JOURNAL

小林和人が選んだもの 「BONDI WASHの話」

小林和人が選んだもの 「BONDI WASHの話」

2023/01/26

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、家事にご褒美をくれる!?「BONDI WASH」についてです。 オーストラリアらしいWASHブランド 小林さん:掃除、洗濯、食器洗い用から、ベビー用やペット用まで様々な用途が揃ったBONDI WASHは、その名のとおりオーストラリア・ボンダイで創業したブランドです。石油由来の原料は一切使用せず、99%〜100%が植物由来成分から成るにもかかわらず洗浄力はしっかり確保するという、人体や環境への配慮と実際の機能を両立させた製品であることが特徴です。実は小さい頃、メルボルンに2年半くらい住んでいたことがあり、親近感がわくんですよ。でもボンダイビーチは行ったことがないので、いつか行ってみたいですね。 家事をした後のご褒美 小林さん:ここの製品はどれも香りがとても良いのが特徴なんです。例えば窓ガラスや鏡の掃除に適したグラススプレーは、シドニーペパーミントとローズマリーのすっとする爽やかな香りであったり、住宅の壁や床、ドアなど多用途に使えるベンチスプレーは、タスマニアンペッパーとオーストラリアンラベンダーの和らぐ香りにほっとします。オーストラリアはラベンダー生産でも有名で、自然素材をベースとした石鹸やエッセンシャルオイルなどの小規模生産者も多いんですよね。掃除をした後に良い香りが立ち上がるっていうのは、ちょっとご褒美みたいな。家事のモチベーションを上げてくれます。 掃除のアルバイト経験 小林さん:(窓ガラスを拭きながら)吹き上げるの、好きかもしれないですね。枠を決めて、口の字の内側を塗りつぶしていくんです。実は昔、掃除のアルバイトをしていたんですよ。閉店後の店舗の床やガラスを掃除するっていう。洗剤をバケツに入れて水で溶き、タオルを絞って吹いていって。最後に乾いたウェスで吹き上げます。BONDI WASHみたいに良いものじゃなかったから手はカサカサだったけど、今となっては懐かしいですね(笑)。 家に馴染むデザイン 小林さん:パッケージのグラフィックも商品をセレクトする上で重要な要素なんですが、このスッキリした雰囲気がいいですよね。ハンドウォッシュとかって、妙にラグジュアリー感が出過ぎても違うし、家に馴染むちょうど良い感じが気に入っています。頑張る姿を誰からも見られることのない日々の家事仕事であっても、拭き上げた場所からフワッと良い香りがしたら、ちょっと励まされるかもしれない。自然の恵みがもたらす香りのBONDI WASHがあれば、家中の掃除洗濯を心地よくできるはずだ。犬用WASHの紹介は、昔犬を飼っていたという小林さんが、他の犬アイテムとともにご紹介するとのことで、「犬の話はとっておきますね」 <記事内紹介商品> BONDI WASH グラススプレー シドニーペパーミント&ローズマリー 500ml ¥2,640 BONDI WASH ベンチスプレー タスマニアンペッパー&ラベンダー 500ml ¥3,300 小林...

小林和人が選んだもの 「BONDI WASHの話」

2023/01/26

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、家事にご褒美をくれる!?「BONDI WASH」についてです。 オーストラリアらしいWASHブランド 小林さん:掃除、洗濯、食器洗い用から、ベビー用やペット用まで様々な用途が揃ったBONDI WASHは、その名のとおりオーストラリア・ボンダイで創業したブランドです。石油由来の原料は一切使用せず、99%〜100%が植物由来成分から成るにもかかわらず洗浄力はしっかり確保するという、人体や環境への配慮と実際の機能を両立させた製品であることが特徴です。実は小さい頃、メルボルンに2年半くらい住んでいたことがあり、親近感がわくんですよ。でもボンダイビーチは行ったことがないので、いつか行ってみたいですね。 家事をした後のご褒美 小林さん:ここの製品はどれも香りがとても良いのが特徴なんです。例えば窓ガラスや鏡の掃除に適したグラススプレーは、シドニーペパーミントとローズマリーのすっとする爽やかな香りであったり、住宅の壁や床、ドアなど多用途に使えるベンチスプレーは、タスマニアンペッパーとオーストラリアンラベンダーの和らぐ香りにほっとします。オーストラリアはラベンダー生産でも有名で、自然素材をベースとした石鹸やエッセンシャルオイルなどの小規模生産者も多いんですよね。掃除をした後に良い香りが立ち上がるっていうのは、ちょっとご褒美みたいな。家事のモチベーションを上げてくれます。 掃除のアルバイト経験 小林さん:(窓ガラスを拭きながら)吹き上げるの、好きかもしれないですね。枠を決めて、口の字の内側を塗りつぶしていくんです。実は昔、掃除のアルバイトをしていたんですよ。閉店後の店舗の床やガラスを掃除するっていう。洗剤をバケツに入れて水で溶き、タオルを絞って吹いていって。最後に乾いたウェスで吹き上げます。BONDI WASHみたいに良いものじゃなかったから手はカサカサだったけど、今となっては懐かしいですね(笑)。 家に馴染むデザイン 小林さん:パッケージのグラフィックも商品をセレクトする上で重要な要素なんですが、このスッキリした雰囲気がいいですよね。ハンドウォッシュとかって、妙にラグジュアリー感が出過ぎても違うし、家に馴染むちょうど良い感じが気に入っています。頑張る姿を誰からも見られることのない日々の家事仕事であっても、拭き上げた場所からフワッと良い香りがしたら、ちょっと励まされるかもしれない。自然の恵みがもたらす香りのBONDI WASHがあれば、家中の掃除洗濯を心地よくできるはずだ。犬用WASHの紹介は、昔犬を飼っていたという小林さんが、他の犬アイテムとともにご紹介するとのことで、「犬の話はとっておきますね」 <記事内紹介商品> BONDI WASH グラススプレー シドニーペパーミント&ローズマリー 500ml ¥2,640 BONDI WASH ベンチスプレー タスマニアンペッパー&ラベンダー 500ml ¥3,300 小林...

セレクター 小林和人氏が選ぶ、LOST AND FOUNDなホリデーギフト

セレクター 小林和人氏が選ぶ、LOST AND FOUNDなホリデーギフト

2022/12/01

ホリデーシーズンがやってきました。LOST AND FOUND の長く愛用できる日用品は、贈る人も受け取る人も、記憶に残るギフトになるはず。セレクター小林和人さんに、テーマ別にギフトセットをセレクトいただきLOST AND FOUNDのオリジナルギフト巾着袋でラッピング。お世話になった方や大切な人を思い浮かべながらギフト選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。 RECOMMEND SET - TABLE - 小林さん:理化学医療用の耐熱ガラス製品メーカーとしての蓄積が息づいている、小泉硝子製作所のhoyapotは、職人による手吹きというところも魅力です。セットに選んだのはニッコーのボーンチャイナで復刻された柳宗理のコーヒーカップ&ソーサー。どちらも100年以上もの間、日本で物づくりを続けるメーカーによる製品です。 小泉硝子製作所 hoyapot 革ホルダーセット ¥7,150 IF YOU CARE 無漂白コーヒーフィルター No.2 100枚入り (1〜2杯用) ¥660 LOST AND FOUND ギフトバッグ (M) ¥440...

セレクター 小林和人氏が選ぶ、LOST AND FOUNDなホリデーギフト

2022/12/01

ホリデーシーズンがやってきました。LOST AND FOUND の長く愛用できる日用品は、贈る人も受け取る人も、記憶に残るギフトになるはず。セレクター小林和人さんに、テーマ別にギフトセットをセレクトいただきLOST AND FOUNDのオリジナルギフト巾着袋でラッピング。お世話になった方や大切な人を思い浮かべながらギフト選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。 RECOMMEND SET - TABLE - 小林さん:理化学医療用の耐熱ガラス製品メーカーとしての蓄積が息づいている、小泉硝子製作所のhoyapotは、職人による手吹きというところも魅力です。セットに選んだのはニッコーのボーンチャイナで復刻された柳宗理のコーヒーカップ&ソーサー。どちらも100年以上もの間、日本で物づくりを続けるメーカーによる製品です。 小泉硝子製作所 hoyapot 革ホルダーセット ¥7,150 IF YOU CARE 無漂白コーヒーフィルター No.2 100枚入り (1〜2杯用) ¥660 LOST AND FOUND ギフトバッグ (M) ¥440...

小林和人が選んだもの 「ゴミ箱の話」

小林和人が選んだもの 「ゴミ箱の話」

2022/08/26

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、ちょうど良いデザインの「ゴミ箱」についてです。 使っている意識がないくらいの存在感 小林さん:ゴミ箱には、自分の仕事を淡々と、粛々とこなしてくれれば良いと思っています。こういうものが必要以上にスタイリッシュだと気恥ずかしくて(笑)。余計な主張が前に出過ぎていても結局飽きちゃうし、毎日目に入るものなのでそっけないくらいが良いんじゃないかと思います。使っている意識がないくらいの存在感。 そんな目線で紹介したいのが3種のゴミ箱です。どれもドイツ製。ドイツ=質実剛健というのは紋切り型ではありつつも、結局そうだなと思いますね。 灰皿のようなゴミ箱 小林さん:まずは『DURABLE』の消火蓋付きのステンレスゴミ箱です。名前のとおり、“丈夫な”という意味を持つブランド。 外形に比べて内側の穴の径が小さく、傾斜がついています。もし燃えているものが入っちゃったとしても、中で空気がうまく対流して自動的に酸欠状態に。灰皿でもこの形があるのは、同じような考えがあるのかもしれません。僕ならオフィスか、耐久性のあるステンレスで錆びたりする心配はないので洗面所やキッチンでも使いたいですね。 気遣い上手なゴミ箱 小林さん:次は『HAILO』のフットペタル式のゴミ箱です。踏みやすいフットペタルで蓋が開き、そしてゴミを捨てた後は蓋がゆっくり閉まるという気遣い。そっけないふりをしておいて、気遣い上手なんですよね。そういう人でありたいなと思います(笑)。ドレッサーの下に使いたい。サイズが大きいものはオムツ用にも!」 真四角なゴミ箱 小林さん:同じく『HAILO』の大きいサイズのゴミ箱。我が家では壁が白いので、真っ白なボディのものを使っています。白でも上のパーツが黒いのでメリハリがあり、ほっこりしすぎないんです。そしてここまで真四角なものってあまりないんですよね。 内開きの蓋は軽く触れるくらいでスムーズに開きます。要注意事項としては、例えばゴミ箱の上にかかったタオルが知らない間に落ちると、音もなく静かにサッと入ってしまうこと。スムーズすぎて物が消えてしまうことも(笑)! ゴミ箱を使わない日はない。毎日使うものにどんなことを求めるのか……“使っている意識がないくらいの存在感でありながら、気遣い上手な一面を持っている”そんな目線で、ゴミ箱はもちろん、日々をともに過ごす日用品がずらりと並ぶLOST AND FOUNDでの物選びを楽しんでいただきたい。 <記事内紹介商品> DURABLE Basket Stainless 15 ¥9,900 Hailo ハイロ ピュア S 3.0L ¥12,100...

小林和人が選んだもの 「ゴミ箱の話」

2022/08/26

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、ちょうど良いデザインの「ゴミ箱」についてです。 使っている意識がないくらいの存在感 小林さん:ゴミ箱には、自分の仕事を淡々と、粛々とこなしてくれれば良いと思っています。こういうものが必要以上にスタイリッシュだと気恥ずかしくて(笑)。余計な主張が前に出過ぎていても結局飽きちゃうし、毎日目に入るものなのでそっけないくらいが良いんじゃないかと思います。使っている意識がないくらいの存在感。 そんな目線で紹介したいのが3種のゴミ箱です。どれもドイツ製。ドイツ=質実剛健というのは紋切り型ではありつつも、結局そうだなと思いますね。 灰皿のようなゴミ箱 小林さん:まずは『DURABLE』の消火蓋付きのステンレスゴミ箱です。名前のとおり、“丈夫な”という意味を持つブランド。 外形に比べて内側の穴の径が小さく、傾斜がついています。もし燃えているものが入っちゃったとしても、中で空気がうまく対流して自動的に酸欠状態に。灰皿でもこの形があるのは、同じような考えがあるのかもしれません。僕ならオフィスか、耐久性のあるステンレスで錆びたりする心配はないので洗面所やキッチンでも使いたいですね。 気遣い上手なゴミ箱 小林さん:次は『HAILO』のフットペタル式のゴミ箱です。踏みやすいフットペタルで蓋が開き、そしてゴミを捨てた後は蓋がゆっくり閉まるという気遣い。そっけないふりをしておいて、気遣い上手なんですよね。そういう人でありたいなと思います(笑)。ドレッサーの下に使いたい。サイズが大きいものはオムツ用にも!」 真四角なゴミ箱 小林さん:同じく『HAILO』の大きいサイズのゴミ箱。我が家では壁が白いので、真っ白なボディのものを使っています。白でも上のパーツが黒いのでメリハリがあり、ほっこりしすぎないんです。そしてここまで真四角なものってあまりないんですよね。 内開きの蓋は軽く触れるくらいでスムーズに開きます。要注意事項としては、例えばゴミ箱の上にかかったタオルが知らない間に落ちると、音もなく静かにサッと入ってしまうこと。スムーズすぎて物が消えてしまうことも(笑)! ゴミ箱を使わない日はない。毎日使うものにどんなことを求めるのか……“使っている意識がないくらいの存在感でありながら、気遣い上手な一面を持っている”そんな目線で、ゴミ箱はもちろん、日々をともに過ごす日用品がずらりと並ぶLOST AND FOUNDでの物選びを楽しんでいただきたい。 <記事内紹介商品> DURABLE Basket Stainless 15 ¥9,900 Hailo ハイロ ピュア S 3.0L ¥12,100...

小林和人が選んだもの 「家事問屋の話」

小林和人が選んだもの 「家事問屋の話」

2022/06/03

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、「ありきたり、なのに使いやすい。」家事アイテムが揃う、「家事問屋」についてです。 ハマる、水切りバスケット 小林さん:日用品の店で、どんな水切りかごを取り扱っているかで、その店の方向性が分かります。そういう意味で、LOST AND FOUNDのセレクトの方向性を示す上で申し分のない水切りかごが、この家事問屋の「スリム水切りバスケット」です。シンクと壁との間にあるちょっとしたスペースに綺麗に収まるのが特徴で、サイズ展開もシンクの奥行きに合わせて2種類あります。見た目以上に十分な量のお皿が入り、オプションで「箸ポケット」などを付けることもできます。 ありきたりに見えて、ありきたりじゃない 小林さん:トレーの部分はエンボス加工になっていて、水垢が目立ちづらい。もちろん取り外しができるので、トレーだけを洗うこともできます。ぱっと見た感じはありきたりの様でいて、よく見ると真面目に練られた細かな配慮が全然ありきたりじゃない。そういうところが家事問屋の製品の優れたところだと思います。LOST AND FOUNDでは、そういう物をセレクトしていきたいですね。 暮らしの隙間にすっと入り込むもの 小林さん:続いては“隙間”商品、シンクの「水止めキャップ」です。これは店頭でも質問が多いようですが、シンクに水を貯めるときに使うもの。漬け置き洗いの際などに便利ですよね。 小林さん:そして「保存缶」。何でもないような缶ですが、あったら意外と便利っていう。僕なら、綿棒のストックとか、服を買ったときのスペアボタン入れにしても良いですね。ボタンてすぐなくなっちゃうじゃないですか。そういうものを入れておいたりして。暮らしの隙間にすっと入り込むような、こういうアイテムは好きですねぇ。 汎用性と専門性 小林さん:今度は用途をぐっと絞り込んで専門性を追求した「ワンドリップポット」。150mlの目盛りが付いており、カップ一杯分のコーヒーを淹れるお湯を注ぐことを追求する、その潔いあり方に惹かれます。食卓にある小さなプランターの水やりなんかにも良いですね。主張しすぎない佇まいは、カーテンレールなんかに引っ掛けておいても気になりません。家事問屋は、高い専門性がありながら他の使い方にも転用できる汎用性があり、ドイツ製品に通じる質実剛健な感じも良いですね。日用品店に足を運ぶとき、必ずチェックする物がそれぞれにあるものだ。そこで自分なりに店の判断を下したりする。キッチンに必ず必要な水切りバスケットは、多くの方にとって、その判断基準となるものかもしれない。小林さんが悩んだ末にようやく出合い、太鼓判を押した「家事問屋」のバスケットは、LOST AND FOUNDでも人気の商品となっている。「家事問屋」のアイテム、これからもラインナップが増えていく予定だそう! <記事内紹介商品> 家事問屋 スリム水切りバスケット 47 ¥9,350 家事問屋 スリム水切りバスケット 55 ¥9,900 家事問屋 箸ポケット...

小林和人が選んだもの 「家事問屋の話」

2022/06/03

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、「ありきたり、なのに使いやすい。」家事アイテムが揃う、「家事問屋」についてです。 ハマる、水切りバスケット 小林さん:日用品の店で、どんな水切りかごを取り扱っているかで、その店の方向性が分かります。そういう意味で、LOST AND FOUNDのセレクトの方向性を示す上で申し分のない水切りかごが、この家事問屋の「スリム水切りバスケット」です。シンクと壁との間にあるちょっとしたスペースに綺麗に収まるのが特徴で、サイズ展開もシンクの奥行きに合わせて2種類あります。見た目以上に十分な量のお皿が入り、オプションで「箸ポケット」などを付けることもできます。 ありきたりに見えて、ありきたりじゃない 小林さん:トレーの部分はエンボス加工になっていて、水垢が目立ちづらい。もちろん取り外しができるので、トレーだけを洗うこともできます。ぱっと見た感じはありきたりの様でいて、よく見ると真面目に練られた細かな配慮が全然ありきたりじゃない。そういうところが家事問屋の製品の優れたところだと思います。LOST AND FOUNDでは、そういう物をセレクトしていきたいですね。 暮らしの隙間にすっと入り込むもの 小林さん:続いては“隙間”商品、シンクの「水止めキャップ」です。これは店頭でも質問が多いようですが、シンクに水を貯めるときに使うもの。漬け置き洗いの際などに便利ですよね。 小林さん:そして「保存缶」。何でもないような缶ですが、あったら意外と便利っていう。僕なら、綿棒のストックとか、服を買ったときのスペアボタン入れにしても良いですね。ボタンてすぐなくなっちゃうじゃないですか。そういうものを入れておいたりして。暮らしの隙間にすっと入り込むような、こういうアイテムは好きですねぇ。 汎用性と専門性 小林さん:今度は用途をぐっと絞り込んで専門性を追求した「ワンドリップポット」。150mlの目盛りが付いており、カップ一杯分のコーヒーを淹れるお湯を注ぐことを追求する、その潔いあり方に惹かれます。食卓にある小さなプランターの水やりなんかにも良いですね。主張しすぎない佇まいは、カーテンレールなんかに引っ掛けておいても気になりません。家事問屋は、高い専門性がありながら他の使い方にも転用できる汎用性があり、ドイツ製品に通じる質実剛健な感じも良いですね。日用品店に足を運ぶとき、必ずチェックする物がそれぞれにあるものだ。そこで自分なりに店の判断を下したりする。キッチンに必ず必要な水切りバスケットは、多くの方にとって、その判断基準となるものかもしれない。小林さんが悩んだ末にようやく出合い、太鼓判を押した「家事問屋」のバスケットは、LOST AND FOUNDでも人気の商品となっている。「家事問屋」のアイテム、これからもラインナップが増えていく予定だそう! <記事内紹介商品> 家事問屋 スリム水切りバスケット 47 ¥9,350 家事問屋 スリム水切りバスケット 55 ¥9,900 家事問屋 箸ポケット...

小林和人が選んだもの 「ブラシの話」

小林和人が選んだもの 「ブラシの話」

2022/04/15

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのはREDECKERのブラシについてです。 ブラシの魅力とは 小林さん:REDECKERは私の店でも長く取り扱っていて、馴染み深いブランドです。海外の蚤の市に行くと、ブラシって何故か買っちゃうんですよね。古い試験管やビーカーとかもそう。置いてあるだけでグッとくるものがあります。何故惹かれるのだろう…と考えたのですが、異素材の組み合わせが良いのかなぁ。木部と毛の部分が響き合うような。 クラシックとレトロ 小林さん:REDECKERが良いと思うのは、クラシックな佇まいに尽きると思います。自分の中で明確に違うのが、「クラシック」と「レトロ」という言葉なんですが、REDECKERは決してレトロではなく、クラシックなんです。レトロとは、懐古主義的な必然性のない振り返りというか、懐かしむ気持ち。クラシックとは、過去から受け継がれているんだけど同時代に息づいていける、未来に繋がっているようなもの。そんなニュアンスの違いが自分の中にはあります。ココのブラシたちは、昔は当たり前だったと思うのですが、他のブランドがモダンな姿に形を変えていく中で、良い意味で取り残されながらも、現代をともに生きていきたい存在。とても貴重な存在なんですよね。 店休日の掃除スタイル 小林さん:一言でブラシと言っても、様々なブラシがあります。これだけあれば掃除が楽しくなりますよね。やったらやっただけ綺麗になる掃除は、気持ちもスッキリします。店休日にRadikoでTBSラジオを聴きながら掃除するのが私のスタイル。「おぎやはぎのメガネびいき」とか宇多丸さんの「アフター6ジャンクション」がお気に入りです(笑)。 ブラシの“専門性” 小林さん:ブラシメーカーだけあって、一つひとつ専門性があるというのも惹かれるところ。ずっと触っていられる柔らかい山羊毛を使ったほこり取りブラシや、長く伸びたものは棚などの隙間用ブラシ、4本のブラシが一体化されたのはブラインド用ブラシ。あらゆる専用ブラシは、壁にかけて全部揃えたくなります。どれも日用品の中で出突っ張りの主要キャラクターではなく、ときおり現れて威力を発揮するタイプで、そう考えると味わい深い。やっぱりドイツで作られたものは実直な素晴らしさがありますよね。 取材中、小林さんはずっと「ほこり取りブラシ」を触りながら穏やかな表情で話してくれた。そして最後に、「猫や犬を撫でるとセロトニンが出るっていうけど、それに近いものがあるんじゃないかな」とブラシを愛でていたのが印象的だ。掃除用具ひとつにも、そんな愛情を持って向き合うことができたら幸せではないだろうか。 <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Seki photo by Naoki Yamashita

小林和人が選んだもの 「ブラシの話」

2022/04/15

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのはREDECKERのブラシについてです。 ブラシの魅力とは 小林さん:REDECKERは私の店でも長く取り扱っていて、馴染み深いブランドです。海外の蚤の市に行くと、ブラシって何故か買っちゃうんですよね。古い試験管やビーカーとかもそう。置いてあるだけでグッとくるものがあります。何故惹かれるのだろう…と考えたのですが、異素材の組み合わせが良いのかなぁ。木部と毛の部分が響き合うような。 クラシックとレトロ 小林さん:REDECKERが良いと思うのは、クラシックな佇まいに尽きると思います。自分の中で明確に違うのが、「クラシック」と「レトロ」という言葉なんですが、REDECKERは決してレトロではなく、クラシックなんです。レトロとは、懐古主義的な必然性のない振り返りというか、懐かしむ気持ち。クラシックとは、過去から受け継がれているんだけど同時代に息づいていける、未来に繋がっているようなもの。そんなニュアンスの違いが自分の中にはあります。ココのブラシたちは、昔は当たり前だったと思うのですが、他のブランドがモダンな姿に形を変えていく中で、良い意味で取り残されながらも、現代をともに生きていきたい存在。とても貴重な存在なんですよね。 店休日の掃除スタイル 小林さん:一言でブラシと言っても、様々なブラシがあります。これだけあれば掃除が楽しくなりますよね。やったらやっただけ綺麗になる掃除は、気持ちもスッキリします。店休日にRadikoでTBSラジオを聴きながら掃除するのが私のスタイル。「おぎやはぎのメガネびいき」とか宇多丸さんの「アフター6ジャンクション」がお気に入りです(笑)。 ブラシの“専門性” 小林さん:ブラシメーカーだけあって、一つひとつ専門性があるというのも惹かれるところ。ずっと触っていられる柔らかい山羊毛を使ったほこり取りブラシや、長く伸びたものは棚などの隙間用ブラシ、4本のブラシが一体化されたのはブラインド用ブラシ。あらゆる専用ブラシは、壁にかけて全部揃えたくなります。どれも日用品の中で出突っ張りの主要キャラクターではなく、ときおり現れて威力を発揮するタイプで、そう考えると味わい深い。やっぱりドイツで作られたものは実直な素晴らしさがありますよね。 取材中、小林さんはずっと「ほこり取りブラシ」を触りながら穏やかな表情で話してくれた。そして最後に、「猫や犬を撫でるとセロトニンが出るっていうけど、それに近いものがあるんじゃないかな」とブラシを愛でていたのが印象的だ。掃除用具ひとつにも、そんな愛情を持って向き合うことができたら幸せではないだろうか。 <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Seki photo by Naoki Yamashita

小林和人が選んだもの「たわしの話」

小林和人が選んだもの「たわしの話」

2022/01/24

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは亀の子束子の「白いたわし」についてです。 ご飯茶碗とたわし 小林さん:ここ何年か、朝は納豆ご飯と決めています。 ご飯茶碗ってすぐに洗いたいじゃないですか。夜は浸けておいて時間が経ってから洗ったりしますが、朝はそんな悠長なことを言っていられないので、食べ終わったらすぐに洗いたい。そんな時に柔らかいスポンジだとご飯粒が残っちゃうし、固い面だとご飯粒が隙間に詰まっちゃうし…。どうにかしたいと思っていたのですが、出会ったんですよね! リュウゼツランの麻 小林さん:亀の子束子といえば、茶色のパームヤシのものがまず思い浮かびますが、この白いたわしも見逃せません。あまり知られていないのですが、サイザル麻を使っていて、高い柔軟性と吸水性が特徴。サイザル麻は、リュウゼツランという植物の繊維なんです。アロエを大きくしたような…、テキーラの原料としても知られています。吉祥寺『OUTBOUND』(@kazutokobayashi)の店先にも飾っていて、私にとっては馴染みのあるもの。 長い皿洗い歴で見つけた名品 小林さん:リュウゼツランの綺麗な繊維はとてもしなやか。茶碗やフライパンの隅っこのカーブに沿うような丸い形も使いやすいです。皿洗い歴が長い私は、ずっと洗うための良い道具を探していたのですが、見つけましたね。やさしい繊維なので、足の裏にも使えるかも!笑 使い方の発見を 小林さん:石鹸置きにも良いですよね!洗濯用石鹸をたわしの上に置いて、ちょっと汚れたシャツの襟をブラシで洗うセットに。皆さんにもどんどん使い方を発見してほしい。私のモノ選びの基準のひとつとして、“いろんな使い方ができる”というのは重要な要素です。とてもシンプルな姿をしているけれど、たくさんの側面を持っているモノが好きです。発見があると、そこからまたどんどん愛着が湧いてきて面白いんですよね。 たしかに、角度を変えてみればモノの使い方は様々かもしれない。固定概念にとらわれることなく、使い方を考えるモノ選びの時間は楽しい。是非そんな時間をLOST AND FOUNDで体験してみていただきたい。余談ですが、小林さんの最強朝食は、納豆にめかぶ、じゃこをのせ、ごま油で和えたもの。毎朝お茶碗に2杯を食べるそう! <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto by Naoki...

小林和人が選んだもの「たわしの話」

2022/01/24

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは亀の子束子の「白いたわし」についてです。 ご飯茶碗とたわし 小林さん:ここ何年か、朝は納豆ご飯と決めています。 ご飯茶碗ってすぐに洗いたいじゃないですか。夜は浸けておいて時間が経ってから洗ったりしますが、朝はそんな悠長なことを言っていられないので、食べ終わったらすぐに洗いたい。そんな時に柔らかいスポンジだとご飯粒が残っちゃうし、固い面だとご飯粒が隙間に詰まっちゃうし…。どうにかしたいと思っていたのですが、出会ったんですよね! リュウゼツランの麻 小林さん:亀の子束子といえば、茶色のパームヤシのものがまず思い浮かびますが、この白いたわしも見逃せません。あまり知られていないのですが、サイザル麻を使っていて、高い柔軟性と吸水性が特徴。サイザル麻は、リュウゼツランという植物の繊維なんです。アロエを大きくしたような…、テキーラの原料としても知られています。吉祥寺『OUTBOUND』(@kazutokobayashi)の店先にも飾っていて、私にとっては馴染みのあるもの。 長い皿洗い歴で見つけた名品 小林さん:リュウゼツランの綺麗な繊維はとてもしなやか。茶碗やフライパンの隅っこのカーブに沿うような丸い形も使いやすいです。皿洗い歴が長い私は、ずっと洗うための良い道具を探していたのですが、見つけましたね。やさしい繊維なので、足の裏にも使えるかも!笑 使い方の発見を 小林さん:石鹸置きにも良いですよね!洗濯用石鹸をたわしの上に置いて、ちょっと汚れたシャツの襟をブラシで洗うセットに。皆さんにもどんどん使い方を発見してほしい。私のモノ選びの基準のひとつとして、“いろんな使い方ができる”というのは重要な要素です。とてもシンプルな姿をしているけれど、たくさんの側面を持っているモノが好きです。発見があると、そこからまたどんどん愛着が湧いてきて面白いんですよね。 たしかに、角度を変えてみればモノの使い方は様々かもしれない。固定概念にとらわれることなく、使い方を考えるモノ選びの時間は楽しい。是非そんな時間をLOST AND FOUNDで体験してみていただきたい。余談ですが、小林さんの最強朝食は、納豆にめかぶ、じゃこをのせ、ごま油で和えたもの。毎朝お茶碗に2杯を食べるそう! <記事内紹介商品> 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by Sahoko Sekiphoto by Naoki...