LOST AND FOUNDは、大切に作られたのに埋もれてしまっている物に再び光を当て、長く愛用できる日用品の数々を集めた、1908年石川県で創業の陶磁器メーカーNIKKO発のジェネラルストアです。
3周年を迎え、LOST AND FOUNDでは、NIKKOの歴史に光をあて、石川県の自社工場で確かな品質と品位を持ちながらプロユースクオリティの洋食器を開発・生産し続ける創業から116年の歴史をひも解きます。
NIKKOは、国内外のデザイナーと陶磁器の開発を行い、国内・世界へ発信しています。
かつて、1990年代には日本のモダンデザイン食器の製造も手掛けています。3周年を記念して、日本を代表するデザイナー 柳宗理・會田雄亮 2名の復刻アイテムを発売開始いたします。
柳宗理ボーンチャイナシリーズ KIKYO(ききょう)
「松村硬質陶器N型シリーズ」を復刻した柳宗理ボーンチャイナシリーズに次ぐ、「松村硬質陶器KIKYOシリーズ」の復刻版です。
戦後間もない1948年頃に柳宗理がデザインした「KIKYOシリーズ」は、柳には珍しい絵付きの器です。
柳 宗理(1915-2011)
MoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久所蔵に認定されている「バタフライスツール」などの家具類をはじめ、キッチンウェア、テーブルウエア、東京オリンピック聖火トーチホルダー、関越自動車道関越トンネル抗口、歩道橋など広範囲なデザインを手掛け、その作品は日本だけでなく世界中の人々に愛用されています。2002年にはその功績が評価され、文化功労者に顕彰されました。生前、約50年に渡り金沢美術工芸大学客員教授も務めていました。
当時の海外市場では模様入りの陶器が一般的であったため、柳が初めて手がけた白無地の「松村硬質陶器初期型シリーズ」に加えて、絵付きの一群もデザインされました。柳氏が絵を加えたデザインのプロダクトは数少なく、大変貴重なものとなっています。
絵柄の由来は定かではありませんが、この繊細なモチーフは柳宗理自身によって描かれたものであり、当時の釉薬に溶け込んだ表情をイングレーズ加工という技法を用いて、焼成後の仕上がりを確認しながら純白のNIKKO FINE BONE CHINAに再現しています。
ニッコーの高度な転写技術により、75年の歳月を経てリデザインされたシリーズです。
柳宗理は石川県の金沢美術工芸大学で50年近く教鞭を取っていました。
没後は、作品や資料を若い学生に活用して欲しいという思いで、ゆかりある金沢美術工芸大学および、金沢市に対して作品や資料を寄贈しています。
この経緯から、当時の貴重な「松村硬質陶器シリーズ KIKYO」の現物は現在、金沢市の倉庫に収蔵されています。
復刻にあたっては1点しかない現物を高精細に撮影し、写真を元に形と絵柄を起こしました。約2年半の開発期間を経て、苦労の末に叶った復刻アイテムです。
また、「柳宗理 ボーンチャイナシリーズ KIKYO」のベースとなっているのは、白無地の器「松村硬質陶器N型シリーズ」を、1990年にNIKKO FINE BONE CHINAで復刻した「柳宗理 ボーンチャイナシリーズ」です。
<商品ラインナップ>
11/28(木) 11:00~発売予定
柳宗理 ボーンチャイナシリーズ
柳宗理の初期の代表作「松村硬質陶器N型シリーズ」は戦後のグッドデザイン運動(商品の品質向上を目指し、合わせて近代的な生活を実現しようという運動)の隆盛にのって広く流通しました。
松村硬質陶器シリーズが発表された当時の国内市場は模様付の陶器が一般的で、「無地の陶器は半製品」と言われなかなか理解がされない中、銀座の喫茶店で使用されるようになると、少しずつ広まりをみせていったと言われています。
そして、戦争により日本のものづくりが大きな打撃を受け、大量生産の製品に対し日本でも徐々にデザイン振興の機運が高まる中、松村硬質硬質陶器の「N型シリーズ」が発表され、様々な雑誌や新聞で取り上げられ、人気を博すこととなっていきました。
その後、1980年代には既に廃番となっていましたが、透明感のある美しさを備えたニッコーのボーンチャイナに素材を変えてリ・デザインされ、1990年に復刻され、戦後日本を代表するテーブルウエアとして今もなお多くの人に愛され続けています。
かつてのアーカイブからの再現と、1つ1つの佇まいのデザインにこだわり抜き、この度、そのN型シリーズから新たに、プラター 32cm・サラダボウル 13cm・23cmの3アイテム ※も追加復刻しました。
※こちらのアイテムはLOST AND FOUND TOKYO STORE 店舗と、NIKKO公式オンラインショップでの販売です。