BONEARTH TABLE開催直前!料理家・ワタナベマキさんが農家を訪ねる

フードイベント「BONEARTH TABLE」の開催を前に、料理家・ワタナベマキさんと共に「BONEARTH®(ボナース)」で野菜を育てる農家「アグリコネクト」(東京・日の出町)を訪ねてきました。

NIKKOが開発した、世界初の捨てられる食器から生まれた肥料、ボナースで育てた野菜を使って、マキさんが色鮮やかな夏らしい料理の数々を考案。マキさんが目の前で調理をしてもてなすという、なんとも贅沢な1日を前に、その野菜がどのように育てられているのか、実際に見てみたい!ということで訪問が実現しました。

7月初旬、暑さがどんどん厳しくなってきた頃、それでも午前中はいくぶんか気温が低いだろうと10時に現地に集合。
今回伺ったアグリコネクトは、元々神楽坂で「神楽坂野菜計画」という八百屋を運営しており、5年前に日の出町で農業を始めたといいます。

アグリコネクト・河合洋輔さん:人気のサラダハーブは路地での栽培のみだったので、1年のうちに5ヶ月しか収穫できなかったんです。会社化してハウスを建て、今まで収穫できなかった夏と冬も含めて通年栽培、通年出荷をはじめました。でも作物が育ちづらい時期にどうしたら野菜が元気に育つのか…長い研究の日々が続きました。
通年出荷できると言えるようになったのは、実は5年やっていてやっと去年からなんです。栽培の技術がついてきていて、様々な問題に対処できるようになってきました。

ルッコラを試食するマキさん

6棟あるビニールハウスで、1週間ごとに種をまくタイミングをずらしながら、収穫し続けるスタイル。しかししゃがみながら6時間以上かかる収穫は想像以上に大変そうです。

アグリコネクト・阿部智宏さん:収穫は1枚1枚目視しながら、美味しそうな葉っぱのみを手摘みしているので、マンパワーでやるしかありません。今は週に3日、収穫しているので、大変ではありますが、1番楽しい作業でもあります。

そうやって手間をかけて作られるサラダハーブとは、ケール、ルッコラ、からし菜、わさび菜の4種類の葉物野菜。ケールだけは、夏の暑さや冬の寒さで枯れることのない強さがあるので、ビニールハウスではなく外で育てているということで、一同ケール畑へ。
ボナーステーブルで実際に使用するケールの畑を目の前に、興奮気味のマキさん。(TOPの写真がケール畑)

マキさん:大きなブロッコリーのよう!こうやってできているんですね、知りませんでした。茎は食べられないんですか?

アグリコネクト・阿部智宏さん:茎は食べられないんです。実は下の方にも葉はついていますが、夏は過密にすると虫がよってきてしまうので、きれいに取っています。春秋冬はもじゃもじゃしているんですよ。

マキさん:季節によって味は変わりますか?

アグリコネクト・河合洋輔さん:そうですね。春は春キャベツのように葉が柔らかいので生で、冬はかたいのですが甘みが強く火入れするのがおすすめです。

マキさん:今回のイベントではこれを使わせていただけるんですよね(と言いながらその場で味見をさせていただく)。とてもやわらかくておいしい!

マキさん自身、ご自宅からほど近い広大な畑の一角を借りて、様々な野菜を育てているので、農業の大変さとともに、愛情を持って育てた野菜の本当の美味しさを痛感しているといいます。

マキさん:最近は枝豆や空芯菜、落花生なんかも育てているんですよ。

野菜や果物の価格変動に苦しみ、また見た目が悪いものは市場に出すことすらできないという現状に頭を悩ませる農家は多いといいます。

マキさん:皆さんの生産を見ていると、野菜がどうやって作られているかを理解し、感謝しながらちゃんとした価格で購入したいと、つくづく思いますね。

アグリコネクトでは、いくつもある畑の中で、ボナースを使うべきかを見極めながら使っているのだそう。

アグリコネクト・阿部智宏さん:このあたりでは、火山灰土と言って、そもそもリン酸を吸収しづらい土があります。人工的にリン酸を供給してあげないと、なかなか吸収できない土なんです。畑の場所は時期によって植えるものが異なるので、土のバランスを見ながら、ボナースを使うかどうかを決めています。

マキさん:土のバランスはどうやって見るのでしょう。

アグリコネクト・阿部智宏さん:カルシウム、マグネシウム、ミネラル、窒素…などの栄養素のバランス見て、それを補うための肥料をあげています。我々は簡易の検査キットを使ったり、専門機関に土を送ることで、より詳しい成分を出してもらい、土のバランスを常に見ながら肥料設計を整えています。

今やボナースがなくてはならない肥料だと言いながらも、その価格に本音がポロリ。

アグリコネクト・阿部智宏さん:通常の肥料に比べると、ボナースは高いですよね。もう少し下がったらなぁ…。

ボナースの活動は始まったばかりで、実は農家にとっては価格が高いのが現状です。半永久的に使えるという利点はありながら、レストラン・農作物生産者・生活者と共に、食をとりまく循環をつくりあげていくことを目指すために、課題も多くあります。

変化にブレーキをかけず、挑戦し続ける彼らの姿勢に我々も続いていきたいと感じた訪問になりました。

アグリコネクト・阿部智宏さん:サラダハーブ以外にも季節の野菜に今年は挑戦して、ノウハウをどんどん貯めていきたい。考え、実行し続けたら必ず技術力は上がっていくのだから。

今回マキさんと試食したケールは、「オーガニック・エコフェスタ(※)」で最優秀賞を目指していると言います。それは何も夢のような話ではない。2021年にはルッコラ部門で最優秀賞を獲得した彼らが、満を持して生産したケールなのだから!

フードイベント「BONEARTH TABLE」では、この力強いケールを味わえるひと皿「ケールと夏野菜のキヌアライス」も楽しむことができます。
ワタナベマキさんによる全4皿の涼やかなメニューは、全てボナースの原料となるNIKKO FINE BONE CHINAで作られた、「REMASTERED」のテーブルウエアに盛り付けられます。おいしい料理を楽しみながら、是非一緒に食の未来を考えていきましょう。

※オーガニックエコフェスタ 
消費者と生産者にオーガニックの魅力と重要性を伝えること、そしてオーガニック栽培に取り組む生産者を支援する目的で2012年に初開催されたイベント。毎年、野菜の種類別に栄養価コンテストを行い、最優秀賞を決めている。

特別に、ケールと夏野菜のキヌアライスのレシピを公開!

ケールと夏野菜のキヌアライス

【ケールソテー】
・ケール 150g
・白ワイン 大さじ1
・レモン汁 大さじ1
・にんにく(つぶす) 1片
・しょうゆ 小さじ1
・塩 小さじ1/3
・ピーナッツオイル 小さじ2

① ケールは太い芯をのぞき、2cm幅に切る
② フライパンにオイルとにんにくを入れ、弱火で熱し香りがたったら①を入れて中火にし、白ワイン、塩を加えて蓋をして3分ほど蒸し炒めをする
③ レモン汁、醤油を加えて和える

【ビーツのマリネ】
・ビーツ 小1個(200g)
・赤ワインビネガー 大さじ1
・塩 小さじ1/3
・粗びき黒こしょう 少々
・オリーブオイル 小さじ2

① ビーツは皮をむき細切りにし、蒸し器で7分蒸す
② 温かいうちに、赤ワインビネガー、塩、オリーブオイルでマリネしこしょうをふる

【ズッキーニのクミンマリネ】
・ズッキーニ 1本(250g)
・クミンシード 小さじ1
・にんにく(つぶす) 1片
・塩 小さじ1/3
・オリーブオイル 小さじ2

① 薄切りにしたズッキーニは塩をふり、しんなりするまでおいて軽く絞る
② クミンシードはフライパンで乾煎りし、香りがたったら①と和え、にんにく、塩、オリーブオイルを加えてさっと混ぜる

【キヌアライス】
(作りやすい分量)
・米 1.5合
・キヌア 大さじ5
・ローリエ 1枚
・塩 小さじ1/3
・水 400ml

① 米とキヌアは洗ってざるにあげる
② 鍋に①、ローリエ、塩、水を入れて10分浸水させ、強火にかける
③ 煮立ったら弱火にして12分炊き、10秒ほど強火にしたら火を消して15分蒸らす
④ キヌアライスに、各々のソテーとマリネを盛り付け、混ぜながら食べる!

【スパイスデュカ】
(作りやすい分量)
・アーモンド 80g
・キャラウェイシード 大さじ1
・塩 小さじ2/3
・粗びき黒こしょう 少々

① アーモンドはローストして粗く砕く
② キャラウェイシードはフライパンで香りがするまで乾煎りする
③ ①に②とカルダモンパウダー、塩、こしょうを合わせる


<BONEARTH TABLE> 
2023年7月22日(土)
11:30〜12:40 / 13:00〜14:10 / 14:30〜15:40
※終了時間は目安になります。ご了承ください。
場所:LOST AND FOUND TOKYO STORE / B1F NIKKO SHOW ROOM
定員:各回8名様
価格:1,800円+tax (※店舗にてお支払いをお願いいたします。)

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interview & text by Sahoko Seki photo by Naoki Yamashita

※記事に価格の掲載がある場合、表示価格は投稿当時のものとなります。

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