1963年に作られた窯の中を探検!?
ここまでの作業の後、ようやく窯で品物を焼き固めていく。
窯の中は徐々に温度が上がっていき、1250℃で焼成、出てくるときに品物が冷やされるまで、ちょうど24時間がかかるという。
しかしこのライン、10年前まではなんと72時間もかかっていたそう。
1963年に作られ、10年前までずっと使われていたという煉瓦造りの窯が、工場内に象徴的に残されている。
二人も中に潜入!ここで、いくつもの名品が焼かれていた…。
そんな歴史を思いながら、長く薄暗い窯の中を通るという貴重な体験だった。
1回目の焼成が終わったら、1回目の検査が行われる。
規格の寸法通りに焼きあがっているか、黒い点、異物の付着、また素地のキレや割れ、歪みなどの欠点がないか、一つひとつ検査員の手で検査され、それらをクリアしたものだけが次の工程へ。
艶やかに、美しくなっていく器たち
続いて、二人が興奮した工程へ。
ここまでの時点では、ザラッとしたマットな触感だった品物を、研磨していくラインだ。サークル型の大きな機械の中に大量の小石が振動している。
ひさこさん、JUNNAさん:「え?ここに器を入れちゃうの?」
口を揃えて驚いている二人を横目に、スタッフの方がどんどん品物を入れたり出したりしている。機械の中で小さな石が振動することで、品物の表面を細かく磨いているというのだ。
研磨機から1周してきた品物は、ツルッとした清々しい表情になって出てくる。見事に、一皮むけた。
機械に触れ、石を触ったりしながら何度も確かめ、「考えた人はすごい!」 と連呼する二人が印象的だ。
研磨した品物は洗浄機で水洗いして乾燥させた後、暗がりにライトをひとつだけ付けたスペースで、一人の女性がまた検査をしている。
ライトの光を照らしながら、亀裂や異物がないかを入念にチェックしている。
JUNNAさん:「これはまた忍耐力のいる作業!」
さらに二人の心をガッチリと掴んだラインへ。
品物にREMASTEREDのロゴマークを入れる工程だ。パット印刷機と呼ばれるものに、品物を1枚ずつ手でセットし、ハンコのようにマークがスタンプされていく。
ハンコの部分がお餅のように柔らかく、何ともかわいらしい機械で二人の表情も和らぐ。
ひさこさん:「ずっと見ていられる!」
と言いながら、結局10分ほど見入ってしまった。
さらに光沢を出すために、釉薬を品物につけていくラインへ。
品物が一枚ずつ設置され、くるくると回転しながら、スプレーで噴射される釉薬を纏っていく。そのまま乾燥させるために直火をあて、1周した品物は2回目の焼成へと向かう。
品物が回転しながら、スプレーを浴びたり火を浴びたりしていく様を見て、
JUNNAさん:「ディズニーランドのアトラクションみたい!」
そう笑いながら、再びシャッターを切る。
先ほどのラインでは釉薬が均一につかない形は、釉薬の中に直接品物を入れる「ディッピング」という方法をとる。
ただ付けるだけの単純な作業ではなく、場所によっての偏りをなくすための熟練の技が必要な作業だという。
釉薬がついた品物は、もう一度窯で焼成する。 「釉焼(ゆうしょう)」というラインで、台車の上に乗せたサヤに品物を乗せ、1120℃で16時間焼くと、ようやく光輝く白が現れる。