小林和人が選んだもの 「ワインラックの話」

2025/03/07

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。
この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。
今回小林さんが話してくれたのは、ワインラックについてです。

エンツォ・マーリによる、アノニマスなデザイン

小林さん:ワインラックは急を要するものではないので、なかなか手が出せないでいる方も多いのではないでしょうか。でも持っていると、生活がグッと楽しくなる存在だと思います。
今回は、イタリアのデザイン界の巨匠、エンツォ・マーリがデザインした「REXITE CANTINA」のワインラックをご紹介します。
エンツォ・マーリというと、デザインを、企業による販売促進のためではなく、或る課題に対して解を与えるための手段として捉えていたような印象を受けます。例えばこのワインラックは、一見するとデザイナーが介在していないかのようです。しかし、よく見ると12本のワインボトルを小スペースにいかに収めるかが考え抜かれ、それが必要最低限の要素で成り立っていることが分かります。僕はそんなアノニマスな佇まいでありながら、細部にまできちんと練られたデザインであるところがとても気に入っています。

シンプルな構造で最大限の効果

小林さん:もしもワインが12本以上になったときはどうしたら良いか。そんなワイン愛好家の悩みに対して、上に重ねてスタッキングすることができるという、シンプルな構造で応えているところも素晴らしい。最小限の手数で最大限の効果をあげているデザインのお手本のようなプロダクトだと思います。
そして、このタイムレスな佇まいはどんな空間にも馴染むのではないでしょうか。現代的な空間はもちろん、ヴィンテージの家具を基調とした味のある部屋にもアクセントになってくれそうです。

ギフト選びで心がけること

小林さん:外装の箱も、抜かりないデザイン。図面がそのままパッケージになったかのようなデザインがカッコいいですよね。捨てずに取っておきたくもあり、贈り物にもおすすめです。それこそ新築祝いや結婚祝いなどにも喜ばれそうです。
ギフトを選ぶとき、相手が持っていたり、他の人と被ったりするかもしれないという心配がよくありますが、これなら大丈夫です。なぜならこれは連結できるのだから!笑

<記事内紹介商品>

小林 和人 @kazutokobayashi
1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。
「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。

interview & text by Sahoko Seki
photo by Naoki Yamashita

※記事に価格の掲載がある場合、表示価格は投稿当時のものとなります。

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