ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。
この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。
今回小林さんが話してくれたのは、「ありきたり、なのに使いやすい。」家事アイテムが揃う、「家事問屋」についてです。
ハマる、水切りバスケット
小林さん:日用品の店で、どんな水切りかごを取り扱っているかで、その店の方向性が分かります。そういう意味で、LOST AND FOUNDのセレクトの方向性を示す上で申し分のない水切りかごが、この家事問屋の「スリム水切りバスケット」です。
シンクと壁との間にあるちょっとしたスペースに綺麗に収まるのが特徴で、
サイズ展開もシンクの奥行きに合わせて2種類あります。見た目以上に十分な量のお皿が入り、オプションで「箸ポケット」などを付けることもできます。
ありきたりに見えて、ありきたりじゃない
小林さん:トレーの部分はエンボス加工になっていて、水垢が目立ちづらい。もちろん取り外しができるので、トレーだけを洗うこともできます。
ぱっと見た感じはありきたりの様でいて、よく見ると真面目に練られた細かな配慮が全然ありきたりじゃない。そういうところが家事問屋の製品の優れたところだと思います。
LOST AND FOUNDでは、そういう物をセレクトしていきたいですね。
暮らしの隙間にすっと入り込むもの
小林さん:続いては“隙間”商品、シンクの「水止めキャップ」です。これは店頭でも質問が多いようですが、シンクに水を貯めるときに使うもの。漬け置き洗いの際などに便利ですよね。
小林さん:そして「保存缶」。何でもないような缶ですが、あったら意外と便利っていう。僕なら、綿棒のストックとか、服を買ったときのスペアボタン入れにしても良いですね。ボタンてすぐなくなっちゃうじゃないですか。そういうものを入れておいたりして。
暮らしの隙間にすっと入り込むような、こういうアイテムは好きですねぇ。
汎用性と専門性
小林さん:今度は用途をぐっと絞り込んで専門性を追求した「ワンドリップポット」。
150mlの目盛りが付いており、カップ一杯分のコーヒーを淹れるお湯を注ぐことを追求する、その潔いあり方に惹かれます。
食卓にある小さなプランターの水やりなんかにも良いですね。主張しすぎない佇まいは、カーテンレールなんかに引っ掛けておいても気になりません。
家事問屋は、高い専門性がありながら他の使い方にも転用できる汎用性があり、ドイツ製品に通じる質実剛健な感じも良いですね。
日用品店に足を運ぶとき、必ずチェックする物がそれぞれにあるものだ。そこで自分なりに店の判断を下したりする。キッチンに必ず必要な水切りバスケットは、多くの方にとって、その判断基準となるものかもしれない。
小林さんが悩んだ末にようやく出合い、太鼓判を押した「家事問屋」のバスケットは、LOST AND FOUNDでも人気の商品となっている。
「家事問屋」のアイテム、これからもラインナップが増えていく予定だそう!
<記事内紹介商品>
小林 和人 @kazutokobayashi
1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。
「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。
interview & text by Sahoko Seki
photo by Naoki Yamashita
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