきっかけになったことなど、色々な話しを伺いながら工場を巡りました。「物作りは、結局は人の力!皆さんの徹底した手作業こそが、ニッコーらしい温もりを感じる商品になっていくんですね」と語ってくれた様子はぜひ冊子で。こちらでは、そんな温もりのある白い器に合う優しい一品を作っていただきました。 野村友里 料理人。「eatrip」主宰。東京・原宿で営んでいた「restaurant eatrip」は2023年12月で閉店。現在は、表参道でグローサリーショップ「eatrip soil」、祐天寺でグローサリーショップや花屋、ギャラリー、バーなどの複合施設「babajiji house」を営む。著書に『とびきりおいしいおうちごはん』(小学館クリエイティブ)などがある。 表参道GYLE4階にあるグロッサリーショップ「eatrip soil」。友里さんが、ただモノを売るだけではなく、そのモノが生まれる環境や、作り手たちの考えを伝えたいと開いたお店です。土の中にいるような感覚にしたい、と内装もそのイメージで作り上げ、バルコニーには畑が!レモン、ゆず、ブラックベリー、ハーブ類……都会の真ん中にあるビルの上とは思えないくらい様々な植物が育っています。 「白い器に彩り美しく盛り付けられた料理は他の方がたくさんしていると思ったので、今日はシンプルなキャロットケーキにしました。」と作ってくれたのは、小麦粉も砂糖も使わないキャロット&アプリコットケーキ。小麦粉と砂糖が得意ではない姪っ子さんのために考えた特別なレシピで、友里さんが信頼する素材で作られています。 前日から仕込んでいたケーキの仕上げは、畑のレモンを獲るところから始まりました。黄色く輝く大きなレモンがたくさんなった木から、楽しそうにレモンを獲ってはエプロンに入れていく友里さん。 畑からつながる店内の小さなキッチンスペースは、時間により日差しがくるくると変化し、明るくてとても気持ちの良い場所です。 キャロットケーキの上に獲ったばかりのレモンをアクセントに乗せ、人参の葉っぱを飾り付けたら、最後に白い器の余白にはちみつを垂らして完成です。 「白い器にしようかなという日は、器の素材感で遊んでみたり、食材が際立つようにすることが多いかな」という友里さん。 ニッコーの工場で出会った「使う人のために気持ちを込めて作られた白い器」に、「食べる人を想う優しい気持ちが込められたケーキ」を合わせてくれました。 <記事内紹介商品> Interview & text Hisako NamekataPhoto by Yuki Furue
野村友里さんが白い器に盛り付けたもの
LOST AND FOUND店頭で配布中の「白い器」の魅力について紹介している小冊子「白い器の話。」(なくなり次第終了)。その中で料理家 野村友里さんと共に、石川県にあるニッコーの工場を見学しました。友里さんの幼少期のボーンチャイナとの出会いや料理を仕事にするきっかけになったことなど、色々な話しを伺いながら工場を巡りました。「物作りは、結局は人の力!皆さんの徹底した手作業こそが、ニッコーらしい温もりを感じる商品になっていくんですね」と語ってくれた様子はぜひ冊子で。こちらでは、そんな温もりのある白い器に合う優しい一品を作っていただきました。 野村友里 料理人。「eatrip」主宰。東京・原宿で営んでいた「restaurant eatrip」は2023年12月で閉店。現在は、表参道でグローサリーショップ「eatrip soil」、祐天寺でグローサリーショップや花屋、ギャラリー、バーなどの複合施設「babajiji house」を営む。著書に『とびきりおいしいおうちごはん』(小学館クリエイティブ)などがある。 表参道GYLE4階にあるグロッサリーショップ「eatrip soil」。友里さんが、ただモノを売るだけではなく、そのモノが生まれる環境や、作り手たちの考えを伝えたいと開いたお店です。土の中にいるような感覚にしたい、と内装もそのイメージで作り上げ、バルコニーには畑が!レモン、ゆず、ブラックベリー、ハーブ類……都会の真ん中にあるビルの上とは思えないくらい様々な植物が育っています。 「白い器に彩り美しく盛り付けられた料理は他の方がたくさんしていると思ったので、今日はシンプルなキャロットケーキにしました。」と作ってくれたのは、小麦粉も砂糖も使わないキャロット&アプリコットケーキ。小麦粉と砂糖が得意ではない姪っ子さんのために考えた特別なレシピで、友里さんが信頼する素材で作られています。 前日から仕込んでいたケーキの仕上げは、畑のレモンを獲るところから始まりました。黄色く輝く大きなレモンがたくさんなった木から、楽しそうにレモンを獲ってはエプロンに入れていく友里さん。 畑からつながる店内の小さなキッチンスペースは、時間により日差しがくるくると変化し、明るくてとても気持ちの良い場所です。 キャロットケーキの上に獲ったばかりのレモンをアクセントに乗せ、人参の葉っぱを飾り付けたら、最後に白い器の余白にはちみつを垂らして完成です。 「白い器にしようかなという日は、器の素材感で遊んでみたり、食材が際立つようにすることが多いかな」という友里さん。 ニッコーの工場で出会った「使う人のために気持ちを込めて作られた白い器」に、「食べる人を想う優しい気持ちが込められたケーキ」を合わせてくれました。 <記事内紹介商品> Interview & text Hisako NamekataPhoto by Yuki Furue