白い器に込められた、愛|行方ひさことJUNNAの石川県訪問 Page4

白い器に込められた、愛

こうして、ようやく製品が誕生する。
NIKKOでは、自社製品はもちろん、数々の名だたるブランドの器も生産している。その種類は約2200種にも及ぶそうだ。
もちろん、形状も様々で、それによって使用する機械を選び、型を作り、職人の手をかける。
1908年から113年の歴史で培った知恵と技術が、しっかりと詰まっているのだ。

ひさこさん:「スタッフの方、一人一人から『自分がNIKKOの食器製作に携わっている』というプロ意識の高さとプライドを感じました。それは、私たちが質問したことへの受け答えだったり、製作過程での目の動きや集中力などから感じ取れるものでした。
変わらないことをよしとしているのではなく、その時代の“ベーシック”を、時代に合わせてアップデートしている。製作過程もデザインも、古いものを大切にしながら、新しいエッセンスを加えてきちんと現代に落とし込んでいるところが、さすがだなぁと思いました。」

JUNNAさん:「シンプルが故の、奥深さに驚きました。一枚のお皿ができるまでには、本当にたくさんの方の手がかけられている。それはお洋服とも同じで、少し誇らしくも感じました。愛がいっぱいのお皿を、大事に使い続けたいと思います。」

ひさこさん:「JUNNAちゃんは元同業者、ファッションディレクターとして、工場見学の視点が似てましたね。
彼女は消費者のことも考えながら、きちんと環境問題のことも考えている。客観と主観のバランスが素晴らしい人だと思う。本当に真摯に物づくりに取り組もうとしているのを知っているから、ご一緒できて嬉しかったです!」

時が経っても色褪せることのないよう、細部にまでこだわりを詰めたREMASTEREDは、愛の詰まった美しい器だ。
世の中のサイクルがどんなに加速しても、そして使う人のライフステージが変化していったとしても、変わらずに愛され続けていくだろう。

行方ひさこ @hisakonamekata
ブランディング ディレクター
アパレル会社の経営、ファッションやライフスタイルブランドのディレクション経験を活かし、食や工芸、地域創生などローカルに通じる幅広い分野で活動中。コンセプトワークや商品開発を通じ、トータルでブランドの価値を創り上げていく。

ジュンナ @junna
「ETRÉ TOKYO」クリエイティブディレクター
東京都出身。タレント、DJ、MC、女優、ダンサーとしてマルチに活躍後、アパレルブランドのブランディングやアートディレクション、SNSコミュニケーションを手掛ける。2016年に開催された次世代インフルエンサーオーディションのグランプリを獲得し、「ETRÉ TOKYO」のクリエイティブディレクターに抜擢される。


text by Sahoko Seki
photo by Naoki Yamashita

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